スペア
これが最後の帰り道
いつもより1つ手前の停留所で降りた
いつもよりゆっくり進む
きっといつも通りでもゆっくり進んでいただろう
振り返れば早かった
約1ヶ月
長いのやら短いのやら
もっと続けばいいのに
もっともっと
家に着くと真斗が待っていた
大丈夫か?と聞かれた
その足はどこにやったんだ?って?
知らないよ、と答えると
義足を作るかと提案された
何かが袖を引っ張るので返答を濁した
明日の予定を聞かれたので
自宅謹慎になった事を簡単に説明した
するとまた大丈夫か?なんて聞いてくるので
不安がらせないように笑顔で返した
「私は大丈夫だから」
次の日、
少し離れた所にある義肢装具を取り扱っている店に行った。
オヤジさん、頼めるかな?
久しぶりだな、不具合か故障か?
いや、俺じゃない。
真斗の視線が私に向く。
オヤジさんの目線が私の足に注がれる。
はー、これはこれは。
…
野暮なことは聞くつもりはないよ、んで作るのかい?
まだ、考えてるらしいから
分かった。
オヤジさんが席を少し席を外し、
入れ替わりにオヤジさんの奥さんがお茶を出してくれた。
オヤジさんが義足を幾らか持ってきて、
テーブルをあけて並べた。
とりあえず、見て触ってみてくれ。
言われた通りにする。
どうだ?
どう、なんでしょう。
そこに問題が無いなら、あとは俺に出来ることはない。
自分の素直な心で決めな。
それは君の足であって君の足でないのだから。
ありがとうございました。
真斗と一緒にお礼を言った。
結局、何も決まらなかった。
が、両親に心配をかけたくなかったので、作ることにした。
1足作ることにした。
費用は真斗がおばあちゃんの遺産から出してくれる。
断ろうとしたが、
断ったところで私には何もできないので、
素直に頼った。
真斗は責任を感じていうようだった。
真斗は 何もしていない のに
それからは、真斗の畑の簡単な手伝いをしたりして、
なんだかんだ真斗にべったりだった。
今の私は何も出来ないからと大義名分を掲げて。
最後の思い出だ。
これは夢だ。
周りがみんな燃えている。
周りのみんなも燃えている。
みんなみんな泣きじゃくっている。
それは何かが倒れる音、
誰かが倒れる声、
とめどなく溢れ出る涙でも火は決して消えない。
消えないのだからもっと泣き叫ぶ
地獄絵図
その中に私は
でも、これは夢なんだ。
目が醒めるといつ通りの光景で、
最後の光景。
今日で、ここでの生活は終わりだ。
ちょっと淡白に書きました。
読み辛いかもしれません。
割とサクサクかけて私の中ではたまにはありと絶賛です。
それではそれでは




