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第2話

「シンヤ~お腹空いたよ。」

「はいはい。今昼ご飯つくってやるから」

現在、俺シンヤが17歳、アイラが18歳になっている。

ずっと一緒に過ごしていたからか、アイラは10年の年月を経て少し我が儘ちゃんになっていた。

ほんの少しだよ?まじで。


「今日はお魚が食べたーい!」

アイラはそういって抱きついてくる。

「わかったよ。」

俺は近くの川に行って釣りを始める。

そして釣りスキルを使ってある程度魚を釣ってアイノの元へ戻る。

「早いね!?」

「スキルを使えばこれくらいはすぐだよ」

俺は料理スキルと発動させて手際よく釣ってきた魚を捌いていく。

アイラと暮らしはじめて覚えたスキルは100を越えている。

これくらい余裕なのだ。


アイラは10年前、魔物に襲われてしまってスキルが完全に使えなくなってしまった。

自分のスキルの存在自体覚えていないらしい。

俺も当時、アイラのスキルを見ることはなかったから、アイラがなんのスキルを持っていたかも知らない。

一度、スキルを譲渡するスキルでアイラにスキルをつけれないかと思ったが出来なかった。

どうやら他人にスキルを渡すことは俺の能力でもできないようだった。


「うまー!シンヤが作る料理はいつも美味しいな!」

「当然だろっ」

でも、あの時スキルがない俺を大切にしてくれたアイラだからこそ、今度は俺がアイラだけは守り抜こうと10年前誓ったのだった。


「そろそろ春になるね~」

「そうだな、暖かくなってきたもんな。そろそろここも移動するか。」

今、俺たちは荷台を引きながら暮らしやすい場所へと転々としながら暮らしている。

「こうやって移動しながら過ごすのも良いけど、そろそろ一カ所で落ち着いた生活もしたいなぁ」

「どうしてだ?別にこのまま自給自足でもやっていけるのに。」

「いやさ、、、、その、、、、」

普段、アイラが口ごもることは殆どないし、いつもハキハキ話すタイプなのに珍しく煮え切らない。

「ん?」

不審に訝しんでいると、アイラは意を決したように顔を上げた。

「そろそろ子どもも欲しいなって、、」

「え、、」

なんですと!

いや、確かに10年一緒に居たらそういう感情も湧く訳でお互いがお互いのことを好きって事は分かってたよ!?

キスくらいは普通にしてたし!

でもいつ魔物がまた襲ってくるかもわかんないし、まだそのときじゃないなってずっと先送りにしてたのに、、、

「私達もこんな年になったじゃん?だからいいかなって」

「こんな年って」

俺たちまだ17歳、18歳だぞ、、

まあ確かに子どもが居たらもっと楽しくなるだろう。

だけど、10年前のような悲劇を繰り返させるわけにはいかない。

まだ若い両親が子どもの前で死ぬなんてあってはいけないんだ。

「わかった。ただし襲われないように俺たちが安心して過ごせる場所を作ってからな」

「うん。わかった!」

こうして俺はアイラと一緒に安心して過ごせる場所を作ることになった。


「よし、場所はこの辺で良いかな。」

「こんな広いところに作るの!?家だけならもっと狭いところで良くない!?」

俺が家づくりを始めようとしたのはほんとに周りに何もない草原だった。

動物たちは居たが、、

どこまで続いているのかもわからないくらい広いのだ。

「え?何言ってるんだ?家じゃなくて街を作るんだぞ?」

「は!?街!?」

何を驚いているのやら、当然じゃないか。

「せっかく同じ所に留まるならどこよりも大きい街を作って、俺を捨てた奴を見返したいし、街が大きくなれば魔物に対抗する手段も多くなる。わざわざ俺たちが戦わなくても子育てに集中できるだろ?」

「凄い真剣に子どものこと考えてたんだ、、、」

若干アイラは引き気味だった。

俺だって子ども欲しいもん。


それから俺たちはまず自分達の家を作ることにした。

家と言っても簡素な石を組み立てた家だが、

アイラも積極的に手伝ってくれて、家自体はすぐにできあがった。


「これでとりあえずは大丈夫だな。」

雨風は防げるし、家にはその辺にいた羊の毛と木材で作ったベットもある。

家としての機能は果たすだろう。

「おお~こんなにすぐ出来るとは、、」

アイラも驚いてた。見栄えは若干悪かったけど、その辺は後日ゆっくり直そう。


「それでこれからどうするの?」

「次は人を集めてきます」

「人?」

「人がいっぱい居ないと街にならないだろ?」

「確かに!」

全くこの子ちょっと抜けてるからなあ

「それで肝心の人はどうやって連れてくるの?」

あ、、、考えてなかった。

どうやら抜けていたのは俺の方みたいです。


「どうやって連れてこようか、、、。」

普通にしてても人なんて集まってこないしなぁ、、

攫ってくるか?

いや、それは非常によくない。やってることが魔物と変わらない。

「じゃあまずは大きい街に行っていろいろ見てみたら?なにか思いつくかもしれないし!」

それも一理あるな。正直、最後に街を見たのは捨てられる前だから大分昔だ。

もしかしたら何か良いイメージが湧くかもしれない。

「いってみるか!」


善は急げだ。俺はアイラを抱きかかえて、飛行スキルを使い近くの街まで飛んでいった。


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