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はじまり

彼がいなくなった部屋は静かです。元々彼がいても静かでした。近くの部屋から流れてくるテレビの音声では彼の名前を聞かない日はない。彼は有名人というものになったのだろうか。


「君の名前を四季と命名する」

そう彼は嬉しそうな反面、悲しそうに私に伝えた。

私はその日から四季となった。


完成した私を見て彼は満足そうに微笑んでいた。

「君はスポーツは得意かい?」 

「私は運動はあまりできません。」

「そうか。」

少し残念そうな顔をした。 

彼が私の初めて出会った人間であり、作り上げた人なのだ。

「どこかで配線を間違えたのかな」

彼はぼそぼそ言いながらその場に体育座りをして考えこんでしまった。


私は彼の理想のものではなかったのだ。

彼は何を想い、私を作ったのだろうか、


私は頭が出来てからの記憶しかなく、やっと作ってくれた彼とお話ができるようになったのに、彼を困らせてしまった。


「だけど、好きになることはできるとおもいます。」

のどが絞り出した言葉だった。

彼に嫌われたくなくて、一生懸命考えて絞り出した言葉だった。


その言葉を聞いて、彼は優しく微笑んでくれたのだ。

その微笑みはあまりに優しくあまり悲しげなものだった。

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