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羊とコッペパンの丘

作者: 昼月キオリ



ある街にこんな都市伝説がありました。

眠れない夜に羊を数えるとコッペパンの丘の夢を見る。

すると、朝までぐっすり快眠できるというものでした。

 

眠りに付き、次に目を開けると目の前に一本の道が続いています。

坂を登っていくと広々とした草原の中に小さな家が建っていました。


街灯はありませんが明るく感じるのは月と星の光りがこの丘を照らしていたからのようです。

 

それは都市伝説で聞いていたコッペパンの丘他ならなかったのです。


コッペパンの丘、というのは遠くから見ると丘の形がちょうどコッペパンに似ているからだそうです。

コッペパンはモコモコした三つの山が特徴の可愛いらしい形をしているみたいですね。


丘の上の小さな家では羊たちがコッペパンを作って売っていました。

家の周りは広々とした草原で羊たちがのんびりと暮らしています。

皆んな心地良さそうに眠っています。

草原の至る所に白いモコモコした雲が宙にプカプカと浮いています。


カランカラン。

お店に入ると四足歩行の羊がカウンターからこちらを覗いています。

羊「いらっしゃいませ〜」

ゆったりとした男性の声が聞こえてきました。

どうやらこの羊が喋っているようです。


壁に貼られたメニュー表を見ます。


コッペパンのメニューは焼きそば、たまご、ハムチーズ、あん生クリーム、揚げきなこ。

どれも300円。


ドリンクのメニューはホットミルク、はちみつ紅茶、カモミール、コーヒーなどカフェイン0のもので

こちらもどれも300円。


あん生クリームとホットミルクを注文しました。

すると、先程のハスキーボイスの羊ではない近くにいた羊が服の裾をくいくいっと引っ張ってきました。

羊「外で食べていーよー」

こちらは可愛いらしい女性の声でした。


羊に案内されるまま外に出ます。

どうやら外の草原に座って食べたり飲んだりする形らしいのです。

手元を月と星の明かりが優しく照らしてくれます。


コッペパンとホットミルクを食べ終えた頃、うとうとと眠気が襲ってきました。

 

次に目を覚ますと自分の部屋のベッドの上でした。

気のせいか一瞬だけ草の匂いとコッペパンの香りがした気がしたのでした。


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