パパはもう君とお風呂に入りたくない
令和七年一月二十八日(火)
「赤ちゃんって、最初はみんな女の子なの?」
とある家族団らんの夕食。
突然、小四の次女が僕に問うてきた。
「ママのお腹の中にいる時、最初はみんな女の子だって本当?」
僕)……え、ママ、そうなの?
妻)そうだよ。あんた知らんかったん?
僕)……知らんがや。
妻)最初は見た目が一緒。成長過程で形の違いがはっきりしてくるのよ。
その直後、愛する我が子の口から痛恨の一言。
「なんでパパは、しめじが生えちゃったの?」
……おーーーーーーーい。
……しめじて。
……あ、あんまりだ。
「それはね、おばあちゃんがパパを身ごもっている時期に陽のあたらないジメジメしたところにいたからだよ」なんてとっさに気の利いた返しが思い付くも、それを発する気力はなく……
……しめじってこたあねえよなあ。
……しめじってこたあねえよなあ。
……しめじってこたあねえよなあ。
……しめじってこたあねえよなあ。
ひたすら自分を慰め続けていた。だって朽ち果ててしまいそうだったから……
パパはもう君とお風呂に入りたくない。君はいまだにパパと入りたがるが、もうここいらが限界だ。言動は日増しにませてきているし、体はそこはかとなく女体化しとるし、来年あたり「女子の月に一回の事変」が勃発するかもしれん。パパは、そんな君に自分のしめじを見られたくない。いや、もとい、パパはしめじじゃない。パパはしめじなんかじゃないんだああああ。
僕)おいママ、聞いた? 次女が僕のをしめじ呼ばわりするんだ。ひどくない?
妻)しめじ? ふん。えのきのくせに。
……えのきってこたあねえよなあ。
……えのきってこたあねえよなあ。
……えのきってこたあねえよなあ。
……えのきってこたあねえよなあ。




