日曜日
「わずらう」
毒。
それは、毒だった。
ゆっくりと全身を廻ってゆく毒。
気づくと全てが遅かった。
抗うこともできずに侵される。
けれど、それを良しとしている、
自分がいる。
彼女は笑う。
美しく、艶やかな笑みで。
「幻」
日曜日の光に囚われ、
体は睡眠を欲している。
青を映す瞳は
遠くを見据えたまま。
そして、
全てはまどろみの中に。
「香姿」
香る花の紅白に、
誘われ現る蝶が舞う。
雨粒あたり、濡れた花、
彼女は何処かへ飛び去った。
独り見る夜の君の身は、
手も届かずに消えていく。
休みが終わる。
「わずらう」は男性視点で書きました。最初に名詞をもってくる書き方を試していた気がします。ふりがなを追加しました。
「幻」を書いていた時は、終わってしまう休みを嘆いていました。日曜日関連でTHE NEUTRALさんの『日曜日の太陽』を聴いていました。定期的に聴きたくなるんです。
「香姿」は声に出した時の感じを意識しました。タイトルは後付けで、内容を先に書いてましたね。半ば連想ゲームみたいに。最初は【花】と【紅白】から書き始めたんだと思います。
―追記日 2017/5/8