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暮春

4月の下旬。


締め付けるような痛み。

今日こそ、久美姉に言おう。


「久美姉、話があるんだけど。」

「私も。」

「じゃあ、久美姉のほうから。」

「あのね。子供できちゃった。」

「えっ。」


・・・・・・

・・・・・・


「ママには明日、帰って話をするから。まだ内緒ね。」

「うん。」


「そういえば、香奈の話は。」

「ううん。なんでもない。」

タイミングを逸してしまった。


「久美姉、幸せになってね。」

久美姉は黙って頷いた。



締め付けるような痛みはどんどんと増していく。

その痛みの間隔はどんどん短くなってくる。

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