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空の空  作者: lycoris
空の空
35/115

空の在り処

次に学校で会った時、朱音の片腕は無かった。

無いはずだ、俺が隠したから。

そもそも学校で会うとは思っても見なかった。

最悪、もう二度と会えないと思っていた。

「今、帰りでしょ?」

「…ああ。寝坊でもしたのか?」

心無理やり押さえつける。

「あはは、そうそう。うっかり2日も寝過ごしちゃったよ。」

あの日、最後に朱音と別れてから3日経った。

別れてから2日目に学校で確認したが、前日は居なかった。

そして、今日も居ないはずだったが、校門で俺を待ち伏せしていたようだ。

「今時間ある?」

朱音が歩こうと促す。

「大丈夫だけど。」

「けど?」

「なんでもない。」

続く言葉はいくらでもある。

時間が足りなくなるほど。

それでも今はこうして隣を歩けるだけで良い。

もう二度とないと思っていや瞬間。

ひょっとしたらこれが最後かもしれない瞬間。

それを目の前にして俺は考える事が出来ない。


「クラスのみんなはどう?」

「変わらないよ、ただそこにお前が居ないだけだ。」

「そう、だよね。」

少し寂しそうにする朱音を今すぐ抱きしめたい。

「学校は、どう?」

きっと朱音は気にし過ぎるだろうから一呼吸置いた。

「志水先輩が居なくなった。そして、お前も。」

そっぽを向いて答えた。

「…うん。」



「お前の方は、どうなんだ?」

「え?」

「朱音は、大丈夫なのか?」

「…どう、だろうね。分からないから、ここに来たのかも。」

「そうか。

なぁ、」

真斗の方を見る。

「今度、花火祭りやるだろ?一緒に行こうぜ。」

まっすぐにこっちを見ながら言った。

「いいよ。実は私も誘いに来たんだ。」

「じゃあ、良いって事だな。」

「うん、一緒に行こ。」

「ああ。」

真斗が照れ臭そうに笑う。

それが照れ臭くて私も笑った。

胸の中が温かくなった。

やっぱり私は…


一瞬の寒気が背筋をなぞった。

だから、


「じゃあ私はここで。」

もう俺の家が見えているのにここで解散となった。

もっと一緒にいたいが、きっとそれは朱音を苦しめてしまうような気がする。

「またな。」

出来るだけいつも通りに別れた。

「うん。ばいばい。」

つもりだったのに、そこから動けない。

朱音が視界から消えても、体が離れたくない。

追いかけたい。

心と体を頭で遮ると、ただ立ち尽くす事しか出来ない。

日が暮れるまで、ただ(むな)しいだけの空を視界に映していた。























前回のサブタイは思い浮かばなかったので勢いに任せました。


今回は情景を大事に、心情を必死に隠そうとしたら必然と短くなりました。

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