こ
それを望んでしまったから
家に着くと、夏七子ちゃんの父という男はもう帰っていた。
リビングに行くと真斗が何事もなかったように夕飯の準備をしていた。夏七子ちゃんも慣れてしまっているいるのか、何も言わずに自分の部屋に戻ってしまった。
何をしていいのか分からず悩んでいると、
夕飯の支度を頼まれた。
食器や箸をいつも通り準備した。
そこに夏七子ちゃんも来て、ちょうど料理も完成した。
終始無言の食卓にTVの雑音だけが流れる。
実家だったら禁止されていた、
こっちでもいつもなら会話の邪魔でしかなかった。
今も、不要だが無いよりはマシなのかもしれない。
少なくとも私には。
夏七子ちゃんが最初に食べ終わり、自分の部屋に戻った。
私は真斗のペースに合わせ、ちょうど食べ終わる頃に話を切り出した。
真斗曰く、ほとんどが夏七子ちゃんと同じ内容だった。
夏七子ちゃんと違って詳細も知っている様子なので、深く聞いてみた。
あの男、宮内 健太郎は真斗の母の再婚相手。
だが、正式に籍は入れてない。
夫側が認めていない。
2人の間に出来た夏七子ちゃんも認知していない。
そういう男だった。
真斗の父が亡くなったショックで弱っていた真斗の母は、
真斗の母はこの男に巧みに騙され、遺産や貯金などほとんどを貢いでしまったそうだ。
それに失望し、酒に明け暮れていた真斗だが、このまま肉親を見過ごす事も出来ず、祖母の家に転がり込んでそのまま夏七子ちゃんも預かった。
最初祖母は反対し、夏七子ちゃんを疎んでいたが、
次第に真斗の思いと夏七子ちゃんが悪い子では無い事が分かって、
だがその頃にはもう遅かった。
真斗と夏七子ちゃんに出来る限りのものを残し、逝ってしまった。
夏七子ちゃんはそんな2人に答えるように健気に育った。
が、健太郎はそこにやって来た。
話は変わって、
今この町にはある病気が蔓延しているらしい。
それは昔からあり徐々に徐々に感染を広げていった。
今では漏れなく町の全員がその病気に罹っている。
原因は不明、治療法も不明、ただ症状だけが分かっている。
それは非常に危険で、本人の意思に関係無く死を振りまく。
だが、幸いにも症状を抑える薬はあるらしい。
それが、真斗が飲んでいた酒だった。
子供には副作用の関係上で飲ませられないのであえて、酒に混ぜているそうな。
そして、子供の発症率は低い。
過剰なストレスなどがない限り発症はほぼ無いそうだ。
発症した患者は、例外を除いて即座に殺処分。
この病気をこの町で監視するのが健太郎の仕事。
普段は外で研究をし、時折様子を見に来る。
その過程で、ここを勝手に拠点にしている。
夜は大抵他のおそらく女性の家に泊まっているようだ。
健太郎はわざわざ嫌がらせをする為だけにここに立ち寄っている。
そして、自分の立場を利用して理不尽な暴力を振るう。
真斗が反撃しようものなら権限を使って夏七子ちゃんを殺せる。
そうでなくとも夏七子ちゃんに直接ストレスを与える事もあるらしい。
夏七子ちゃんには逆の事を吹き込み、それすら否定出来ない真斗はただただ苦しみ耐えている。
それを嬉々とし、オモチャを壊れないように壊して遊んでいる。
聞けば聞くほど湧き上がる憎しみ。
真斗は特に何とも無いかのように淡々と語った。
最後に念押し、自分への呪縛のように言った。
「俺が我慢すればそれで済む。」
何も出来ない自分が悔しい憎い嫌になる
そんな事、私よりも2人の方が思っているはずなのに
それでも私は、嫌悪せずにはいられない
場面が転々と変わるので前回と切り離しました。
あとは上手くまとめられそうな気がしなかったので。
これでやっと設定の半分以上は吐き出せたかなと思います。
所々おかしかったりするかもしれませんが、
それは演出なのか私の天然なのか。
それではそれでは




