表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の暁  作者: ゆきかぜ
番外編②
27/31

ロンドン軍縮での日本海軍 〔巡洋艦編①〕

改高尾型として建造された生駒型は装甲厚の増大のみならず竣工時から電探を搭載するなど、当時の新兵器をふんだんに導入していた。特に主砲は従来の50口径20.3㎝砲から5口径延ばした新型の3号20㎝砲を搭載。米海軍の55口径砲に対抗すべく開発された砲で、羽黒で行われた射撃試験では優秀な成績を収めていた。この砲は他の重巡にも改装時に換装され、古鷹型と青葉型を除く全ての重巡に搭載された。


更に、条約で認めてられた軽巡洋艦建造枠 50,955tで阿賀野型6隻、大淀型2隻の建造を計画。この際、認められた建造枠を若干超えた事は諸外国に知らせなかった。老朽化が目立った天龍型や5500t型軽巡の一部の置き換えも決まり、新たな転用先として防空艦や高速輸送艦などへの改装が予定された。


その頃、米海軍は阿賀野型に対抗して条約制限一杯の10,000tの船体に15.2cm砲を15門載せたブルックリン級軽巡を就役させ、阿賀野型を圧倒する火力は日本海軍関係者を大きく震撼させた。当初6隻の建造予定だった阿賀野型は能力不足であると判断され、4番艦 酒匂をもって建造が取りやめられた。


一方、阿賀野型と並行して計画されていた潜水艦隊旗艦用の偵察巡洋艦大淀型は古鷹型より大きい船体に新開発の15.5㎝3連装砲を前部に2基、後部に大型の水偵格納庫を備えるなど、これまでの日本艦艇とは一線を画していた。(専用の高速水上偵察機まで開発されていた。)


条約の期間が終わろうとしていた頃、艦政本部はブルックリン級に対抗する新たな軽巡として、大淀型をベースに船体を若干延長し、大型格納庫の変わりに15.5cm3連装砲を2基と水雷兵装を載せる案と、新たに10,000t級の船体に15.5㎝3連装砲を5基15門を載せる案の2つを提案した。


前者の案が大淀型と7割の部品共有によるコストダウンと工期短縮ができる見積もりが建てられ、阿賀野型に変わる新型軽巡(改大淀型)として建造が決定された。しかし、既存艦の改装や、新型空母の建造などで工事が遅れ、1番艦の就役は1941年まで待たなければならなかった。





生駒型重巡


排水量:12,890t

全長;203.76m、192.5m(水線長)

全幅;20.4m

吃水;6.11m(基準)、6.32m(満載)

機関;ロ号艦本式重油専焼缶12基(内6基は空気予熱器付き)

艦本式オール・ギヤードタービン4基4軸

最大出力;133,000hp

最大速力;33.5ノット

航続距離;18ノット/6,020海里

燃料重油:2,425t

乗員;900名

兵装;三年式三号 20.3cm(55口径)連装砲5基

八九式 12.7cm(40口径)連装高角砲4基

九〇式 40mm (60口径) 連装高射機関砲6基

九六式 25mm(60口径)三連装機銃8基

九三式 13mm(76口径)連装機銃4基

61cm4連装魚雷発射管4基16門(九三式魚雷24本)

電探;21号電探 1基

装甲舷側:140mm(最大厚)、50mm(水線下)

水平:40~52mm

主砲:25mm(前盾)、25mm(側盾)、25mm(天蓋)、25mm(後盾)

バーベット:46mm(甲板から上部)、40mm(甲板から下部)

弾薬庫:45mm~83mm(舷側)、52mm(天蓋)

航空機;水上偵察機4機(射出機2基)


同型艦;生駒、笠置、阿蘇、穂高





阿賀野型軽巡


基準排水量;6,651t

公試排水量;7,710トンt

満載排水量;8,338.40t

全長;174.50m

水線長;172.00m

垂線間長;162.00m

全幅;15.20m

水線幅;15.20m

深さ;10.17m

吃水; 5.63m

主缶;艦本式艦本式ロ号専燃缶6基

主機関;艦本式タービン4基

推進器;4軸

出力;100,000hp

速力;35.0 ノット

燃料重油;1,420トン

航続距離;6,000 海里 / 18ノット

乗員;726名

兵装;四十一式15cm連装砲 3基6門

九〇式40㎜連装機銃4基8門

九六式25mm3連装機銃6基18門

61cm九二式四型4連装魚雷発射管2基

九三式一型改一魚雷16本

爆雷18個

電探;21号電探1基

装甲;機関部舷側 60mmCNC、甲板 20mmCNC鋼

弾火薬庫舷側55mmCNC、甲板20mmCNC鋼

主砲塔:25mm、バーベット:25mm

舵取機室舷側 30mmCNC、甲板20mmCNC鋼

操舵室舷側 30mmCNC鋼

搭載機;水偵2機、 射出機1基


同型艦;阿賀野、能代、矢矧、酒匂




大淀型


公試排水量; 9,980t

満載排水量 ;11,000t

全長;192.00m

水線長;189.00m

垂線間長;180.00m

全幅;16.60m

深さ;10.60m

吃水;6.50m

主缶;ロ号艦本式缶(空気余熱器付)6基

主機;艦本式タービン4基

推進;4軸

出力;110,000馬力

速力;35.0ノット

燃料;重油 2,452.910t

航続距離;8,700海里 / 18ノット

乗員;782名

兵装;三年式60口径15.5cm3連装砲2基

九八式65口径10cm連装高角砲4基

九八式40mm機銃 連装4基

九六式25mm機銃 連装6基

爆雷6個(竣工時)

装甲;機関室舷側60mmCNC鋼、甲板30mmCNC鋼

弾薬庫舷側75mmCNC鋼、甲板50mmCNC鋼

舵取機室舷側40mmCNC鋼、甲板20mmCNC鋼

舵柄室舷側、甲板20mmCNC鋼

搭載機:一四試高速水偵(紫雲)6機 ※後日搭載

電探 ;21号電探1基

ソナー;零式水中聴音機1基

九三式三型探信儀1組

水中信号機

その他;二式1号射出機10型1基 (後日搭載)


同型艦;大淀、仁淀




湧別型 (改大淀型)


公試排水量 10.450t

満載排水量 11.745t

全長196m

水線長192m

全幅16.60m

深さ10.60m

喫水; 6.5m

主缶;ロ号艦本式缶(空気余熱器付)6基

主機;艦本式タービン4基

推進;4軸

出力;150,000shp

速力;36.2ノット

燃料;重油 2,600t

航続距離;8,700海里 / 18ノット

乗員;892名

兵装;三年式60口径15.5cm3連装砲4基

九八式65口径10cm連装高角砲4基

九八式40mm機銃 連装4基

零式61㎝4連装魚雷発射管4基 魚雷16本

九六式25mm機銃 3連装6基

爆雷20個

装甲;機関室舷側60mmCNC鋼、甲板30mmCNC鋼

弾薬庫舷側75mmCNC鋼、甲板50mmCNC鋼

舵取機室舷側40mmCNC鋼、甲板20mmCNC鋼

舵柄室舷側、甲板20mmCNC鋼

航空機;零式三座水偵3機(呉式二号射出機1基)

電探;21号電探1基

ソナー;零式水中聴音機1基

九三式探信儀1組


同型艦;湧別、雲出、吉野、五ヶ瀬












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ