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空の空  作者: lycoris
その後
108/114

検証

「じゃあ、思いっきり殴られても文句は言いわないでよ?」

雄大が前に出た。

「先に行ってください。すぐ追いつきます。」

「任せたよ。」

「私は?」

「ここに残れ」「一緒にいって下さい」

声がかぶった。

意見は真逆。

「どうすれば「好きにすればいい!どっちにしろ足手まといだ。」

穂花にめもくれずに先を行く綺音。

「くっ」

「いって下さい!」

雄大に急かされる形で綺音の後を追った。



「ねえ!雄大は大丈夫かな!?」

「…だったら残れば良いのに。、

だから、。足手まといなんだよ。、

私にとっても雄くんにとっても。」

「っ!……」

「文句を言う前に働け。

お前の価値を示せ。

でないのならお前はここで死ぬ。」

生徒会室の前に着いた。

「なあ、おい、

何が目的だ?」

「。いらっしゃい。

遅かったね、予定よりは早いけど。

そこのお荷物のせい?」

「そう。」


「だから、そっちで引き取って。」

「要らない」

「だってさ。」

嫌味ったらしく笑う綺音。

「私が弱いのはもう分かったから。

足手まといでいいから。

昨日の話の続きを」

「ないよ、そんなの。

ここまで生き残ってきたのなら、自分の状況くらい分かるでしょ。

一々説明するのも面倒くさい。」

「そう言わずに、(アタシ)も知りたいな。」


「本当に何も聞かなかったの?」

「聞く前にどこかに行って勝手に死んでた。

んで、行く宛がないから帰ってきた。

それだけ。」

「…

委員長はどうしたの?

「前にも言った。

私が殺した。

夢じゃないし嘘じゃない。」

「どうやって?」

「…こっちばっかり教えない。」


「実験。

悪趣味な実験。

簡単。

ただ最後の生き残りを決める。

だけ。

それぞれの地域で、環境で、条件で、

“私達”の場合は入れ替え。

イレギュラー同士を変えた場合どうなるのか。」

「ふーん…」

「…」

「結果も予想外(イレギュラー)

本命の委員長じゃなくて、

大穴ですらないソイツが生き残った。」


「それで、どうやって本命を殺した?」

「普通に。」

「タイマンで?」

「そう。」

「どこで?」

「外で。」

「ありえない。

あの町で、いや、他と比べるまでもなく最強の委員長が死んで、ソイツが生き残るなんて、

おかしい。ありえない。」

「。だってさ。」

「じゃあ私がここに来た理由はなんだったのさ!?」

「逃げたんだ。」

「なーんだ、私と同じじゃん。」


久しぶりに喋った穂花を睨む美子。

「つまり、私も逃げたの。

そして戻って来たら、綺音(そいつ)だけが生き残ってた。

ソイツ以外はみーんな死んでた、それだけ。

それを知りたかったんでしょ?」

「…それこそ信じられない。

担任はどうした?

逃げる前に殺される。」

「その担任に逃がされた。」


美子は机を叩いた。

「嘘だ!

それこそありえない!!」

「はぁ…

あんたも大概、あの町のニンゲンは馬鹿ばっかりか!?

ここに(あたし)穂花(こいつ)が居て、

先生が居ないのが何よりの答えだろうが。」

「…」

「信じられないなら戻ってみてくればいい。

誰もいない町を。


それとも、怖いのか?」

「……」

「手っ取り早いのは、

 この場で試してみればいい。」


美子は立ち上がってこちらへ歩み出した。

その顔には引き攣った笑顔が張り付いていた。


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