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枯れ井戸

更新ボタンを押す前に読み直ししてたのですが、「この回、誰得なんだろう」と自分で思ってしまった(´・ω・`)




老人(ファルロフ)はゴトゴトと幌馬車に揺られていく。


家財は最低限の物を手元に置いて処分し、家も売り払った。すると付与収納鞄の四分の一にも満たない量しか残らなかった。


その金でファルロフは、息子たちがいる村で必要になるであろう物資を、鞄に入りきらない程買い漁る。


入りきらなかった荷物は馬車を手配して積んだ。水・食料は当然、薬や考えられる生活必需品を購入したが、一番の目玉は井戸掘り用の道具一式だ。






露店街でこれを見つけたのが、ファルロフの気持ちを後押しした。


売っていた店主に使い方を聞いたが、買い取っただけの店主が知っているはずもない。


ファルロフも見知っていただけで、使い方なぞ分かってないのだ。


何はさておき購入すると井戸掘り職人を探し始めるが、売った当人はおろか別の職人も見つからない。


諦めきれないファルロフが次に向かったのは鍛冶屋だ。


借りた荷車に道具を乗せると、鍛冶屋に使い方を聞いて回ったが、それを見た鍛冶屋の職人は一言。


「ろくすっぽ鉄も使ってない道具のことなんざ分かるか!」


さもありなん。


それは糸繰り車を大きくしたような形状をしている木製のものだ。四角い胴体の両脇に車輪と取っ手が付いており車軸が付いている。


ひょっとしたら馬車のパーツを流用したのかもしれない。車軸が通る穴に鉄の輪っかが嵌っているのは補強の為だろうか。


それ以外は堅くも頑丈そうな木製である。




諦めきれないファルロフは、鍛冶屋を巡り続けた。


ふうふう言いながら荷車を引いて尋ねた数件目の鍛冶屋で手掛かりは見つかった。


胡乱気な目で見つめていた鍛冶屋の親父だったが、道具を確認し車軸の鉄の輪を黙って撫でると小さく頷いた。


「ロープの先にフックが付いていなかったか?」四角い胴体に巻き付けてあるロープの先端を指し示してくる。


「いや、儂が買った時にはなかったが?」


「ふん、それだけ先に買われたか……この道具、俺も一枚かんでいる。とっとき(・・・・)の鉄で打ったのを覚えているが……目端の利く奴がフックだけ買っていたんだろう」


「で、分かるのか?」


「たりめーよ。こいつぁチャルハって言ってな。上下に物を楽に運ぶんだ。専ら井戸掘りの土砂を上げるのに使われている。しっかし爺さん運が良かったな、これを作った木工屋の親父は去年往生しちまって、店もたたんじまってるから、この辺で知ってるのは俺くらいだ。で、何が知りたい?こいつの量産の見積りとかか?」


ファルロフが井戸を掘りたいと伝えると、親父はパンッと額に手を当て仰ぎ見る。


「かーっ、これだからシロウトは!!一度俺も井戸掘りに立ち会ったが、ありゃあ大変なんてもんじゃないぞ」


「……これを持って息子のとこまで行かにゃならんのだ」


「ちっ、掘り方知ってるのかよ?」


「知らん。だが水の在り処は分かる。これでも水術師だからの」


井戸を掘るにも、適当に掘っても出るわけがない。


水脈を辿らねば無駄掘りになるし、水脈の辿り方は井戸掘り職人の肝とも言える技術だ。仮にそれを教わったとしても、理解し、当りを付けるには当然熟練を要する。


だがファルロフの強気の根拠である”水術師だから水の在り処が分かる”と言うのも、分からなくもない。




「強情な爺さんだな……持ってる道具はその荷車ので全部か?」


返事も聞かず、鍛冶屋の親父は荷物をあけて並べ始める。


「お、おい」


「ちっ、良いシャベルだが少しガタが出始めてるな。……ん?(たがね)と金槌は問題ない。年期物でもしっかりしてやがる。俺もこういう物を作りた……ゴニョゴニョ」


手際よく道具類を一列に並べていくが、時々同じ列に並べずに二段・三段に分けていく。


「こんなとこか」


「なんじゃこれは?」


「使える物・手入れが必要な物・新調した方がいい物に分けた。どうだ、爺さん。任せてくれりゃ道具一式、夕方までには揃えてやるぜ。尤もうちで扱ってないものもあるから、手数料は貰う。だが仕入れ先は俺の知り合いだから、品質は保証するぜ。」


「え?」


「一式揃えてやる、ってんだ!リストアップしてやってもいいが、今から店巡りして目利きして買付交渉するか?それだけの”目”と時間があるなら無理にとは言わんぞ」


こうしてファルロフは若干割高だが、間違いのない井戸掘り道具一式を手に入れることが出来たのであった。






今揺られている馬車は、御者込みでギルドに依頼を出してチャーターしたものだ。買うより安いと言うのもあるが、馬やリディの世話は向こうで出来ないだろうと推測した結果だ。


なので運び終わった空の馬車は、その御者が乗って帰って行く。商人が商売に使う訳でもなので、空荷で帰しても問題ない。


雇った御者からすれば水の心配のない王都から、わざわざ旱魃の村へ移住する気持ちが理解できないようだ


移動中何度も”バカだバカだ”だとか”今からでも引き返せ”と繰り返されたが、あと一日の距離ともなると諦めたのか、黙って手綱を握る様になった。




ファルロフが村に到着した日の夜、ちょっとした宴会が開かれた。


「親父、済まない」


成人してから殆ど交流が無かった息子のドゥハが謝ってくる。そこは感謝の言葉だろう、と思いながら”気にするな”と答える。


息子の結婚式以来だから、久しぶりの再会だ。


今夜は村に流れる陰鬱な空気を少しでも軽減出来ればと、運んできた食糧や嗜好品を提供して宴会を開いたのだ。


そればかりではない。


保存のきく豆や雑穀類、燻製肉や切干の野菜など、およそ考え付く保存食を購入してきた。


それらを村に残っている世帯に──とは言っても、ドゥハ達を含め今や六世帯・二十人弱程しかいないが──分け与えた。


「明日から大変だ」


遠くにドゥハの嫁と一緒にいる初めて出会った孫を眺めながら、(男の子だった。挨拶したら嫁の後ろに隠れてしまって少し寂しい)ファルロフは呟いた。






老人の朝は早い。


もとい、水術師の朝は早い。


昨晩はドゥハの家に泊まったファルロフであったが、日も昇らぬうちに家を出ると目の前にはドゥハ一家が手掛けているであろう畑が広がっていた。


畑には国から援助された乾燥に強い作物が必死に(小さな実)を繋いでいる。


その茎や葉には辛うじて見える程度の微細な毛が生えており、それは早朝に降りて来た湿気を僅かでも捉えようと待ち構えていた。


ファルロフは畑と反対側に進んでいくと、昨晩のうちに用意しておいた十個の空の水がめの所に辿り着く。


いずれもファルロフが持ち込んだもので、中身は昨晩のうちに村人たちに人数割りで分配した。




そうして一つの空の水がめの前に立つと、ゆっくり時間を掛けて呪文を唱えていく。


「■■ ■ 水よ」最後の言葉を紡いで発動。


捧げる様に差し出した両手の間から一筋の水流が生まれると、それは囁かな音を立てながら水がめに溜まって行く。


時間を掛けて呪文を唱えたのも、広範囲から水を集める為、家や畑を避けて集める為であった。


それでも集まったのは三つ分。一世帯の三日分である。


ファルロフは大きく深呼吸すると別の呪文を唱え始め、今度は先程よりは早く最後の言葉を発する。


「水よ」


同じ言葉であったが、水流の勢いが違った。水を集めたのではなく、作ったのだ。


瞬く間に水がめ二つを満たしたが、勢いもそこまで。


ファルロフは大きく息をついてへたり込んでしまった。


「……こいつはしんどいわい」


これでは魔力がいくらあっても足りない。


「やはり掘らねばなるまいか」


ともあれ満たした水がめを家に運ぼうと、抱えて力を入れるがあまりの重さに諦めた。ここでぎっくり腰にはなりたくない。


いつの間にか朝日も昇りはじめている。


ドゥハに手伝ってもらおうと、ファルロフは来た道を戻りはじめる。




半信半疑の息子を連れ、満たされた水がめを見せるとえらく驚かれた。


慌てて家から嫁を呼んでくると、二人掛かりで家に運んでいく。


運び終わると、今度はファルロフを家に引っ張り込んで詰問してくる。


「水術師として出来ることをやったまでだ。お前だってこの力を当てにして儂を呼んだのじゃろう?」


平然と返答する父親(ファルロフ)に、息子(ドゥハ)は床に崩れ落ちて謝罪と礼を繰り返した。


「泣くな。あと手伝ってほしい事もある。手を貸してくれ」


その様子に横では嫁が目を潤ませながら微笑み、孫が手を叩いてはしゃいでいた。





この村は大変恵まれた村だった様だ。


各家には井戸が一本備わっており、それとは別に公共の大井戸が広場に一本設けられていたのだ。


だが現在生きているのは公共の井戸のみ。それぞれの家の井戸は全て枯れているので、まさにこの大井戸がこの村の生命線と言える。


ドゥハを連れ立って大井戸に向かうと、村の女房衆が水汲みの真っ最中だった。


「おはようございます」


ファルロフが挨拶すると、それぞれ挨拶がかえってきて、さらには昨晩の宴会の礼が改めてされていく。


当然宴会の席で何故わざわざ旱魃の村に来たか説明済みなので、期待のこもった視線で見つめられるのも致し方ない。


そこでこの大井戸の事を聞いてみると、今まで枯れた事の無い古井戸と言う事が分かった。


枯れてしまった各家にある井戸はここ十年前後に掘られたもので、家に入って見せて貰って比較してみると、石組みからしても古井戸の方がしっかりしている。


おまけにどの家の井戸の深さも似たり寄ったりな所を見ると、どこの井戸もこの浅い水脈から取水していて、それが枯れてしまったのだろう。




一通り見て回って素人なりに考えた結果、ファルロフは一番古井戸に近い家の枯れ井戸から掘り進めることにした。


そもそも水脈がどの方向に走っているかも定かではない。掘り進めて見て、全ての枯れ井戸が復活するかもしれないし、一部の井戸だけかもしれない。


しかし水術師として水探査も行えるファルロフならば、控えめに見ても希望が持てるのか否か、およその方向くらいは分かる。


ただ、水の匂いの濃さは分かっても、それがどれくらい掘ればいいのかといった具体的な所は曖昧である。


「まずはやってみるか。それからだ」


ファルロフは道具一式を運び込んだ。






鍛冶屋の親父に手を加えて貰った”特大の糸繰り車”(チャルハ)を井戸の横に配置。


これは井戸掘りの者が下に降りたら、上を跨ぐ様に設置し直すのだ。


ファルロフが道具を広げていくと、ドゥハとこの家の一家が興味津々で見つめてくる。


「あー奥さん、子供はしっかり抱えていてくれ。怪我してからじゃ遅い」


キュッと抱き締めるのを目の端に捕えながら、簡易ランプを取り出し明りを灯す。


そして持ち手にロープを結わえると、ソロソロと枯れ井戸に降ろしていく。


「親父、これは何をしているんだ?」


「聞くところによると、井戸の底では鉱山と同様の事故が起きることがあるらしい」


「事故?」


「明かりが点く所では息ができるが、稀に点かない所や消えてしまう所があるらしい。そこにいると息が詰まって死んでしまうそうだ」


「おっかねぇな……」


ランプはゆっくりと下降していく。


男三人は井戸を覗き込むが、女房は子供を抱いて家の中に引っ込んでしまった。


「ん?」


明りが小さくなった気がしたが、簡易ランプは無事に枯れ井戸の底に接地する。


「大丈夫みたいだな」


「ロープの長さからして12~3メートルといったところか。浅い井戸で今は大丈夫だが、油断はしない方がいいな」


ファルロフは落ち着いて新たな道具を手に取る。


「なんだこりゃ?」


それは一見小振りな酒樽のようだったが、蓋は外され、下半分には一定間隔で丸く穴があけられている。


しかも木製ではなく、金属製である。


「わしも初めて見た時にはよく分からんかったが、鉱山の話を聞いた時これが残っていてホッとしたわ」


ドゥハにそれを持たせると、ファルロフは撫でる様に魔力を流した。


すると樽の表面が薄く発光し魔法陣が浮かび上がると、風が樽から噴き上がる。


どうやら下の穴から吸い込んだ空気を、上から噴き出しているようだ。


「は、早く止めてくれ!」


慌てるドゥハを笑いながら、ファルロフは再度樽を撫でて風を止める。


元々は空気の入れ替え用に作られた魔道具なのだが、某湖畔の村では大型化してパイロン設置用に作り直してしまったのはここだけの話。


「これを井戸の底に置いて換気をしていくそうだ」







チャルハに巻き取られているロープの両端のフックには、バケツが掛けられている。


それを井戸の上に設置し、道具を入れた片方のバケツを中に降ろしていくと、反対側は巻き取られていく。


効率も考えられている道具だ。


縄梯子を据え付け、降りようとしたファルロフをドゥハが制止する。


「まず水脈を探らんといけないからな。掘る時はお前も頼りにしてるから」


父親に頼りきりで不甲斐ない気持ちのドゥハへ言葉を掛け、ファルロフはゆっくりと梯子を下りていく。




無事井戸の底に辿り着くと、まずは念のために換気魔道具を作動させておく。明りは照明魔道具もあるのだが、空気の確認の為に簡易ランプをあえて使用。


井戸の底の土は湿気がある程度で、お世辞にも水が出ているとは言えなかった。


まずは水平方向へ水探査だ。


感覚を周囲に広げていくが、案の定水の手応えが無い。予想はしていた事なのだが、この深さの地層に水がないことがはっきりした。


大きく息を吸い、大井戸はどっちかと上に怒鳴ると、返事と共に方向が指差される。


ファルロフはそちらに向かって底に手を突き、まずは真下に向けて探査の糸を伸ばしていく。


額から汗がにじみ出てくるが、上から緩い風が降りてくるので、然程苦しくはない。


しばらく降下させ湿り気が感じられてくると、探査がやりやすくなってくる。


あった。


10数メートル下に水脈が存在することが確認できた。


今度はこの水脈が大井戸に繋がっているかだ。


探査の糸を横に伸ばしていき、大きな水溜まりが確認出来た所を見ると同じ水脈と言う事が分かった。


「ふう」


ファルロフは安堵のため息をこぼすと、状況を知らせに縄梯子を昇って行った。






「上げてくれー」


井戸の中からの合図に、二人掛かりでチャルハのハンドルを回す。


バケツ一杯は大した量ではないが、落下させて下の作業者にぶつかったら大怪我だ。


井戸の縁に来たことを確認すると、チャルハに回転防止のロックをかましてバケツを引き上げ、中身を捨てる。


井戸を覗くと兜をかぶったドゥハの背中が見える。


それも前面を守る兜でなく、額と頭頂部さらには後頭部まで覆われている物だ。


バケツの落下もそうだが、井戸の壁が剥がれて落下した事例もあると聞き、危機対策として鍛冶屋の親父がジャンク品をつぎはぎ(パッチワーク)してサービスしてくれたのだ。




ある時は一抱えもある石が出てきた。


引き抜くことも出来ないので周りを剥きだしになるまで掘り進め、横に広げた網へ転がして包んでから釣り出した。


まだ何とかヒトの手で井戸から出せるが、これより大きい物だと持ち上げられない。そんな石は出ないことを祈るばかりだ。




男三人で掘り進めること二週間。


ロープを延長し、縄梯子をつぎ足し、換気魔道具を追加して、ようやっと待望の水が湧き出た。


初めは泥水なので、泥ごと排出していくが、水がもったいないので畑に撒いて行く。


すると村人たちが桶持参で駆けつけ、泥水を受け取って行くと瀕死の作物たちに分け与えていく。


これが気休めなのか生命線なのかは分からない。


疲労でロープが手繰れなくなると、すぐさま隣の者が交代する。


そうやって水が澄んでくるまで何回もバケツの上げ下ろしを繰り返し、ようやっとファルロフが合図をする。


「もう十分だ。あとは静かに寝かせて待とう」


その言葉に村人たちは明るい顔で帰って行く。


枯れた井戸が復活したのだ。いつに無い明るい水の話題だ。


ドゥハの父親とは言え、村人たちは枯れ井戸再生を信用し切れないでいた。


旱魃を乗り越えられるかもしれない、希望の(みず)だ。






あれから八週間経過した。


ファルロフ達は合計三本の井戸の再生に成功。


多少の深浅はあったが深さは古井戸と同じであったので、同じ水脈なのだろう。これらの井戸も簡単には枯れないだろうが、ファルロフは水を大切に使う様に村人たちに伝えるのであった。


そして四本目のドゥハの家の井戸の再生に、現在も掘り進めている最中だ。


その間も毎朝欠かさず水の採取を行い、井戸水の節約を図っている。どこまで効果があるかは分からないが、”ちりも積もれば”と用心してファルロフは欠かさなかった。




しかし思いのほか石が多い。


上に運び出しているバケツの中身も、土より石の方が多いくらいだ。


それよりもファルロフには得も言われぬ不安が広がっている。


今までと同じように水探査の意識の糸を地底に向かって伸ばしていた時、先へ進まない場所があったのだ。


二進も三進もいかないので、迂回するように探ると再び下へ伸ばすことが出来、すぐ先には水脈があったのでそのまま掘削に踏み切った。






何度か大石を網で引き上げたりもしたが、それ以外は順調に掘り進んでいる。


あと二日も掘れば目当ての水脈に達し、水が滲み出るはずだ。


最近では、男たちが持ち回りで掘削の手伝いに来てくれる。


井戸の底でしゃがんでの作業は地味に大変であるが、作業者の数が増えバケツ数杯以上毎の交代と決めてしまうと、やる気も低下しないで済んでいる。


それどころか大石の引き上げ時など、引き上げロープの本数も増え、声と力を合わせての団結力は目を見張るものがある。




”ザッザッ、ガン”


また大石か、とファルロフはうんざりしながら範囲を広げて掘り進めていく。


しかし石の表面を取り除くばかりで、なかなか全体が見えてこない。


いやな予感を感じながら、シャベルや熊手で前後左右の土やら小石を掘り起こしていくファルロフであったが、予感は現実となった。


それは最長1メートルはある岩だった。


しかもどれくらいの深さに達しているかも分からない。


ファルロフは一緒に降ろしておいた道具袋を弄ると、(たがね)と持ち上げるのも一苦労な金槌を取り出した。


そして鏨を窪みにあてがうと、金槌を自重で振り落とした。


”ゴッ”


”ゴッ”


”ゴッ”


鏨を除けて、掃って結果をみるが……


岩肌には小さな傷だけ。


「ふぅ……どうしたらいいんだ……」


ファルロフが途方に暮れていると、心配したドゥハの声が遥か頭上からこだましてきた。







順当にいけば次回は砂エルフの登場なのですが、ヒロイン(可憐とはいってない)を登場させようか迷ってます。

どっちがいいですかね?

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