ロンドン軍縮での日本海軍 〔巡洋艦編②〕
阿賀野型や改大淀型の就役で置き換えが決まった軽巡（天龍、龍田、球磨、多摩、北上、大井、木曽、長良、五十鈴） は順に船渠に入り、改装工事にとりかかった。
高速輸送艦となった球磨型は魚雷発射管、14㎝主砲の全撤去と12.7㎝連装高角砲2基の搭載、従来の艦橋を撤去して艦前方に新造艦橋を設置、輸送物件積み下ろし用のクレーンを装備、第一罐室と前部機関室を輸送物件格納庫へ回収、大発動艇数隻と輸送物件約300トンの搭載を可能とし、工期に5カ月を要した。
防空艦となった天龍型と長良型は14㎝砲を高角砲に、高射装置の搭載、機銃の増備など初春型の改装時と似たような内容になった。後に乙型駆逐艦（秋月型）の建造が決まったため合わせて4隻しか改装されていない。こちらの方は2カ月で改装を終えている。
改天龍型防空巡洋艦
排水量；3,620ｔ
全長；142.65 m 水線長 134.1 m
全幅；12.34 m
吃水；3.96 m
機関；ロ号艦本式重油専焼水管缶8基&同石炭・重油混焼水管缶2基
主機；ブラウン・カーチス式高低圧型ギヤード・タービン3基3軸推進
最大出力51,000 馬力
速力31.2 kt
航続距離14 kt / 5,000 海里
燃料重油：920t
石炭：150t
乗員；352名
武装；八九式 12.7㎝高角砲4基4門
九〇式 40㎜連装機銃4基
九六式 25㎜連装機銃8基
53cm3連装魚雷発射管2基
爆雷20発
※電探、水中聴音機、水中探信儀は後に搭載
改5,500ｔ級高速輸送艦 ※艦によって変動
排水量；6,210ｔ
全長；162.15m 水線長158.5m
全幅；14.17m
吃水；4.80m (常備)
機関；ロ号艦本式重油専焼水管缶6基
主機；技本式ギヤード・タービン2基2軸
最大出力；35,110馬力
速力；約24kt
航続距離18 kt / 3,650海里
燃料 重油：1,260t
補給品；300ｔ
乗員；500名＋陸戦隊400名
武装； 八九式 12.7cm連装高角砲2基
九〇式40㎜連装機銃2基
九六式25mm三連装機銃6基
大発8艘
爆雷12発 （最大 100発）
※電探、水中聴音機、水中探信儀は後に搭載
航空兵装；無し
施工艦；球磨、多摩、北上、大井、木曽
改5,500ｔ級防空巡 ※艦によって変動
排水量；6,250ｔ
全長；162.15m
全幅；14.17m
喫水；4.9m
速力；31ノット
航続距離；18ノット 3,750海里
機関；ロ号艦本式重油専焼艦12基
主機；技本式オール・ギヤード・タービン4基4軸
出力；90,000馬力
乗員；520名
兵装；八九式45口径12.7㎝連装高角砲5基10門
九〇式60口径40㎜連装機銃4基
九六式60口径25㎜3連装機銃13基
九二式61㎝四連装魚雷発射管2基
爆雷 90発
※電探、水中聴音機、水中探信儀は後に搭載
航空兵装；無し
施工艦；長良、五十鈴
