2人目の 代償
「ん、ぅんん…」
あれ、月が明るい…
床が硬い。
そりゃあ床で寝てるから。
「ぁ…」
重たい瞼がやっと、ゆっくり開く。
身体を半分起こし、周りを見渡す。
いつの間にか縁側で寝落ちしていた。
腹に記憶に無いタオルケットがある。
真斗がいない。
立ち上がると、寒さで身体を震わせた。
それから月を見上げ、何かに誘われる様に外へ出た。
行先は分からない。
でも、きっとそこには真斗が居る、そんな気がする。
裸足のまま慣れて来た道の知らない方へと進んで行く。
どんどん、どんどん、行った事もない森の奥地を目指して。
すると切り株に座る真斗が見えた。
誰かに向かって話しているようだ。
様子を伺いながら近づく。
一向に話し相手が見えないが、真斗の視線の先には墓標の様に立てられた石があった。
真斗は今日学校で起こった事を語っていた。
そして、聴こえてこない返事に応えていた。
その光景が心に焼きついた。
真斗の顔は、夏七子ちゃんを撫でている時よりも一層優しく微笑んでいた。
胸が苦しくなる。
心臓が激しく鳴る。
吐き気すら覚えるその光景から目を背け来た道を帰る。
それが全て夢ならいいのに。
ある程度離れると体が軽くなって、そのまま駆け出した。
風が冷たい。
そう言えば寒い。
足も痛い。
目が、熱い。
ただ、何も考えずに家に向かった?
あれ、
目覚めると、いつも通りの朝だった。
頭が痛い、なんて二日酔いはないのだが、起き上がるのに失敗して前のめりで倒れた。
アレ、?
何でだ?ろう?
次は注意して立ち上がる。
足に激痛を感じたが、何とか立ち上がれた。
それからいつも通り着替え、朝食を食べに向かったが、
家にはもう誰も居なかった。
時間を確認すると、遅刻が迫っていた。
走ってバス停まで急げばまだ間に合いそうだ。
少し走っただけで大分疲れたが、何とかバスに間に合った。
「あの、大丈夫ですか…?」
「え、大丈夫ですよ。」
いつもの時間とは違って強面の運転手だったが、優しい人ようだ。
さあ、ささっと学校に向かって下さい。
私はまだ少し眠いので、空腹を紛らすついでに一眠りする。
潜在意識のおかげで学校に着く一つ前の停留場で目が覚めた。
バスから降りる時、またバランスを崩しかけたが、
やはりと何とか持ち直した。
まだ酔いがとれていないのかも。
教室に着くとチャイムが鳴った。
先生がすぐにやって来て点呼を取った。
山本は休みのようだ。
それから少しの業務連絡を済ませた。
そこで私は呼び出された。
点呼を済ませ先生の下へ行こうとして、また転んだ。
そして、クラスのみんなが私に注目した。
「キャアアあ!」
少し羞恥を覚えながらも立ち上がろうとすると悲鳴が聞こえた。
青山さんが絶句していた。
ホラー映画でも観たかのように目に涙を浮かべる悲鳴をあげた子。
他にも戦慄の表情、とでも言うのかみんな固まっていた。
私の周りを見ても何にもおかしい事が無いのだが、とりあえず先生に聞いてみた。
「それで、先生。話って?」
「お前…今すぐ保健室に行くぞ。」
そう言って先生は私を担いで教室を出た。
先生って意外と力持ちだ。
保健室に着くと、ベッドの上に降ろされた。
「どうしたんですか?」
「それはこっちのセリフだ。ほら。」
先生は私にハンカチを差し出して、棚から包帯を取り出した。
「そいつを噛め。いいか、その足はどうした。」
「え?」
自分の足を見てみた。
あれ?
「足がどうかしましたか?」
「目を醒ませ!お前はもう起きてるはずだろ!」
頰を引っ叩かれた。
痛い
いたい
あれ?イタい
打たれた頰が?
違う、もっと下の方が痛い
どこだろう?
目線は自然と足に戻っていた。
痛い?足が?何で?イタイ?足が?
足が?ない?イタイ、足が、ない?
私の足って、1つ足りない?2つじゃ、ない?
いつからだろう、痛いのは。足がないのはいつからだろう。
足がないのは、痛い?いつからだろうは、足がないイタイ?
足がないのは痛い?
私の足は1つ足りない、だから痛い
「ああああああああああああああああああああああ!ああああああああああ゛ああ゛ああああああああアアゞあああああああああああぁぁぁあああアあアぁあァ゛ああああああ
大分間が空いてしまい、すみません。
ちょっと詰まっちゃいました。
無意識に書けば書くほど想定外に路線が切り替わっていき、どう終点に着けるかで悩みます。
できればいろんな道を通りたいです。
まあそんな事より書くペースを上げろって話ですが。。
そんなわけで私にもGWを下さい
失くなった朱音ちゃんの手と足りない綺音ちゃんの足が右か左かは特に考えてないです。
2人の利き手足、みなさんの脳内補完でお願いします。
そのうち唐突に決めるかの知れないですが。




