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9・押してはいけないスイッチ


「セツガー、紹介するからこっち来てー」


姉さんが声をかけると、彼はガタンと音を立てて音を立てて椅子から立ち上がり、こちらにやってきた。


明らかに動きがぎくしゃくしており、笑顔が引きつっている。


「紹介するわ、甥っ子のヴィリュークよ。遠縁なんだけれども、甥っ子というより弟ね」ばしばし叩いてくる。


「ねぇさん痛いってば、ヴィリュークって言います。姉がお世話になっております」


引きつっていた笑顔が自然になっていくセツガさん。


「こちらこそよろしく、セツガです。甥っ子っていっていたけど呼び方はお姉さんなんだね?」


「そうなんですよ、親同士はくっつけたかったみたいですけど、だんだん姉弟関係が築かれていったら周囲も諦めちゃいまして」


恋愛感情はないんだよ~、とアピールする。


「そもそもあんたの初恋相手がモロバレだった時点で、あたしとの線は無くなったんだからね」ぐ……それをここで言うか。


「お・ば・さん、幼児同士の初恋に嫉妬していたそうですねぇ。木陰から嫉妬の炎を燃やしていたって母さんが言ってましたよ」


俺の初恋を抉ってくるんじゃない。


「ななな、なんのことかしら。大体あんたの初恋が散ったのは、あんたら二人してお漏らししたせいじゃない!」


「それをいうなー!あのときは野良犬に絡まれて!あいつをかばって!二人とも家に戻る途中だったんだ!二人で戻っている最中に野良が来やがって、それでそれで、限界だったんだ!あいつまで辱めるな!」


思いっきり反応してしまう。しかも支離滅裂だ。


「そこまで!!!」セツガさんがさえぎった。


「ヴィリューク君もミリヴィリスさんもそれ以上いけない!子供のころのことを蒸し返しちゃ駄目です。なんでそう二人そろって張り合うんですか!いい加減にしなさい」怒られてしまった。


「「ごめんなさい」」


「本当の姉弟以上の関係ですね、お二人は。気兼ねなく言い合えるのは良いですが、程々にしてください。仲裁できる人がいつもいるとは限りませんよ」


この状況でミリー姉さんに苦言を呈することが出来るあたり、二人の関係がうかがえる。




「で、何を配達してもらったんだい?」


セツガさんが話題を逸らしてきた。いい加減今までの流れにうんざりしてきた俺は、ここぞとばかりに乗っかる。


「いろいろな種と……なにやら紙束…育て方の注意でも書いてあるのかな」


袋の上から感触を探る。


「やっときたわね。楽しみにしてたのよ。最終目標は、魔法を一切使わずに育てることよ」


姉さんの目が爛々と輝いて見えるのは気のせいではないだろう。


「こっちの袋は……分厚いし重いな。……本か!」セツガさんの目がきらきらしている。


「んにゃ、色んな農家さんの覚書。他所の砂漠のある国にもお願いした」目に見えて落胆するセツガさん。


「仕事か……」


「どゆこと?」さっぱりわからん。


「うちらは”王立”で”緑化”がメインのはずじゃない。にもかかわらず、金になる作物つくれだなんだと五月蝿いわけよ。けれども緑化で実績を上げないと覚えが悪いわけ」


「そこでですね、お金になって、緑化につながる、普通の農家でも作れる作物や植物がないか調べているんです。上は食い意地が張って美味いものや珍しいものを要求してきますが、お金になるのは食べ物だけじゃないですから」


「研究所ならそこそこのものは栽培できるだろうけど、ここら辺の砂漠や荒野でも根を張れるものを探しているのさ」


「そりゃまたご苦労なこって。そもそもなんでまたあの広い砂漠を何とかしようだなんて、国は考えたのかね」と、思わず口にしてしまった。


「あっ、だm……」


「ヴィリューク君、君もこの国の歴史を知らないのですか?長命種であるエルフの我々は、なぜ砂漠が広がってしまったか記憶しておかねばなりません」


セツガさんの雰囲気が変わった。


「……はぁ、あんたがスイッチ押したんだからね。付き合いなさい」ミリー姉さんがため息とともに椅子を勧めてきた。




順を追って書いてると、妄想していた所まで中々辿り着けません。しかも筆が進まないという…ごふ

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