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感度3000倍を実際に体感してみたくない?

二話連続投稿!気付けば一週間を過ぎていたという事実に驚く。

 

 そんなこんなで特殊な事情を抱えた兄妹二人組と、すけべスライムを討伐するために村を出たカイザーです。


 しかし余りに2人の歩くスピードが遅いので、近くまでは俺が二人を担いで走ることになりました。


「は、早すぎますっ!!ちょっ、ちょっとゆっくり。」

「景色がっ、瞬間移動してる。」


 などと話す二人カイザーに必死にしがみついている。まだまだスピードを上げても大丈夫そうだ。





 その日、ある地域において走るような赤い流れ星の目撃情報が多数出ていた。





「ここら辺か?」

「は、はい………。」

「吐きたい。」


 妹ちゃんが女性にあるまじき言葉を吐くのを軽くスルーしつつ、辺りを見回す。

 更地に近いような風景が暫く続き、あちらこちらに多くの崖やクレーターなどが存在する地帯。上から自分たちを焼くかのように照らし続ける太陽、周りに水源や街もないように思える。こんなところで種族単位で生活できるものだろうか?


 徐々に息が整ってきたジャガーが話しかける。


「それじゃあ、ここからは俺が案内します。付いてきてください。」


 そう言いながら、進み始めたジャガーに付いていった。

 あとさっきからしがみついてくるこの娘、どうにかしてくれない?




 辺りを警戒しながら進むジャガー。彼の頭の中にあったのは、家族を取り込んだスライムのことだった。


 野生のスライムが変異種となる可能性はゼロではない。カイザーやゾルディスに話したことは紛れもない事実だ。しかし彼は一つの可能性を見落としていた。


 他の外部の敵からの攻撃。

 その可能性もあった。




 銀虎族は絶滅危惧種にしてもいいほどには数を減らした。それ故貴重な種族だった。魔王からの勧誘はなかったはずだが、少し前に自分たちの村を尋ねた魔族はいたことを思い出していた。


 親父がすぐに追い返したから、何も知らないが一番怪しかったのは奴だ。しかしただの魔族にそんな力があるのだろうか。


 ジャガーは多くの可能性を想像しながら進んでいた。


 その後ろで妹とカイザーがイチャイチャしているのを気にしないように。(あくまでジャガーの視点です。)




 一方その頃、龍に蹂躙された魔王城では、ボコボコにされた元魔王(笑)ルテンと四天王のグルテン。片方は半死半生。もう片方は正座で地べたに座っていた。


 龍に睨まれながら、


 味方であるはずなのに、こちらまで圧迫されるような空気に鳥肌が立ちっぱなしだった。世界公認の頂点に偽りはないと実感した。

 対し、じっと睨まれる二人。先ほど圧倒的な力で蹂躙されたことに加えて、いや遊ばれながらルテンが蹂躙された事実におののきながら、震えていた。恐怖という一つの感情のみによって支配されていた。




「それで、グルテン。申し開きはありますか?」

「あ、ありません。」


 これほどの戦力を持つ王女に逆らった自分を心底マヌケではないかと思い始めていた。すでに逆らう気力も無かった。




 そして辺りに敵が居ないのを確認した龍は空へと駆けていった。




 それが今までの一部始終である。

 これから先、まずは城の兵力の確認、民の様子、財政などやることは山ほどある。しかし、既にカイザーに全てを捧げると誓ったエリスは凄まじかった。全ての問題をゾルディスの智慧を借りつつ、直ぐに解決していった。

 後に国の英雄の一人として語られるのはまた別の話。






「おぉ。でっかいな。」


 今現在カイザーが遠くを見つめるように、その物体を見ていた。それは一切の水源のない更地をゆっくりと進んでいた。周りの断崖絶壁と同じほどの大きさの質量が確実にゆっくりと動いている。


 スライムだ。まごうことなきスライムだ。

 青色が定番のスライムでは珍しいピンク色。カイザーは見覚えがあるそれに懐かしさを感じた。


 ゲームでおなじみの敵キャラもとい、ネタキャラである。


 ゲームの戦闘画面で確かにモンスターとして出てくるが、攻撃という攻撃はしてこないおなじみの存在。主に精神攻撃、サービスシーンを暴露する攻撃を繰り出してくる特殊なモンスターだ。


 実際にゲームの中でしか見たことがなかったが、おかしい。

 流石にこんなにもデカいはずがない。


 よく目を凝らして見てみると、そのピンク色の液体の中には多くの人影が見られた。全員が小刻みに震えている様を複雑な表情で見る自分。中に囚われた者がどんな目に遭っているかがたやすく予想できた。


 感度3000倍という数値は凄まじい。ある忍者者のエロゲではよく出てきているようなその設定。実際にそんなものは快楽という言葉では言い表せない。


 自分が自分でなくなるようなその感覚は実際恐怖を感じる部分も大きい。

 なるべく廃人になる前に早く助け出す必要があるようだ。






 そんなピンクのスライムを空から見つめる存在が居た。


 それには悪魔のような羽があり、尻尾があった。しかし問題はそこではない。老若男女どの年齢層、性別の者が見てもこう答えるだろう。

 エロい人が居る、と。


 露出の激しい黒の衣装に、褐色の艶やかな肌。無駄に光が反射するようなテカリに興奮をそそられてしまうだろう。それはもうエロエロなお姉さんだった。スライムとスライムに近づく人影を舌なめずりしながら、覗いていたのだった。


「釣れました。」



まだまだ行きます。

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