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愚かさと優しさと迷いと
中島みゆきさんの曲を聴きながら。
「飛ぶ術を失った者」
目を見れば
全て分かる
そうぬかした小僧がいた
あの濁った目には
何が映っていたのか
遠き空を飛ぶ鷹は
ただ、脇目もふらず
進むだけ
「彼の背中に」
箱庭の中で
そっとつぶやく君の背に
一片の花弁がおちる
風のまじない
どうか、
どうか、めげないで
前を向いて歩いていけるように
ただ祈ることしかできなくとも
それだけを願っている。
「本音」
ここにいるのは
何も私が望んだことではない。
一つの結果として
ここにいるだけ。
そこに何者かの意図があったのかもしれない。
けれどそれを確かめるのは億劫だった。
だから、
何か私がいる意味があるはずだ、と
自分を騙して、
ここにいる。
さだまさしさんの「案山子」もおすすめ。
この時聴いていた曲は確か、中島みゆきさんの「ファイト」とさだまさしさんの「案山子」だったと思う。
『飛ぶ術を失った者』には「ファイト」の、『彼の背中に』には「案山子」の残滓が見え隠れしているような気がする。最後の『本音』はどちらでもない感じだ。
―追記日 2017/5/1