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空の空  作者: lycoris
その後
114/114

友慈

背筋を伝う悪寒に身震いをする穂花。

「大丈夫ですか?」

「何か、嫌な感じがした。」

振り返る穂花に構わず進む綺音。

「あながち、間違いじゃないかもしれないですよ。」

「珍しく弱気だな。」

「本気で怒ってる雰囲気だから。

巻き添えが怖いですよ、本当に。」

「確かに離れてた方が良さそう。

あれはヒステリー入ってる。」


しばらくして再び門扉の前に立つ。

チャイムを鳴らすと中から慌ただしい物音。

その割に返事はない。

もう一度鳴らす。

今度は反応がない。

連打する綺音。

視線をカーテンに向ける綺音。

するとカーテンが揺れた。

痺れを切らした綺音がドアをけたぐる。

その音に反応して揺れるカーテン。

綺音は面白がってるわりに冷めた顔をしていた。

それに余計恐怖を煽られる3人。

「何の用ですか…!?」

震える声で返事が来た。

「顔、見せてよ。」

「…そんなに見たければ、鏡でも見ればいいでしょ…!」

その返事が不服だったのか、もう一度ドアを強く蹴る綺音。

恐らく中で絢音(アヤネ)が転がる音。

「お願いだから帰ってよ!

この前は引き返したでしょ!?

いったい私に何の用なの!?」

「教えてあげるから出て来なさいよ。」

「嫌だ!

絶対にヤダ!!」

「この家を壊されるのと、大人しく出てくる。

どっちがいい?」

「....」

「3...2...」

「分かった!分かったから!!」

慌てて飛び出した絢音。


改めて瓜二つな2人。

双子も真っ青、まさにクローンの様。

「それで、何?」

いつでも逃げ帰れる様、後ろ手にドアノブに手をかける絢音。

「死んで欲しい。」

笑いかける綺音。

「嫌だ」

「嫌じゃない。」

「何でよ!?」

「お前も(アタシ)なら分かるでしょ?」

「分からない!」

「なら尚更、死んでよ。」

「嫌だってば!」


姉妹喧嘩にも見えない。

脅迫。

以前と変わらない。

「生きてる事が許せない。」

「じゃあ会わなければいいでしょ!

私の前から消えてよ!」

「ダメ。

出逢った以上はどちらかが消える。

そういうモノでしょ、(アタシ)達。。」

「どうしてそうなるの!?」

「お前を見て確信した。」

「あなたに何かした?」

「お前は何もしなかった。」


「だから頼んでるの。」


「お前が私に消されるか、

お前が私を消して。

それで事が終わる。

それで一つになる。」


「…なら、あなたが消えてよ。」

「!?」


窓から友慈が降ってきて、

綺音の右腕が切り落とされる。


「話はつきそうか??」

「え」


絢音の前に立ち塞がる友慈。

後ろのドアが開いて幽も出てくる。

「とりあえず、ソレしまっておいて。」

幽が持っているクーラーボックスに綺音の切り落とされた腕をいれる。


「とりあえず全員、一旦動くな。」

切先を綺音に突き立てる。

「まずは、話をしよう。

大丈夫、腕なら後で引っ付けるから。」


やっと先生が言っていた意味が分かった。

綺音さんが絢音に勝てない理由。

この男が邪魔に入るから。

先生の言葉の通りなら今この場で1番強いのはこの男。

こちらが3人で束になっても勝てない。

既に綺音さんは負傷していて穂花さんは竦んでいる。

ここは大人しく彼の言う通りに従う。

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