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和製ファンタジーにおける”魔法”の設定について  作者: 囘囘靑
第三講:呪文(文様)原論、および封印

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3.4.口唱呪文において、質と媒は定義されるべきなのか

 第三講はこれにて終了です。

 第四講では、文様から派生した存在としての

 「魔法陣」

 に焦点を当てて論じてゆきたいと思います。

 これまでは「文様」を中心テーマとして、その「魔術質」と「魔術媒」について考えてみました。


 そもそもの問題として「文様(書いて使う呪文)」と「口唱呪文(唱えて使う呪文)」を分けたのも、この「質媒」の問題が立ちはだかってくるためでした(3.1.1.を参照してください)。


 次に、かなりトリッキーな問題になりますが、「口唱呪文における質媒は、呪文の発動に影響するのか?」という問題を考えてみましょう。


 3.2.2.の項目でも指摘したとおり、和製ファンタジーの世界においては、現実世界ではありえないものも魔術媒として利用することが可能です。その代表的な例として、「空気」という媒を取り上げておきました。また、単純に質といっても、質の扱い方にはさまざまな可能性が秘められているということも確認しました。すなわち“書く”以外にも、“彫る”、“縫う”などの選択肢が魔術質として存在しうる、ということです。


 こうした特殊な魔術質の一つに、“唱える”は属するのか? ――今回考えてみたいのはこのことです。


 すなわち、今までは無意識のうちに「唱える魔術としての“口唱呪文”」を考えてきましたが、口唱呪文を「“声”という魔術質を使い、“空気”という魔術媒を通して魔法を発動する“文様”の一種」と捉えることができるのかどうか――これは問題として成立するでしょうか。


 設定としては、書き手にとっていずれの選択肢も可能です。発話主体の声質が魔法の発現に影響するとしても、あるいは声質などにはこだわらないにしても、設定上大きな破綻を来たす場面というものは少なくなるということが考えられます。したがって、“声”を特別な魔術質として定義する必要もなければ、“空気”を特別な魔術媒として定義する必要もないのです。

【第三講のまとめ】

「書く」というアウトプットの性質上、「何を使って書くか」、「何に書かれるか」といった問題が立ちはだかってくる。

「呪文を誰が認識するか」で、魔法はその属性が決まってくる。

「質」と「媒」は正直なんでもよいが、現実を超えた存在までも「質」と「媒」に利用できる。

「質」と「媒」を数値に置き換えることによって、封印の解除が容易になる。

「封印」と「結界」は構造が同じである。

「封印」に更に「封印」を重ねることで、最初の「封印」を無力化できる。

「声」や「空気」は、改めて特別な質媒と考える必要はない。

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