七家明人という男2
「あと、お前の高校進学先だが、一応東京国立魔法高校受けときなさい」
は?あそこって魔法のエリートが揃うとこだよなぁ?
姉さん達が行ってたとこだろ?
「えーと?もう一度言っといくのですが?俺は魔法が使えなくてですね…」
「それは分かっている、一応だ、試験には奇跡というものがつきものなのだ」
なるほど、そういうことね。
「話は終わった。何か質問はあるか?」
「したい質問しかねぇけど、今はもうしないほうがよさそうだな」
「ならばこの話は終わりだ皆、集まってくれてありがとう」
「くっくー明人、お前が国魔高行くなんてどんな奇跡が起きるんでしょうね」
「うっせー、明菜姉だって試験前はあんな落ちるーだとか私には無理ーとか言ってヒステリックになってたくせに」
「う、うるさいわね私はちゃんと首席で国魔高入って首席で卒業したわよ」
「はいはい、明菜姉の方が私の5000倍すごいでーす」
「5000倍って、そんなんじゃ足りないわよ!」
「ソウデスネー」
明菜姉のイジりから抜け出して自分の部屋に戻る。
確かに国魔高を夢見ることは何度もあった。
だが、俺は魔法が使えない。
何億回と試した。何千冊も魔法学の本を読みあさった。だが、その努力は報われなかった。
俺は親に俺の魔力量のことについて秘密にされている。多分それも魔力がないということを秘密にしたいだけなのだろう。
それに比べて、明菜姉さん達は、あんなエリート道を進んでいていいなぁと思うこの頃。
早くて時は一ヶ月すぎ、家を出る日となった。
「では、父さん、行ってきます」
「明人、お前はこの家に生まれたが故にこの家を去ることとなった。それでも私はお前を愛しているし、それは一生変わらない」
「はいはい、分かってるよ」
おい!明音も泣くんじゃねぇ!こっちまでうるっときちゃったじゃねぇか!
いうて同じ東京の家だからそんなに遠くないと思うんだが、なんか遠く感じるなぁ。
というわけで、立川家に着きましたと
ピンポーン
「七家明人でーす」
『はーい、今鍵開けに行くねー』
出てきたのは小学生くらいの女の子
え?話によれば立川家って俺より年上の女の子とその親しかいないんじゃなかったっけ?
「えーと、人違いだったかm」
「もしかして、私が小さいこと馬鹿にした?したよね。これから私の妹になるっていうのに?」
も、もしかしてこの方が、立川茜さん?
「そっそれはすみませんでした!!」
「会って早々分からせなきゃダメなようね!」
「えー?」
「茜がすみません!ほら茜も!一応本家の方なんだから謝りなさい!」
"一応"本家ね
「初対面で見た目をいじってくるのは君が初めてだよ」
「いやいや、家族なんですから別に全然いいですよ」
「優しいわねーほら、茜もこういうひとになるのよ?」
なんで七家の女性ってこんなに元気なんだ?
「まずは自己紹介かしらね、私は立川菜々あなたのお父さんの妹のねそして」
「私は"16歳"の立川茜だよ。茜でいいよ」
へえー今高1か一つ違いか。
「じゃあ茜で。で俺は、まあ立川明人です。明人でいいですね」
「私のことはお母さんでも菜々さんでもなんでもいいわよ。あと私の夫の達夫がいるんだけど今は外出中ね」
なるほど道理で。
「いやー茜が初めてできる弟にムズムズしちゃってねぇ、迷惑かけちゃってごめんなさいね」
「お母さん!」
賑やかななこと!
自分部屋を整理している時。茜が訪ねてきた。
「なんか不真面目な弟かと思っていたけどこんなに魔法学の本いっぱい持ってるなんて、呆れた」
「不真面目ってなんですか不真面目って…まぁ努力ぐらいしますよ」
「やっぱり七家の人だから国魔高行くの?」
「一応受けろって言われました」
もしかして俺の事情を知らないのか?
「なら一緒の高校行けるね!やったー!」
なんか、無邪気だな、この姉は。新しい姉タイプだ。
「でも奇跡起きないと受からないと思いますよ」
「なんでよ」
不思議そうに茜は質問する。
「魔法学とか勉学は別に問題はないんですけど、実技が本当にできなくて」
「へぇー、そうなんだ」
「なのでもし受かったら本当に奇跡です」
「そんなことないよ。もともと受験ってのはいろいろ難しいところあるからね。そんなことより!敬語!敬語やめてよね!これからは家族なんだから」
「まぁ確かに?じゃあそうさせてもらうよ」
「受験まで?あと?2カ月ってところだけど、なんかあったら手伝うよ!」
「それはありがてえな」
こっちの姉はどうもいい奴らしい。
よし、できる限りのことはやってみよう。
そんなこんなで2カ月があっという間に経過した。




