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世界の暁  作者: ゆきかぜ
第6章
22/31

スペイン内戦

1936年 10月 スペイン マドーリード



モロッコで蜂起したフランコ将軍を筆頭とする反乱軍はドイツ、イタリアの援助もあり順調に戦闘を進めていた。対する共和派は同じ派閥同士で共同戦線を張る事も無く、ソ連という支援国があったものの軍部の大半がフランコ側に付いたため、劣勢であった。


特にドイツは貴重な実戦経験を積めると判断し、陸海空軍から多大な戦力を派遣していた。イギリスはこの内戦が世界大戦に発達するのを恐れて中立の立場を取った。国際連盟は常任理事国の代表を集めて協議を行おうとしたが、ドイツとイタリア、ソ連の代表が欠席したため失敗に終わった。




[参加兵力]

⚫︎ナショナリスト派(反乱軍)


歩兵 600,000

航空機 600

艦船 40



⚫︎共和派

歩兵 450,000

航空機 350

艦船 30





1937年 3月 ドイツ 首都 ベルリン



レーダー元帥はとある事をヒトラーに具申していた。




「ほう。グラーフ・ツェッペリンを派遣するのかね。」



「はっ。搭乗員の練度を測る為にもぜひ。」



「よかろう。但し、程々にな。」




ドイツ海軍はスペイン内戦が起きる3ヶ月程前に初の航空母艦、グラーフ・ツェッペリンを就航させた。搭乗員の基礎訓練は既に終えていたが、唯一の空母という事で運用に関しては特に注意を払っていた。イギリス海軍もグラーフ・ツェッペリンには興味を示しており、情報収集に錯綜していた。





同年 4月25日 ドイツ キール軍港


空母 グラーフ・ツェッペリンは装甲艦 ドイッチュラントと4隻の駆逐艦と共にキール軍港を出港した。途中で救援物資を送り届けてから避難民の輸送に当たる任務に就いていたドイッチュラントと分離し。同じく救援に向かっているイギリス艦艇を避けつつ、スペイン沖を遊弋していた。




同年 5月 ジブラルタル海峡上


マヨルカ島に続いてイビサ島でも共和派の航空攻撃を受けたドイッチュラントの報を聞いて激怒したヒトラーはグラーフ・ツェッペリンの艦載機で共和派海軍の拠点であるアルメリアを空襲する事を命令した。




空母 グラーフ・ツェッペリン



「司令、攻撃隊の発艦準備が完了しました。」



「編成は?」



「直掩のAr 197が6機、爆装のHe 51が12機です。」



「よし。最終調整が終わり次第発艦せよ。」



「はっ‼︎」




艦橋の窓ガラスから飛行甲板を覗いていた艦長は、カタパルトの方に出来ている人集りを見ていた。直後、焦りの表情を浮かべながら水兵が入って来た。




「艦長…カタパルトが故障しました!」



「原因は?」



「気蓄器の不調ですが、港に帰るまではどうにもなりません…。」



「やれやれ…。」




報告を聞いた艦長はため息を吐きながら帽子を脱いだ。




「艦長、艦首を風上に向けてくれ。」



「了解しました。」




幸い、海は凪いでいたので自力発艦には差し支えなかった。無事に発艦して行く艦載機を見た司令官もホッとしていた。攻撃隊は何の妨害も受けずに目的地に到着し、共和派海軍の駆逐艦2隻と掃海艇1隻を撃沈、更にドイチュラントも艦砲射撃で港湾施設を破壊した。ドイツ側の損害は着艦に失敗した艦載機2機のみだった。


この報告を受けたレーダー元帥は航空母艦の有効性と運用の方針を確信した。


















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