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和製ファンタジーにおける”魔法”の設定について  作者: 囘囘靑
第一講:魔法概論

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1.2.4.「意識の拡張」

「そもそも、“意識の拡張”ってなんだよ?」


 と考える方がおられると思います。最も完結に定義してしまうと、


「意識の拡張」=「人間が想像できないことは、現実には起こりえない」


 ということです。我々はSF映画やファンタジー映画などで、よく荒唐無稽な設定を目にすると思います。しかし、そうした設定は、果たして本当に「存在しない」でしょうか? より突き詰めて考えてみれば、「起こりえる可能性はものすごく低いけれども、『絶対にそんなことがありえない』とは断定できない」ということなのではないでしょうか?


 二十一世紀に入って社会現象を引き起こした漫画の一つに『デスノート』があります。「ノートに名前を書かれた人間が死ぬ」などというのは非科学的で、荒唐無稽かもしれません。しかし、「そんなノートが実際にある」ということが「絶対にありえない」とは言い切れないのです。

 こうしたことから、より分かりやすく「意識の拡張」を定義してみると、


「意識の拡張」=「人間が想像できるありとあらゆる出来事は、起こる可能性はほぼ0に近いにしても、現実に起きる可能性を秘めている」


 ということになります(この考え方を応用すると、カルチャーショックなども簡単に説明することができます。「こんな特殊な文化・風習は今まで考え出したこともなかったが、実際に存在する以上、自分の想像力が乏しかったんだなァ」と認識する運動こそが「カルチャーショック」の本質なのです)。


 本題に戻りましょう。

 魔法を付与した神様のスペックが、ずば抜けて魔法使いよりも高いと仮定します。すると当然、神様がおこなう「意識の拡張」の範囲も、魔法使いがおこなう「意識の拡張」の範囲より広いことになります。すると、魔法使いたちの世界では「絶対にありえない」ことが、神様の考える範疇では起こりえることになってしまいます。もし神様が、人間では考えられない範囲の魔法というものを人間に託してしまったのなら、どうなるでしょうか? 神様がテレポーテーションを別のアイデアで理論武装していたとするならば、人間は最悪の場合、テレポーテーションそのものが「絶対にありえない」ことになってしまうのです。


 こうした問題を考えてみると、「魔法」を「天賦型」にした場合、「神様」などの超自然的な存在をあまりにもずば抜けてハイスペックにすると、物語の進行に大きな支障をきたすおそれがあるのです。物語が進行するにつれて荒唐無稽な魔術がどんどん登場するようになると、それまで主人公達が利用してきた「普通の魔法」が、まったく利用できなくなる、という事態も理論上は起きてしまうのです。


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