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二面性
少し前に書いたものと、書下ろし
「甘えたがり」
あたまをなでてほしかった
よく頑張ったね、と言ってほしかった
泣いていいよ、と胸に抱いてほしかった
この渇きが永遠に満たされないと感じた時、
私は天地の境界線を見た気がした
そこには深くて暗い溝があった
「願望に対する反響」
正しくあれと願うほど、
真逆の掌が襲ってくる
周囲を光柱が閉ざし、
中には濁った泥水
このままではいけない
もがき、這い上がらなければならない
「汝、かくあれかし」
神のささやきがきこえる