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砂漠の流儀・4


月明かりが照らすロシャンの裸体を見て、ヴィリュークは思わず中に入ってぴっちりと幕を閉じてしまう。


外から閉じればよいものを、何故中に入った。気付いた時には遅かった。


そのままの格好で固まってしまう。


「私を……もらってください」


予想していた言葉が発せられた。


「待て。ジャッバールの婚約者だよな?なのになぜ?何で俺なんだ?」


「私はもう彼に嫁げないのです 婚約の解消も親に話してあります。ならばせめて救ってくださったあなたに嫁ぎたい。それが無理なら、せめて私をここから連れ出してください」


「だから待て。話が読めない。説明しろ、いやその前に何か着ろ」


何とか服を着るよう説得し、ロシャンからの説明を受けたヴィリュークは、未だ迷信にとらわれている砂の部族の事情に天を仰ぐ。


とにかく話をつけなければと、ロシャンに関係者を集めるよう指示を出した。






関係者を全て集めるにはテントが小さかったので、入れるテントを探したら長老シャイフのテントしかなかった。


自ずと新郎新婦(仮)とその両親のほか、長老シャイフも同席し何故かおばばもついてきた。


「なにか不満そうだね」


「いえ、ちっとも。それで、ロシャンがジャッバールとの婚約を解消して、俺について来ると言い出したのだが、みな承知してるのか?」


暗かった雰囲気に重さも加わり、少なくとも両家は了承しているのがわかる。


「だから婚約を解消する必要など──」


「だめよ!」


ジャッバールの言葉にかぶせてロシャンが否定する。


事情をまとめるとこうである。




婚礼前にして、ロシャンはその身を穢されてしまった。


無事解呪されたとはいえ、一度呪われた身で嫁ごう物ならば、彼の名誉を穢してしまう。


彼女と他の者と何が違うと言うのだ?


しかし彼女は言う。今回の被害者達は既婚者や子供、慶事を控えている者はいない。


だが彼女は違う。結婚式を一月後に控えているのだ。


長老シャイフの討伐時の発言も、彼女の立場をおもんばかったもので、二人の結婚に対し周囲からの文句をつけさせない為のものだ。


自ら望んで子供を助けたのだが、彼女はそのまま嫁ぐ自分をよしとは出来なかった。


そこからの彼女の行動は迅速だった。


両親を説得し、一方的ではあったが彼と彼の両親に婚約解消を告げる。時間をかけていたら彼の両親から解消の話が出ただろう。それは彼と彼の両親との不和の元だ。


一番の難関は婚約者であるジャッバールであった。


それは話し合いではなかった。ロシャンの中では婚約解消は決定事項で、ジャッバールの説得であったと言えよう。


結果ジャッバールは説得されてしまい、その条件として彼が認めた相手と結婚することが決まった。


「その認めた相手というのが俺という訳か」


「そうだ、兄弟。お前なら彼女を任せられる。幸せにしてやってくれ」


言葉は立派だが表情は未練たっぷり、痩せ我慢をしていることが一目瞭然なのがわかる。


この部族一の戦士の表情は、他の者には見せられないだろう。


「だが断わる」


「なにぃぃ!何が不満だ!」


こうまで話して断られるとは思わなかったのだろう。結婚したくとも出来ないという気持ちが裏返った時、ジャッバールの心は憤怒で満たされた。


しかし馬鹿馬鹿しい話である。


単にサンドマンに寄生されただけなのに、それを我が身が穢されたとして悲観する。”無知(知らない)”と言う事は往々にしてこの様な悲劇を引き起こす。


呪いではないと否定しても説明しても、解消されないし納得もされない。


となると相手の土俵に立って解決するより他はない


「不満と言うか、俺と彼女が結婚すると添い遂げられないからな。だからお前たちが結婚できるように手伝ってやる」


「これだけ良い女と添い遂げられない訳なかろう!だいたい結婚出来るものなら誰が渡すか!!」


こんな状況でも惚気は惚気であり、ロシャンは顔を赤くし、それぞれの両親は複雑な表情、長老シャイフとおばばはニヤケが止まらない。


「渓谷を超えた先に廃都があるのを知っているか」


「知っている。子供は全員物心がつくと、長老シャイフから話を聞かされる」


それとこれがどう関係があるのか分からなくとも、憮然と律儀に答える。


「その昔、悪しき精霊が一夜で都も住人も砂に変えてしまったとか」


「……俺の祖母は、その悪しき精霊を封印した一人なんだ。母はその頃既に結婚していて、封印された数十年後に俺が生まれた」


ジャッバール達は目を見開き、唖然としている。


「いや、まさか……お前はいったいどれだけ生きているんだ」


「少なくとも長老シャイフより年上だよ。そして更に倍は生きるだろう。そんな俺が彼女を娶ろうものならば、それは俺も彼女も不幸になる。時は残酷だよ」


そこへ待ちくたびれたとばかりに老人二人が割って入る。


「そろそろ本題に入っておくれれでないかい?」


「老い先短い我らが手伝えることがあるのだろう?」


「あるとも。手段はあるのだが細かい演出を手伝ってくれ」


年寄り(・・・)三人の笑顔は、いたずらを計画する悪ガキの様だった。






あかつきと言うにはまだ早く、まだ少し暗い明け方。こういうのを払暁と言うのだろう。


夜露を求めて小動物が動き出す時間だ。


そんな時間に部族の全ての者が集まっている。長老シャイフとおばばの名前で呼び出せば、集まらぬものなどいない。


「これよりロシャンの清めの儀式を行う」


ヴィリュークの宣言にも、集まった者たちは一言もしゃべらず何が起こるか見守り続ける


「砂による呪いは砂の恵みによって清められる」


彼の言葉にロシャンは地面に跪き、その後ろにヴィリューク、更に後ろに彼女の両親が控え、長老シャイフとおばばも見届け人として同席している。


そしてヴィリュークは何かを受け止める様に両手を前に差し出す。


初めは何が起こっているか分からなかったが、その場にいた者たちは次第に流れを感じ始める。


風か?と思ったが違うようだ。


だが彼の手元に渦巻くものを見て、なにが流れているかが分かった。


ヴィリュークの掌の上には一センチくらいの水球が浮かんでおり、今なお立ち昇った白い霧がその玉に吸い込まれて成長していっている。


「今ここで、砂の恵み、砂漠の恵みで汝を清める」


後ろに控えていたロシャンの両親が進み出ると、父親が一つづつ髪飾りを外していき、母親がそれを受け取ると敷いた敷物に並べていく。


ロシャンの長く濃く艶やかな褐色(ブルネット)の髪が露わになると、ヴィリュークは五十センチ大まで大きくなった水球を左手で支える。


そして右手を水球に添えてから腕を広げると、水は帯となって手に追従していく。


腕を左右・前後に巡らせていくと、水の帯は二人の周囲に広がって行った。


そこからそーっと髪に目掛けて振り下ろすと、額・こめかみ・もみあげ・耳の後ろ・襟足から水に包まれたと思ったら、毛根から髪の先まで”全部まとめて完全に”水に没した。


そう、ロシャンの髪は宙に浮いた”水”でたなびいていた。それはさながら、馬を走らせ風を切っている時の様である。


どれくらいそうしていただろう。


ヴィリュークは振り下ろした手をそっと後方に振り払うと、彼女の髪を包んでいた水は彼の左手に戻って行き、再び球を形作る。


さらにもう一度手が閃くと、水球は霧となって大地に降り注ぐ。


その間に母親が清潔な布で髪をまとめ上げ、父親が敷物にまとめた髪飾りを小脇に抱える。


「砂漠の恵みは砂漠に還す。穢れは砂漠が浄化する。……おかえり、ロシャン。もう元通りだ」


大きな歓声は上がらない。優しい拍手が湧き起こる。嗚咽をこらえているのは彼女の知り合い達か。


ヴィリュークの宣言に母娘は抱き合って涙を流し、父親は空を向いているが目からは涙がこぼれ落ちていく。


そして最前列にいた見届け人の一人であるジャッバールも、涙が滂沱として止まらなかった。






ジャッバールとロシャンの結婚式が前倒しで執り行われた。


二人がヴィリュークの出席を望んだのだが、流石に彼も一か月逗留することは出来ない。


そこで浄化の儀式の翌日とはいかなかったが、一族総出で準備を整え、三日後の式にこぎつけたのであった。


ヴィリュークは収納袋にあった珍味や酒を全て提供し、討伐後の宴会に続いて砂漠の民は舌鼓を打つことになる。


当日、昼から始まった結婚式及び披露宴は日が落ちて終了し、新郎新婦が退場しても宴会は続いていく。




これから二人きりの時間となる前に、ヴィリュークは新婚夫婦のテントを訪れていた。


「実はな、サンドマンの倒し方というか楽な処理の仕方があるんだ。なんというか……すまん」


寄り添って座る夫婦に向けて、まずヴィリュークが詫びを入れた。


「いや、あの時は誰も何も知らなかった。呪いの原因を取り除いたということを、みんなに知らしめす必要があったのだ。あれが最善だ」


「でも、その処理の仕方は教えてください。同じことはきっとまたあります」


「そうか……奴らは髪の間に潜む。なので水で洗い流せば、除去も出来るし休眠状態になるので被害はまず広がらない。確実にとどめを刺すには、先日やった魔力でおびき寄せて核を割る事だ」


「難儀だな」

「難儀なんだ」

「ふふっ」


「で、だ。本題と言うか、ちょっとした贈り物を、な」


「なにかしら?」


ヴィリュークが取り出したのは数個の透明な玉と、味もそっけもない首から下げられる大きさの巾着袋。


言わずと知れたナスリーンから押し付けられた魔力に反応する玉である。


早速目の前で説明しながら玉を魔力で染め上げると、ヴィリュークの琥珀色の玉を巾着に入れてロシャンに渡す。


「思いつめて行動する前に、これを染めて俺に知らせろ。飛んでくるから。ジャッバールに愛想が尽きた時でもいいぞ」


「ふふ、その時はそうします」


とか言いながら、ロシャンは更にジャッバールに寄り添う。


「さて、次は二人の分だな」


ジャッバールの掌に玉を二つ乗せると、ロシャンに掌で蓋をするように言う。


「ゆっくり魔力を流すんだ」


言われるがままに流して数十秒。


掌を開けてみると、褐色と緑のマーブル模様に染まった玉が二つ。染まった色は、豊穣なる大地とそこにたなびく草木の緑。


「余計な事は言うまい。幸せにな」




翌朝ヴィリュークは関係者数人に見送られ、ひっそりと旅立った。






☆★☆★






「今度は二人倒れた」


ジャッバールは自分のテントに戻るなり、妻に向かって口をひらく。


長老シャイフを継いでから早十年。その間平穏無事な年ばかりではなかったが、その都度乗り越えてきた。


しかし今回の様な危機は初めてだった。家畜の山羊や羊が疫病で死ぬのではない。


ヒトが眠りについたまま起きてこないのだ。


「直し方は分かっている。だが水の絶対量が足りない……」


原因は分かっている。妻が結婚前にかかった”砂の呪い”だ。




季節外れの砂嵐は十数年ぶりだった。


しかも渓谷の向こうからの砂嵐に、嫌な予感を感じていたジャッバールだったが、こういう予感に限って的中してしまう。


砂嵐が静まった翌朝にまず一人。


それから立て続けに二人倒れた時点で、ジャッバールはオアシスに向かう事を決定した。


運が悪い事に今いるのは夏の営地である。冬の営地ならば単騎で三日、一族全員でも五日から六日でオアシスに辿り着ける。


しかし現在地からだと、優に倍の日数は必要なのだ。だが愚痴を言ってる時間はない。すぐさま出発した五日目の今日、意識不明者は二桁に上った。


砂橇(すなぞり)を増やさねばなりませんね。あの方に合図は出しましたが、なにせ私達の新婚時代に渡された物です。希望は必要ですが、当てにしすぎてもいけませんし」


妻は胸元のお守り袋を握り締める。中には彼から貰った巾着と玉が収められている。


お互い年は取ったが、今でも妻は弱気になりそうな自分を奮い立たせてくれる。ジャッバールは貴重な水で軽くのどを潤すと、老いても尚美しい妻に再び外出を告げる。




オアシスまであと二日と言う所まで来て、一族の三分の一が移動不可となった。


意識不明ではないが、起きていられる時間が半日未満と言う者も含めれば半数を超えるだろう。


妻はまだ幼い孫たちの呪いを我が身に移したが、それは一時凌ぎでしかなかった。


移したその日、孫たちは久しぶりの水と食事を味わったが翌朝寝床から起きる事は無く、妻もとうとう起きている時間の方が短くなった。


長老シャイフとして、ジャッバールは決断を迫られていた。


このまま皆の回復を待つか。


無事なものに数名でも重篤者を託してオアシスに向かわせるか。


だが今無事なものが、この先の道中でも無事とは限らない。その場合は全員野垂れ死にだ。


ジャッバールは眠っている妻の頬を一撫でしてテントを出る。


太陽は今日も砂漠をあまねく照らしている。


清浄なる砂漠。砂漠には全てがある。生も死も砂漠は等しく与えてくれる。


今まで生を与えてくれた砂漠だ。いつかこの身にも死も与えてくれるだろう。


だが我が一族に対して、まとめて死を与えなくてもよいではないか。悔しさと不甲斐なさで胸が張り裂けそうになる。




その時、何かがジャッバールを影で覆った。


何だろうと見上げると、じゅうたんが宙に浮いているではないか。しかもその端からヒトの頭が見下ろしているが、逆光でよく見えない。


「兄弟、こんなところにいると干乾びてしまうぞ」


頭上から男の声がしたと思うと、声の主はじゅうたんをそのままに飛び降りてきた。


「探したぞ兄弟。夏の営地には姿が無いから探し回って時間を食ってしまった。……まぁ飲め」


困ったような呆れたような顔をした兄弟(ヴィリューク)が、満タンに入った水袋を差しだしてくる。


枯れ果てたと思っていた涙が溢れそうになるのを感じたジャッバールは、水袋をあおって二・三度水を飲み込むと、わざと顔から水を浴びて涙をごまかす。


「待ちかねたぞ、兄弟。すまん、ありがとう……だが、ロシャンも既に意識が……すまん……」


「礼も詫びもまだ早い。まだ生きているのだろう?それより動ける戦士を集めろ。話は奴らを駆逐してからだ」


その言葉に昔の戦闘を思い出す。あの時、一族の武器は全く通用しなかったのだ。彼の顔を見てヴィリュークは察したのだろう。


「そう不安な顔をするな。ちゃんと助っ人を連れてきているから大丈夫だ」


その言葉に辺りを見渡すがそれらしき姿は見えない。


”なぁーお”


足元を見るとスナネコが座り、顔を洗っている。その時ジャッバールは気付かなかったが、スナネコは二本の尻尾を身体に沿わせて隠していたのだった。








ジャッバールの号令の元、大きな天幕が張られると、その下には意識不明の者や具合のおかしい者も含めて全員横たえられた。


それに相対あいたいするように、ヴィリュークとジャッバールを先頭に一族の戦士が整列。その後ろにいる症状が出ていない者達を守る配置である。


準備は整った。


ヴィリュークとジャッバールは視線を交わし頷き合う。


「まずはお出まし願おうか」


ヴィリュークは捧げる様に両手を広げ魔力を放出させていく。指向性を持たせて放出された魔力の量は数人分どころではなく、今なお続いている。


変化はすぐに起こった。


天幕の下に横たわっている者たちの髪から砂の山が出来ていく。


生物が水を求める様に、サンドマンは魔力を求める。それは貪欲であり、近くに効率の良い大量の魔力があるのであれば今の住処(宿主)から簡単に釣られてくる。


今や天幕で横たわっていた犠牲者から、全てのサンドマンがヴィリュークの魔力を求めて這い出て来たのである。


その異様な光景に後退る者たちを尻目に、彼は事も無げに傍らのスナネコに依頼する。


「サミィ、援護頼む」


果たして誰の援護か、ヴィリュークの声にスナネコが応え彼らの数メートル前に出ると尻尾を立てて威嚇し始める。


”おいあのスナネコ、尻尾が二本あるぞ”


戦士の一人の呟きを耳にし、よく見てみると確かに二本の尻尾を立てている。


何が起こるのかと固唾をのんで見守ると、スナネコは二本の尻尾をゆるく捻じり上げ、それを合図に背中から砂が立ち昇り尻尾に砂が集まっていくと、それは長い長い砂の鞭となった。


その間も砂の呪いの元凶(サンドマン)達はヴィリュークに向かって接近していく。


その群れに一族の戦士たちが怯むのを見て、ジャッバールは士気を鼓舞する。


「家族を苦しめた元凶のお出ましだ!仇を取るぞ!」


そこにヴィリュークの頼もしい言葉が続く。


「先陣は任せて貰おう」


返事も聞かずに二・三歩前に出るが、腰の曲刀(シャムシール)は抜いていない。


「剛力招来」身体強化により、ヴィリュークの身体がうっすらと光を発する。


「超・力」敵に向かって駆けだすと、そのまま相手に向かって高く跳躍。


「招」宙で回転し


「来!」うっすらと光っていた物が琥珀色の鎧を形成した次の瞬間、鎧が弾け消えると同時に彼の身体を一気に加速させる。


空中から加速された蹴りは一際大きいサンドマンを跡形もなく蹴散らすだけでなく、その余波は周囲にいた別の二体も巻き込んだ。


それを合図にサミィはその場で小さな身体に見合わぬ跳躍をすると、砂の鞭で端から端まで薙ぎ払った。


ヴィリュークに気を取られていたサンドマン達は、サミィの一撃で核をむき出しにして棒立ちとなる。


反撃の狼煙には十分である。


「砂の精霊が我らに力を貸してくれたぞ!!敵の弱点は剥き出しだ!今までの借りを返してやれ!」


「「「おおおぉぉぉ!!」」」


ジャッバールを先頭に、砂漠の戦士は武器を掲げて走り出した。






☆★☆★






とある砂漠の遊牧民の一族に語り継がれている話がある。


一族が危機に陥った時”琥珀色の珠”を魔力で染め上げろ、と。


違う色に染め上げれば十日もしないうちに耳の長いヒトが現れ、危機を救ってくれる。


それは直接的な力であったり、窮地を脱する知恵であったり、さらなる上位者の召喚だったりした。


そして現れるヒトもまちまちだった。


来るのは耳の長いヒトなのだが、男性であったり女性であったり、時には耳の先に柔らかな毛を生やしている女性も来た。




一族は救いを求めるだけではなく、求められもした。


求めてくる者の中には”琥珀色の玉”を提示する者もいた。


その者は特に歓迎され、救われて”珠”を貰った者同士、耳の長いヒト談義が始まると、一族が集まり聞き入るのだった。




”耳の長いヒト”の逸話は地方各地に語り継がれている。


中でも、とある砂漠の遊牧民の一族には”耳の長いヒト”の逸話が数多く語り継がれていった。



これにて、今エピソード終了です。いかがだったでしょうか。


うっかり妄想してしまったら今回の様に更新したいと思うのですが、いつになることやら。


お読みいただきありがとうございます。

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