音が告げる
「一つきり」
物音二つ
こぉーん、こぉーん
足音三つ
ぺた、ぺた、ぺた
複数の気配
どこまでも伸びる影
夕日が沈む
バス停に一人で佇む
全ては過ぎ去った
大切なものが一つ
私の手から零れ落ちた
「秋冬」
ほほをたたく風
さぁ もうすぐだ、もうすぐだ
葉がざわめく音
もう私達は続かない命
季節
めぐりて
冬になるある日のこと
「寒空の下で思う」
白の囁き
近づく季節
枯れた命は
次への布石
耳を澄ませば
聞こえるからと
あの日のあなたが
言っていた
私はただただ
駄々こねた
三つ目は口に出した時の調子に気をつけました。
全体的に音をイメージして作ってみましたが、どうでしょう。
この三つの中では、最後の「寒空の下で思う」が一番気に入っている。内容は実体験というわけではないけれど。前半が暗い感じだったので、後半を同音を使って明るくしてみた。ただただ駄々こねた結果。「秋冬」は、他の二つとは毛色が違う詩。他の二つが人の詩だとすれば、「秋冬」は自然の詩。「一つきり」の前半も自然の詩だけど、後半で人が入っている。どちらかに統一した方が良かったかもしれない。
-追記日 2017/12/17