先有物
「刹那的」
ずっと先、未来のことを考えるのは苦痛だ。
だって、私は、今、生きている。
この先どうなるのかなんて、想像したくない。
今の私の輪郭がぼやけていくもの。
目に映る様々なものを愛でて生きたい。
今朝、道の端でひっそりと咲いていた、名も知らぬ花に、
お前のような芯を持ちたいと願うことはあるけれど、
五年後、十年後、数十年後にどうありたいか、
なんて、考えたくないの。
だって、私は、今、生きている。
「可能性の鎖」
たくさんの鍵が繋がった鎖。
正解は一つだけ。
それが無限に存在する。
けれど、正解は不安定だ。
たまに合わなくなる。
だから、最後にカチリといわせたものを
”正解”と私達は呼んでいる。
可能性の束。
私はまだ選べていない。
正解していない。
繋がったまま。
”未来”について考えていたけれど、未来そのものではなく、過去や現在のことを話の引き合いに出して、未来を語りたかった、のだと思う。
「刹那的」は、見ていて気になったので句読点を追加しておく。
だって、私は今、生きている。→だって、私は、今、生きている。
たまに、「今を大事にすべき」って言葉と「将来のことも考えなきゃ」って言葉が殴り合いしてる。
「可能性の鎖」は、タイトルそのままで、可能性を可視化させた。「鎖」という言葉は、繋がれているものってイメージがあったので、使ってみた。最後の三文は、文頭を下げるなどして工夫した。
―2017/5/28