接待について
令和七年一月二十六日(日)
出世とともに協力会社や問屋の営業マンから接待のお誘いを受ける機会が増えた。僕がペーペーの頃は店頭で材料を注文しても雑な扱いしかしてくれなかった営業マンが、満面の笑みで「部長、たまにはどうですか?」などと言ってオチョコをクイっとするジェスチャーをしてくるのだ。なかには性接待のオプション付きであることをほのめかす者もいる。
んが、よほどの特例を除き、僕は接待のお誘いはお断りをしている。みずから弱みを握られに行くようでものすごく嫌なのだ。そんな場で飲み食いしてもじぇんじぇん美味くないし。あと僕は風俗に興味がない。だから風俗に行ったことがない。これからも絶対に行かない。ぶっちゃけ「その手に乗るか」って感じ。
頑なに断り続けると、営業マンたちは「ちっ。おもしろくねえ野郎だ」という気持ちが見透かせる笑顔で退散をする。僕が執拗に断り続けるので、以前と比べると近頃はお誘いは随分減ってきた。
僕は、これからもこの業界で堂々と好きなことを言いたい放題ぶっ放していたい。だから身の回りは誰よりも綺麗にしておく必要がある。私利私欲に走ってなるものか。部長の僕がこのように変に潔癖なものだから、社内でも「接待は断る」という風潮が定着しつつある。まことに申し訳ない。いや、みんな僕の知らんところでこっそり受けているのかもしれんけど。勤務時間以外のことは知らんけど。
高級なお店で高級な料理を食べ、デカい顔をして美味い酒をのんで、女性をあてがってもらい情けない射精をして、みんなやすやすと相手の手中に落ちる。ああ、欲がない。欲がなさ過ぎる。目先の欲望に翻弄され、本来満たすべき大きな欲望を手放しているとしか思えない。
会社と会社は、技術で繋がるべきである。




