思い出に空を
サンタクロースは虚ろな空に語った。
母さんが父さんを食べれたのだから、私は。
父さんと最後に話したのはいつだっけ?何を話したっけ?
母さんとは?
私の中の悔いの無い別れ。
「俺はもう行くからな。お前の両親との約束はたしかに守った。」
約束の内容は、今私がここに生きている。
「ただの先送りだってのに。それじゃあまた会おうぜ。」
軽快に手を振って振り返りもせず去って行くサンタクロース。
それを私は、小腹を満たしながら見送っていた。
サンタクロースが去った後、父さんと母さんを食べていた数日で考えていた。
私の後悔を。
まだ知らない事もしていない事もある。
私にも約束がある。
だから、帰ろう。
簡単な話さ、お前の両親はお前を殺す為に向こうにやった。
だが、大切なモノは失くしてから と、自分たちはどうなってもいいから娘だけは。
そんな都合の良い話はない。
だから、食べさせた。
自分たちで。そしてお前に。
最初に折れたのは女の方だ。
飢餓に近づくほどに男の甘言に理性を保てなくなる。
ついに切れたそれは俺の予想より長く保った。
自分の命の為に娘を差し出したような奴らだからな。
でもそれもしょうがない、お前が弱いから。
だが、子の親は強かった。
お前が今生きている理由さ。
お前は生かされたんじゃない、自分で生きた。
お前は死んでもなお誰かを生かせるか?
選ぶのはお前だ。
どちらを選んでも絶望するのなら、お前はどちらを選ぶ?
子供を殺し生きて絶望するか
、
子供に殺させ生かして絶望させるか
結果お前はどちらを選んだ。
さあ、選んだのなら後は好きにすればいいさ。
また次の選択の時まで。
それまで俺はお前を生かそう。




