43/47
触れれば壊れそうな
「熱狂の歩み」は賞に送ろうとして、やめたもの。
(気力が湧かなかった)
「熱狂の歩み」
ぼおんやりとした赤が、
少しずつ熱を帯びて、
力強く鮮やかな緋へとかわる。
透明な器の中を、
縦横無尽に飛びまわる。
やがて器は
かんだかい悲鳴とともに壊れる。
多色の海に飛びだした緋は、
道標のない航海にでた。
時折その色を変えながら、
緋の軌跡は綴られる。
その終わりがくるまで。
「脆い」
紙のトリはもろい
濡れてはくずれ、
破かれ、
引き裂けば、
およそ強度という強度が
奪われている。
変質した、もしくはされた、
その先に待っているのは
選択の結果次第。
「熱狂の歩み」は、一発ドカンと大きなことをしてやろうとしている人間を表現したかった気がする。[透明な器]っていうのはココロのことで、[熱]は情熱。詩の後半を読むと、どうやら大きな渦の中に身を投げだしたような感じがする。
「脆い」は、サブタイトルに近い感じがする。[トリ]は鶴をイメージしていた。
-追記日 2017/09/23