5.「魔術」、「魔法」そして「魔道」の「魔法学校」における理想的なあり方
序論はこれにて終了です。
続く第一章では、体系化された「魔法」の、実際の体系について考えてみることにします。
ですがその前に、
「魔力を有するのは個人か、媒体か?」
「魔法は天賦か、人工か?」
といった問題を考えてゆきたいと思います。
以上のことが分かった段階で、和製ファンタジーに登場する「魔法使い」はどのような行動様式に従うのでしょうか。
ある人物Aが「超自然的なパワーを使いこなしたい」と思ったとします。Aはまず「魔法学校」に通うことを選択するでしょう。そこでは「超自然的なパワーを体系的に学ぶ」ことができるからです。そしてその「超自然的なパワー」は分野ごとの区分(第二章で追究します)にしたがって「魔術」とよばれます。つまりAは「魔法学校という機関において、超自然的なパワーを使いこなす技術(魔術)を、体系的に学ぶ」ことになるのです。
しかし、魔法学校でAが学ぶことはこれだけではありません。「超自然的なパワー」は強大ですから、きちんとしたルールを学ばなくてはいけません。そのため、魔法学校の科目には、徳や規範を養うための「超自然的パワーを通じた道徳的授業(魔道)」が実施されるということになります。
【序論のまとめ】
「魔術」とは「超自然的なパワーを扱う技術」
「魔法」とは「魔術を体系化したもの」
「魔道」とは「魔術を通じた人格・遵法精神の形成」