落ちこぼれが大逆転⁈
魔法学園の落ちこぼれが大逆転⁈する話。
初心者の作品のため内容等、拙い部分があるのはご了承ください。
※作中に出てくる人物や場所の名前は本作の中のみのものであり、他に存在したとしても一切関係ありません。ご理解願います。
ここは、ノイタック魔法学園。
学園名の通り魔法や箒の乗り方なんかを習うための学園だ。
私は、その学園で落ちこぼれ扱いされている『カエデ』。
入学してもうすぐ一年経つというのに、いまだに初級魔法すらまともに使えない。このままでは進級できなくなってしまう。
だってこの学園では、進級するのに条件があるのだから。
二年に進級するには、最低でも初級魔法は使いこなせるようになっていないといけない。
周りのみんなはもう中級魔法も少しは使えるようになっていたりする。
一部の生徒は中級魔法も使いこなして上級魔法の練習をしていたりもする。
それなのになんで私はまだ初級魔法すらうまく使えないのだろうかと悩みながら、今日もひとり訓練場で練習していた。
訓練場は特別な仕様が施されており、内部で魔法の暴発が起きたとしても外部に影響は出ないようになっている。
それに、訓練場の内部ではいくら魔法が当たっても他のダメージへと変換されるため、実際の怪我はしない作りになっている。
そのため、魔法の使用は基本的には訓練場内でのみとなっている。
すると、誰かがやってきた。
『リュカ』だ。リュカは、私の唯一の友達。
リュカは上から数えたほうが明らかに速いような実力があるのに、落ちこぼれ扱いされ周りから距離を置かれているような私にも、実力を自慢するでもなく普通に接してくれるのだ。
それどころか、たまに私の個人練習に付き合ってくれたりもする。
「カエデ、調子はどう? …って言っても、相変わらず上手くいってなさそうだね。」
とリュカ。それに対してカエデは、
「そうなの。どうしてもうまく発動してくれなくて…。なんで私だけ初級魔法すらうまく使えないんだろう。私、才能ないのかな…」
とこたえた。するとリュカは、
「そんなことないよ。カエデは周りよりも少し時間がかかるだけ。きっとできるようになるよ。」
と励ましてくれた。
私が諦めずに努力や練習をし続けられるのは、こんなリュカの言葉や存在のおかげだ。
それからしばらくたったある日、カエデがいつも通り訓練場で個人練習をしていると誰かがやってきた。
きっとリュカだろう、と思っていたらその日は違った。
『マリン』と『シイナ』だ。二人は私を落ちこぼれ扱いする人の中でも特に酷い二人だ。
マリンは、才能があり既に中級魔法を使いこなして上級魔法の練習をしている。学年で一番の人物だ。
シイナは、マリンほどではないが才能があり、もうすぐ中級魔法をマスターしそうな状態だ。
そんな二人なのだから、私はとんでもない落ちこぼれに見えて仕方ないのかもしれない。
カエデに気づいたマリンは、さっそく嫌味を言ってきた。
「落ちこぼれが何を練習しているの。未だに初級魔法すらまともに使えないなんて、才能がないんじゃないの」
それに続いて、シイナも
「本当、マリンの言う通り。さっさと諦めればいいのに」
と言ってきた。
その後も嫌味を言っていたが、そんなことは日常茶飯事だったため、カエデは相手をせずに無視していた。
すると、初級の火球魔法が飛んできた。
とっさによけたことで当たらずに済んだが、どうやらマリン達が発動したものだったようだ。
どうにも今日は二人の機嫌が悪いらしく、訓練場だったこともあり魔法攻撃をしてきたのだ。
その後も火球魔法が何度も飛んできてそのたびにカエデはよけるしかなかった。
だが、その様子で余計に二人を怒らせてしまったようだ。
とうとう中級魔法の火炎魔法を使ってきた。
これはよけられないと思ったカエデは、瞬時的に駄目元でウォーターウォールの魔法を使おうとした。
だが、カエデのその魔法は暴発し、あたり一面に滝のような雨を降らせた。
それにより、マリン達の火炎魔法は打ち消すことが出来ていたが、あたりは大変なことになっていた。
訓練場内では自身が発動した魔法で自身にダメージが入ることは無いためカエデは何事もなかったが、目の前にはマリンとシイナが倒れていた。
ダメージが大きく気絶していたのだ。
その後、騒動に気づいた教員が飛んできてマリン達は救護室へと運ばれていった。
そしてカエデは、事のあらましを説明することとなったのだ。
後日分かったことだが、カエデは他の人よりも大幅に魔力量が大きかったのだ。そのせいで加減が分からず、初級魔法がうまく使えなかった。
それに比べ中級魔法や上級魔法、更にはその上の特級魔法なんかをいとも簡単に習得してしまった。
そしてその後、加減が分かったカエデは初級魔法もマスターすることが出来た。
それにより、無事にカエデもみんなと進級することが可能となった。
更にカエデは特別に飛び級で一年から三年へと進級することとなった。
今まで落ちこぼれ扱いされていたカエデだが、本当の実力が分かって以来は憧れの的となったのだった。まさに、落ちこぼれの大逆転である。