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彼と私
「白道」
狂気によって支えられた
彼の者は
二度と
陽のあたる道を
進むことはなかった
進むべき道は既に
閉ざされていた
そうして
ただ延々と続く
白い道を
その線に沿って
のそりと歩み続けていた
「棺」
彼の者は選ばれた。
犠牲によって成り立つ、
常の根底、その御柱に。
あの丘の大木は、
我らが彼の者の意志を
忘れないようにするための
堅固なる楔。
「懺悔」
数字が刻まれる。
灯火が揺れる。
鼓動は止まる。
そうして世界は終わりを告げる。
干渉してきた全てのモノに、
惜しみない、清らかな感謝を。
裏切者には不釣り合いな最期。
あぁ、月がこんなに綺麗な夜に、
思わず重ねた虚構の写身。
私は間違えた。
ごめんね、さようなら。
感情の赴くままに書いた。