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空の空  作者: lycoris
その後
110/114

戦果

「さあ、教えてよ。」

「お前ら人形人食種じゃないのかよ!?」


「どっちだろうね?

やってみれば分かるんじゃない?」


美子の先生の首を絞めた。

「私達のことはどうでもいいでしょ?

それともあなたは何か知ってる?」

「うぐぐぐ、っ、ふ、ぅ、」

念のため落ちていた箱をとりあげた。

「…」


「どうして殺さないの?」

「かっはっ!

ぐ、くぅ。、…」


「…この人に何かされた訳でもないし、理由も特にない。

私に殺しの嗜好は無いし、食欲も今はないから。

生かして聞き出すこともあるし。

私たちは何も知らなすぎる。」


終わってみれば誰も死ななかった。

敵地に乗り込んで敵の無力化、戦意喪失。

ほぼ1人の戦果。

綺音が敵じゃなくて良かったと心底思った雄大。

「で、本当に何も知らないの?」

「…知っていたら答えてる。

さすがにこの状況で嘘は吐かない。」

尋問する綺音。

相手への拘束は無し。

要らないほどの力の差を見せ付けたから。

「予定内の《予想外(イレギュラー)》と予定外の《想定外(イレギュラー)》。

お前らは何から何まで後者だ。

こっちだって混乱してる。」


「改めて純粋に聞く、お前たちは人形人食種じゃないのか?」

「そのはず。」

「…。」

肯定する綺音と反応しない穂花。

「はっきりしてくれないと話が進まない。」

全員が穂花に注目する。

強張った穂花は一呼吸あけて言った。

(ウチ)は多分、違う。


そして綺音(こいつ)も違う。」

「どう言う事だ?」

私達(ウチら)の先生は、アンタらにとっては裏切り者だった。

だから、人を化け物に変えられるのなら、

その逆とその先を求めた。

それが私達。

綺音(こいつ)に関しては偶々、穂花(ウチ)に関してはマグレ。

私達は偶然イかされた。

この結果は先生にも想定外だったけど。」

「結果…か…

 まあ、現実に見せられると納得するしかないな。」

「そうだったんですね。」


「何で穂花(おまえ)がそこまで詳しい。」

「元々は(ウチ)がヘマしなければ綺音(アンタ)1人が生き残る予定だったから。」


「それで、どっちが進化して、退化したんだ?

音が効かなかったって事はそう言う事でいいんだろ?」

「先生の受け売りだからどこまで正しいか分からないけど、綺音(こいつ)が進化で、穂花(ウチ)が退化。

それは確か。」

「どこまで先に行って、どこまで戻ったかは?」

「は、分からない。

けど変化は確実で、これからどうなるかは未知数。」

「現状なら分かってるでしょ?

穂花(おまえ)が一番弱くて綺音(アタシ)が一番強い。

お前が一番人に近くて、私が一番遠い。

そっちには限りが有って、こっちには終わりが無い。」

「想定外の規格外、俺の手に余るわけだ。

そんなお前らはこの後はどうする気だ?」

「分からない。目的はあるけど。」

綺音(こいつ)と同じ。たぶん目的地は一緒のはず。」

「…あっ、俺っすか?俺も特に無いっす。」

「なら、悪いようにはしないから、

 手伝って欲しい事がある。」

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