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空の空  作者: lycoris
空の空
18/113

朱音の空

店の出し物は全て売れてしまったので当然店仕舞いだ。

とりあえず、今は食材などの小物を片付け撤去準備に留めた。

全部が終わった後、クラスで集合写真を撮るので、店は出したままにしておかなくてはいけなかった。

大方の作業が終わってまだ出し物をしているクラスを回ることにした。

「お兄ちゃんはどこに行きたい?」

「ん〜お前らの様子を見に来ただけだから特に無いんだよなぁ。」

「じゃあお化け屋敷とかどうですか?」

途中で合流した青山さんが提案する。

「まあ、みんながそれでいいなら。」

「いいね!」

夏七子ちゃんがこちらに視線を向ける。

「いいと思うよ。」

「じゃあお化け屋敷にしよー!」

夏七子ちゃんは真斗の手を引いて先を行き、私たちはその後ろに着いて行った。

お化け屋敷の教室に着くと青山さんに背を押された。

「おっと」

少しよろけて真斗の背にぶつかる。

「おいおい、大丈夫か?」

「え、うん。」

振り返るといつの間にか後ろにいた夏七子ちゃんと青山さんが親指を立てていた。

「綺音ちゃんつまずいちゃったの?」

「ちょうどいいね!このまま2:3に別れようよ。

大勢で入ってもしょうがないしね。」

「そうだな、行くか。」

「ちょ、ちょっと待ってよ。」

「ほらほら後ろ詰まってくるから早く!」

人の気も知らずに楽しそうにして。




「中々クオリティあったね!」

「まあ学校は怪談の基礎だし。」

「そういえばそっか!」

委員長と夏七子ちゃんがそんな会話をしている。

青山さんは私に耳打ちをしていた。

「で、どうだった?」

「どうって、緊張しすぎてそれどころじゃなかったよ。」

「えー」

「いや、いきなりだったからさすがに。」

「えー

いつもはあんなに堂々としてるのに〜?」

「いや、それとコレとは違うじゃん!」

「ほほう、何がどう違うの?」

「えっと、ほら、あの、う〜ん、」

「はっはっは、ごめんちょっとからかい過ぎた。

こんな綺音ちゃんは新鮮で面白かったから、つい。」

「はぁ〜…そんなに違う?」

「そりゃあもう面白いくらい。

まあ焦らなくてもいいと思うけどね。

あんまりゆっくりし過ぎててもアレだけど。」

「分かってるよ、一応。」

「おや、何を分かってるのかな?」

「もう!」

「あはは」


そんなやり取りをしている間に夏七子ちゃん達が次に行く所を決めていた。

次で最終公演の演劇を観に行くことにした。

時間に余裕もあったので途中で寄り道しながら行った。

展覧会の教室や化学実験の教室など飲食以外の出し物も意外にある事に感心し、来年は。

そんな事をふと考えてしまったが、すぐに消した。

今は楽しもう。

それだけを考えよう。

何も考えずに楽しもう。

今日はそういう日なのだから。



途中で眠る事なく観終わった。

当然のように私と真斗が端っこで2人並んで座らされた演劇も終わり、教室を出ると先生に会った。

「あ、先生。」

先生は真斗を睨んだ。

「やっと見つけた。」

「久しぶりですね。」

「お前と言う奴は。…こい、話がある。」

「…悪いな、俺はここまでだ。悪いが帰りは自分たちの足で帰ってくれな。」

真斗は夏七子ちゃんの頭をポンと撫でて、すぐに先生の後に着いて行った。

「ちょっと借りてくぞ。ホームルームまでには終わる。」

先生は振り返らずにそう言って談話室に向かって行った。


「何かあるのかな、あの2人。」

「どうする綺音ちゃん?」

「なんでそうなるの。

たぶんそんなんじゃないと思うけど。」

夏七子ちゃんが私の手を握った。

「どうしたの?」

「お兄ちゃん、行っちゃったね。

次、どこ行こっか?」

「そうだね。どうしよっか。」

「それなら•••

•••

••••




「ねぇ、真斗、学園祭は楽しい?」

「ん?楽しいんじゃないの、授業が無いし。」

「もう、そういう事じゃなくて!」

「どうどうどう。」

「そうじゃなくて、、

じゃあさ、 私と居るのは、楽しい?」

「…今更何言ってんだよ。」

「答えてよ。結構恥ずかしいんだから。」

「なら聞かなきゃいいだろう。」

「嫌だよ。聞きたいんだもん。

真斗の口から直接。いつも、いつだって。」

「はぁ…しょうがない奴だな」

真斗が私の身体を抱き締めた。

「…ぐっ、うっ、うぅ」

目頭が熱い。

「…泣くなよ、こんな事で。」

「だって、だって、

いっつも、不安、だったから、」

真斗の背中にしがみつく。

「ったく、お前は言わなきゃ分からない奴だな。」

「グスッ、でもっ、 ん!?」

私の身体から力がすっと抜けた。

息をするのも忘れるくらい。

「…これなら、言わなくても分かるだろう。」

「…うん。ありがとう、真斗。

私、真斗の事、大好きだよ。」

「っ!」

真斗は私から顔を逸らした。

「真斗は、どうなの?」

体の先が震えてる。

真斗を信じたいのに。

「、分かったんじゃないのかよ。

そんなの、俺だって朱音が好きだよ、昔っから。」

真斗は私の震えを止めてるようにまた温もりをくれた。

今は、今が幸せだった。
























おまたせしました。

多忙につき時間がかかってしまいました。


誰が誰のセリフか、後で見返すと実はっ…

って言う風に出来てたら良いなと思いました。( )



間が空くと設定が飛ぶので余計に間が空いてしまう。

そうならないように頑張ります。

いつも繰り返し言ってるのに何故か空きます

がんばります、はい

それでは

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