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冬の寒い日には
「朝は灰色。いつもいつも同じ。一ばん虚無だ。朝の寝床の中で、私はいつも厭世的だ。いやになる。」
―太宰治『女生徒』より抜粋
「夢」
眠気誘う声
「どんな夢をみたい?」
優しい夢を
希望のある夢を
私がここにいてもよいと
確信できるあたたかさを
どうにもここは
暗く冷えているから
「朝の状態124」
腹頭心
三重の痛み、苦しみ
朝の冷たさ
全てに突き刺さる
負傷したところから
じくじくと
気付かぬうちに広がり
全ては手遅れ
足元の白
一面の灰色
蝕む黒
底へ底へと落ちていく
「朝焼け」
朝、目覚めた時の気持ちは
酷く揺れている
何故何故何故、と
どうして目を開けてしまったのか、と
問いかけても意味のない問答を繰り返す
そして、部屋のカーテンを開けて
差し込む朝の光
その途端に
全てが平坦になる
最後の「朝焼け」は少し前に書いたもので、前の二つは書き下ろしです。
「朝の状態124」は、たぶん投稿日が関係していると思う。他に思いつかなかったんだろう。
追記日—20170208