表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の日記2  作者: Q輔
3/40

遠慮をせずに、コツコツと組織化を図ろう

 令和七年一月四日(土)


(昨日の続き)僕がここで言う業務の組織化とは――先ずは、自分の仕事を他者と共有する。次に、他者がその仕事を身に付けたら惜しみなく与え、自分はその管理をする。これを続けることで、営業管理や工事管理のみならず、書類の作成・在庫の管理・便所掃除に至るまで、社内に小さな管理体制を無数に点在させることが出来る。熟練の社員たちは、社内に点在する小さなピラミッドのその先端に、出来る限り兼任して立つことを意識する。


 つまり、巨大な組織の頂点を目指せと言っているわけでは無くて、ささいな業務だから、一人で出来る簡単な業務だからと遠慮をせずに、コツコツと組織化を図ろうと言っているのです。


 大手企業に勤めている方からすれば「情報・技術の共有? んなこたあマネジメントの基本のキじゃね?」とせせら笑うかもしれないが、うちの会社は職人気質の人が多く、これが出来ていないのが現状だ。「自分でやった方が早い」と言ってシェアを怠る。他者に指示・指導するプレッシャーから逃げる。現行の仕事を奪われたくないと抱え込んでしまう。


 そして高齢になったら、おのれの不遇を会社のせいにする。でもその時には転職をする気力も体力も無く、会社に冷たくあしらわれてもすがるしかなく、こうべを垂れて十年前・二十年前と同じ重労働をしぶしぶ続ける。(僕は仲間がこのような事態になることだけは何としても避けたいのです)


 他者でもやれる仕事だが、みんな忙しそうだから自分でやる、他者がやりたがらない仕事だからと、妙な気を遣って自分でやる、これらの行為は親切でも美徳でも何でもなく、要するに仕事をサボっているに他ならない。他者との共有を、すべきタイミングで行わないのは、ただの職務怠慢である。


 さて。より強い組織化を図るにおいて物理的に何が必要かと言うと「人」である。言わずもがなであるが、人がいなければ組織は成立しない。と言うことは、会社をもっと人が集まってきやすいホワイトでオープンな体制にすることが急務だ。人が増えたら次に仕事。増えた人員を埋め合わせるだけの仕事が必要だ。こればかりは営業マンたちに頑張ってもらうしかない。


 人を増やしてから仕事を増やすか、あるいは仕事を増やしてから人を増やすか、ここは意見が分かれるところかと思うが、不特定多数の顧客からの発注を積み重ねている我が社においては、先ず「人を増やす」次に「仕事を増やす」のがベストだと思う。


 実際のところ、これまで繁忙期に仕事がパンクするような局面は幾度も経験しているのであるが、その状況になってから慌てて社員を増やすなんてことは土台無理だったし、結局は仕事をさばききれず、せっかくの依頼をお断りしてしまう。そして閑散期にはいつもと同じ人員数で、いつもと同じ業務を続ける。この繰り返しだった。


 業務の組織化。そのためには、先ず人を増やす。次に仕事を増やす。よし、進むべき道が見えて来た。


 んが、しかし。


 ここで大きな問題にぶち当たる。


 先導者が必要なのである。


 ボス?


 うむ。本来なら、ボスにお願いしたい……。


 でも、危ういなあ。


 社長という役割を長く続けているからか、まわりに注意をしてくれる者が絶滅したからか、最近は社員への対応が何となく雑なのだよなあ。昔はもっと親身になって社員の話に耳を傾けてくれたものだが……歳かねえ。


 やっぱあれだ。


 どう考えても、僕がやるしかない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ