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和製ファンタジーにおける”魔法”の設定について  作者: 囘囘靑
第四講:魔法陣

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4.2.「幾何法陣」の特徴と弱点

 まずは「幾何法陣」について考えてみましょう。多くの和製ファンタジーにとっておなじみの法陣形態です。


 その特徴を簡潔に洗い出してみますと、最初の特徴としては「点・線の組み合わせによる法陣である」といったことがあげられるでしょう(私の知っているかぎり、点を利用した魔法陣を登場させる和製ファンタジーは残念ながら存在しませんが)。多くの場合は正方形や正三角形といった簡単な図形ではなく、幾つかの図形を複合的に組み合わせた法陣であることが多いようです。


 また、これも恣意的な判断になってしまいますが、多くの場合こうした魔法陣は点対称かつ線対称、すくなくとも線対称である図形であることが多いようです(これはおそらく、作図や描写が面倒になることを懸念して起きる、作者側の都合によるものが大きいような気がします)。


 さて、「幾何法陣」にはいったい、どのようなメリット/デメリットがあるでしょうか。


 一番分かりやすいメリットとしては、「生成が容易」ということがあげられるのではないかと思います。和製ファンタジー世界において、どのような言語体系・文字形態を書き手が想定するのかは私がとやかく言うことではありません。しかし複雑な文字を並べて魔法陣を形成するよりも、簡潔明瞭な線を重ねて魔法陣を作るほうがはるかに簡易であるように思われます。くわえて幾何法陣のほうが、量産が簡単であるということもあげられます。頻繁に利用する魔法陣などは判子にしてしまい、魔法使いが使うたびに捺印すればよいのです。


 ではデメリットについて考えてみましょう。考えつく最大のデメリットは、「効果が単純になってしまう」ことがあげられるのではないでしょうか。生成が容易な分、考えられる点と線の組み合わせには一定の限界が生じます。順列や組み合わせの問題をここで導入することは避けますが、いずれにせよ利用できる魔法陣の数は限られ、したがって多彩な効果を幾何法陣に求めることは不可能になります。


 むろんメリットを帳消しにしてでも、複雑な幾何法陣を作成することは可能です。そうなる場合、複雑化に一定の貢献を果してくれるのが「方角」です。魔法陣と方角とを相互に絡めることにより、幾何法陣がになう複雑性はより深化します。あるいは第三講で散々議論した「質」や「媒」を幾何法陣に導入してみるのもよいかもしれません。

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