63・”魔”剣
妄想と妄想の間を繋ぐのがもう大変!
視点が二転三転して申し訳ない(o_ _)o))
何かがじゅうたんから落下した。
じゅうたんからこぼれ落ちた最中からサンドマン共が砂の手を空に伸ばすのが見え、落ちた物体に奴らが群がる。
そして加速度的な成長。
それは数匹だけに留まらず、そいつらを押しのける様に新たな個体が成長する。そしてその内側から更に押しのける様に──────
何匹いるのだろう、十匹から数えるのをやめた。ざっと見て三十とも四十とも言える。
先程と違い大きさは二メートル前後で揃っており、共食いは始まっていない。倒した個体が奇形種というか鬼子だったのだろう。
さっきのはその鬼子に対抗した反応だったのかもしれない。
大きくなってもサンドマン。
その性質は変わりはしないし、時間が経てば休眠状態に戻るだろう。
───それがいつか分からないが。
性質が変わらないと言う事は、俺が標的にされる危険も変わらない。
活動状態の奴らは魔力を求めて獲物を探す。
彷徨う様に散り始めたサンドマンの一匹が俺に気付いたようだ。
こちらからは接近しない。他の個体を釣って一対複数になるのは避けたいからだ。
逆に釣る様に後退して、安全な距離を確保する。
まずは一匹仕留めよう。
繰り出される砂の手を切り離していく。
どれくらい効果があるか知れないが、身体を構成している砂の量を少なくしていけば遣り易くなるかと思ったからだ。
だがそれは副次的なもので、本命は核への一撃必殺だ。
砂の手を切り飛ばすと奴の胸元に隙が出来る。
素早く二連突き。
手応えと共にサンドマンが一瞬硬直する。
抉る様にシャムシールで抉ると、胸元から核が顔を覗かせる。
剣を押し込みながら接近し、核を鷲掴みすると力任せに引っこ抜く。
それが決め手となったらしく、砂が一気に崩れ落ちた。
往路の初見の苦労が嘘のようだ。このまま殲滅といこう。
「はぁ、はぁ、はぁ」
やっと二匹目を倒せた。一匹目の倍は時間がかかってしまった。
一匹目は運が良かっただけだった。
二匹目は刺せども刺せども手応えが無い。
一気に決めて最低限での消耗を決意した俺は、魔盾の奥の手を使ってしまった。
・
・
・
二匹目が埒があかないので俺は剣を納刀、空いた拳を盾の裏の魔法陣に押し当てる。
すると魔盾から何枚もの魔力障壁が飛び出し、魔盾の上に積み上がると押し潰した様な三角錐となる。
砂を踏みしめ盾を前面に構え、盾突撃を慣行する。
砂の腕の攻撃が盾にぶつかるが、そんなものは意に介さない。
敵に扁平な三角錐が接触すると、形が一気に変化し突き抜け、魔力障壁の先端が見え隠れする。
どこかに存在した核を砕いたのか、支えを失う様に砂が落下するのは一匹目と同じであった。
姿を露わにしたそれは、先に行くほど小さくなり、展開されたのは尖った三角錐。
いや、海を征く戦艦の衝角の様だった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
魔法陣から拳を下ろすと、魔法障壁の発動が終了する。
もう全てこれでやってしまった方が良いのではないかと思うが、これは絶対魔力が続かない。
何か方法はないか、息を整え考えながら奴らから距離を取る。
★☆★☆
「厳しいわね」
「ジリ貧ね」
アレシアはナスリーンと視線を交わす。
「あの盾の攻撃は効果的だけど身体がもたないわ」
「あの盾の攻撃は効果的だけど魔力がもたないわ」
「「………」」
「なにか考えないとヴィリュークを見殺しにすることになるわ」
エステルが手を動かしながら話す。
ヴィリュークのじゅうたんが飛ばせない事には、全員での脱出は叶わない。
直るのにどれだけ時間がかかるか見当もつかない。たとえ絶望的な時間が必要でも、針を動かさないと直らない。
他に方法が思いつかない今、エステルはひたすら縫い針を動かす。
ナスリーンは、まさかじゅうたんを操縦させられるとは思ってもみなかった。
エルフのじゅうたんに乗れただけでも幸運なのに、ハーフエルフの自分がエルフのじゅうたんを飛ばしているのだ。
だが浮れてなんかいられない。
エステルがじゅうたんの修復にかかりきりの今、ここの安全は自分が担っているのだ。
さすがに飛ばしながら魔法の行使はまだ出来ないし、ぶっつけ本番で試すほど余裕もない。
何か、何か彼の援護は出来ないか……
エルフの眼帯は残酷だとアレシアは思う。
同時に自分の実力の足りなさに歯噛みしてしまう
この眼帯を通して見ると、サンドマン共の核の位置が手に取るようにわかる。だが、他の皆には分からないようだ。
矢を射れば核に当てることは出来る、当てることは。
だがそこまで。
強い武器が欲しい。強い弓では引くのにも限界がある。鏃での強化も同様だ。魔弓──エルフならばと思ったが、ここの二人が使っているのは……良質の弓どまりだ。
核に当てても精々怯ませる程度だが無いよりはまし。
しかしその出番は今のところない。彼はうまい具合に一対一になるよう誘導している。
核さえ落とさなければ……いや、言っても詮無き事だ。
武器が欲しい。自分の無力さに苛まれる。
「いぎっ」
ダイアンが悲鳴を押し殺せず呻いてしまったのを、アレシアは聞き逃さなかった。
「ダイアン!」
「なんともねぇ!援護しねぇと!降ろせ、高度を下げろ!!───ぐうぅぅぅぅうぅ」
アレシアがダイアンの盾を付けている側の肩に触ると、我慢できずに呻いてしまう。
「こんな肩でよく運べたわね」
だがダイアンはアレシアを無視して、無事な片手で盾を外す。
「片手が無事なら斧は振るえる!降ろせ!」
「駄目よ。彼の足手まといになるわ。今のままでは。せめて何でもいいから、あいつらと五分で戦えるものが無いと……」
”ばさっ”
紙の束が音を立てて置かれる。
「これ見て探して。私はこっちで手一杯だから」
「なにこれ?」
「うちの師匠がヴィリュークのじゅうたんに押し付けた武器のリスト」
アレシアが手に取って数枚めくるが──
「エルフ語じゃない!」
「エルフ語よ」
エステルの尤もな反論に、アレシアは黙ってページをめくる。
「キ、キリサキ……イウナカレ。???」
「ジャック……なぜ人名が?」
……どうみても割れた核の魔力に対して、成長しているサンドマンの数が多いと思う。何故なんだろう?
単純に魔力の足し算引き算ではないとしたら?
1の魔力で5とか10の成長だとしたら、ますます核の回収をなんとかしないと……
ヴィリュークのあのペースでは絶対無理だ。
「みんな、一旦手を止めて。あの核を回収するよ」
杖を握りしめ、作戦を練るために声を掛ける─────
話はまとまった。
「ヴィリュークー!核の回収するから!ちょっと我慢してて!」
一言彼に注意を促すと、呪文を繋いでいく。
「■■ 風刃 ■■ ■■ 颶風 ■■ ■ ■■ 旋風!!」
呪文を聞くと、彼が盾をかぶって身を小さくするのが見えた。
渦巻いた風が割れた核と成長したサンドマン諸共包み込み、抵抗空しく空へと吸い上げる。
風に乗るには奴らは大きくなりすぎた。身体を構成している砂は当然散り散り。しかし核にダメージは与えられず、時間稼ぎにしかならない。
じゅうたんは”風防”に包まれているから、この上にいる以上身体が強風に晒される事は無い。
しかし、じゅうたんは領域ごと強風にあおられ、エステルは姿勢制御に追われている。
残り三人、舞い上げた核の片割れを目を凝らして探していく。
「見つけた!」
アレシアが上空を指さすが、眼帯を着けていても見当たらない。
「どこよ!」
エステルは取り敢えずその方向に飛ばす。
「微妙にずれてるって」
アレシアはエステルを後ろから抱き付き、耳元から腕を伸ばして指先で核の位置へ視線を誘導する。
「ん?んんん~?見つけた!」
少ししてこちらでも視認できた頃には、じゅうたんは落下位置で待ち構え、待ってられないとばかりに上昇していく。
”どすっ”「んぎっ」
大きく手を広げて待ち構えていたダイアンが無事胸元でキャッチ。
「ど、どうしたらいいんだ?」
「今までの流れなら、こうするのが一番よ」
アレシアが水袋の口を切り裂くとその中に核を放りこみ、水があふれるのもお構いなしに、それでもそれ以上水がこぼれぬよう革紐でぎっちり縛り上げてしまう。
結果、水に浸された核の入った袋が二つ出来上がった。
「一先ず安心かしら」
「他のサンドマンの核もこんな感じなのか?」
「いや、聞いたことないし。恐らくこいつだけだと思う」
「あそこまで大きくなって初めて、使える能力なのかもね」
下を覗くと、ヴィリュークが立ち上がって砂を掃っているのが見え、じゅうたんは未だ振り落ちる砂と一緒に降下していった。
☆★☆★
「禁止っつったのに……成果はあるんだろうな?というか何がどうなってるんだ?」
「そんなに怒らない。ちゃんと袋に入れてあるよ」
軽く怒気を込めて抗議すると、ナスリーンが説明を始めた。途中他の三人も補足説明を加えるものだから、なんとも姦しくなり気が削がれてしまう。
既に朝日はしっかりと顔を覗かせ、周囲を見渡すとサンドマン共が相変わらずうねっている。
夜明け前から一仕事させられて腹が鳴ってしまい、呑気に料理もしてられないので、干し肉を齧りながら今後の方針を相談する。
結論から言うと、エステルのじゅうたんだけではサンドマン共を躱して脱出は出来ない。
俺のじゅうたんも単独飛行にまで繕えないそうだが、浮遊状態まで何とかしてくれるらしい。あとはエステルのじゅうたんで牽引だ。
問題は時間だ。最低でも半日は必要との事。最低でも、だ。
『しまった、気付くのが遅れた』
サミィの言葉に緊張が走る。
”遅れた”とは言うがサミィを責められない。サミィのお蔭で何度も危機を脱しているからだ。
気付くと周囲はサンドマンだらけだった。少しづつ大きくなっている所を見ると、さっき吹き飛ばした奴らだろう。
エステルが作業中のじゅうたんから、ブーメランを取り出す。これで少しでも時間稼ぎできればいいのだが。
「時間稼ぎだろ?投げるくらいなら出来るぜ」
「へばったら即じゅうたん行きだからな」
俺とダイアンを残してじゅうたんは、上空へ何度目かの退避をしていく。
積上げては崩す。
崩されては積上げる。
俺達とサンドマン共は延々と繰り返す。
ブーメランをダイアンが投げては俺が受けとめる。一回ダイアンに取らせたら、明らかに片方の肩を庇ったのでやらせていない。投げるのだって本当はやらせたくないのだ。
たまに核を砕けたりするのだが、幸いなことにさっきみたいな復活や成長には至っていない。しかしイタチごっこであるのは変わりない。
ダイアンがへばってきた。
慣れない武器ってこともあるだろう。怪我をしているせいもある。そこを無理してきた。さらには陽が昇って気温が上がる。
砂漠に慣れてきたとは言っても、俺からすれば毛が生えた程度だ。水分補給していても暑さで意識が朦朧となっても仕方がない。
間が悪いことに、そこへ戻ってきたブーメランが頭を掠めて倒れてしまう。
上空でも見ていたのだろう。
すぐさま降りてきたので、有無を言わさず彼女をじゅうたんに乗せて退避させる。
ふぅ、また一人か。
諦めるつもりはないが、出口が見えない。
☆★☆★
「いつつつ」
ダイアンが跳ね起き、痛みで声がもれだす。
「大丈夫?頭打ったんだから安静にしてないと駄目よ」
「そんな暇は、あつつ」
「大人しくしてなさい」
大声を出して頭に響いたのだろう。思いのほかダメージが大きいようだ。絶対降ろしてはならない。それよりも武器を探さねば……
「なにのんびりしてるんだ。早くしないとっ」
「みんなやれることをやってるわ。それとも私の代わりに読み解いてくれる?」
「エルフ語の武器リストか。悠長に読んでるから時間かかるんだよ!んなもんこうすりゃいいんだ!」
ダイアンはリストを引っ手繰ると、指をすべらしてパララララとページを繰る。
「な!乱暴にしちゃだめっ!しかも適当だしっ!」
「切羽詰まってるんだよ!よしっ”666番”だっ。エステル出すぞ!」
作業に集中していたエステルは、反射的に収納魔法陣を起動してやる。
「666番!」
収納魔法陣に手を突っ込む。
すると手に寄ってくるものがあるので、なんの疑問も抱かず握り締め引き出すダイアン───それは鞘も柄も真っ黒な剣だった。
思わず落としてしまったのは、札がべたべた貼ってある異様な有り様だったからだろうか?
それとも───
”ガチガチ”
触ってもいないのに鍔鳴りが聞こえる。
異様な光景に、狭いじゅうたんの上で少しでも遠ざかろうとする。
”ガチガチ”
気のせいではなかった。
”ガチチチチチチチチチt……”
鍔鳴りの振動で剣は移動し、ついにはじゅうたんから落ちていってしまった。
☆★☆★
何度かブーメランで牽制していたが、とうとう投げる余裕は無くなった。足元に置いておいたら、奴らのせいで砂に埋まってしまっている。
今はひたすら逃げに徹するのみ。
強引に突破するより他ない時だけ、盾の魔力障壁を使用している。
”ザザッ”
砂の腕で打ち据えてくるのをひたすら避けるのだが、避けきれないのを盾で防いでいる。
斬り落とすのは体力を消耗するので極力控えている。
こいつらも諦めが悪いというか、なんでこう執着してくるのか分からん。
単純に魔力を求めて襲ってくるのだろうか?
いい加減、敵わない相手と認識して欲しい。
また砂の手を振り被ってくるが、あんな大振りに当たるか。
しかし大きく振りかぶった砂の手は振り下ろされず、サンドマンは音を立てて後退する。
”ざくっ”
砂に突き立ったのは、札がそこかしこに貼られた漆黒の剣。
”ガチチチチ”
激しい鍔鳴りで鯉口に貼られた札が今にも破られそうである。
いや────
封印の札が千切れ、鞘から剣が空に向けて飛び出す。
飛び出した剣は宙でくるりくるりと縦に回転する。しかも回転方向に対し、正しく刃が立っている。
くるくるり。
すとん。
落下・回転の勢いのみで落下地点にいたサンドマンが一刀両断、一気に砂がぶちまけられた。
なんで、なんで、なんてものを引っ張り出しやがった。
あのリストにあった呪われた剣じゃないか!?
模倣して作られたと書いてあったが、模倣レベルを遥かに超えているだろ!いや本物がもっと凄いのか?
や、そんな事言ってる状況じゃない。
元に封印しないと、サンドマン共放置の比じゃない被害が出るぞ。
鞘に納めてしまえば収まるか?
俺は突き立った鞘を砂地から引き抜き、貼ってあったお札を一枚剥がす。
サンドマン共は剣を遠巻きににしているが逃げ出してはおらず、相変わらず意図が掴めない。
剣を前にして思わず唾を飲み込んでしまう。
間近で見ると刀身まで真っ黒だった。なにで作られているのだろう。しかも濡れたような艶があり、吸い込まれそうだ。
直に握り締めるのに抵抗があったので剥がした札を柄に巻き付け、その上から握り締めて引き抜く。
引き抜いた瞬間、サンドマン共は波が引く様に後退ったが、一斉に襲い掛かって来た。
囲まれない様に逃げるが、奴らの勢いの方が速かった。
無意識に振るったら、自然に切っ先が突き立てられた。
サンドマンの砂が落ち、切っ先には核が刺さっている。
だがそれもあっという間に色褪せ、崩れて砂となって落ちた。
ふひ、ふひひ、これはいい。
腰元のシャムシールと較ぶるまでもない。
軽く振っただけで刀身が砂の身体に入っていき、的確に核を喰らっていく。
なんだか身体の切れもよい気がする。
奴らが何匹来ようが全て屠ってやろう。
なんだか身体が熱い?魔力が漲っているのか?
しかし鞘を握りしめている手が冷たく感じる。
”捨ててしまえ”と何かが囁くが、同時に”捨ててはならない”と別の何かが呟く。
あぁ、どっちもうるさい。目の前に獲物がいるのだから、そっちを喰らおうじゃないか。
あぁ、うれしくてうれしくて口角が上がっていくのが分かる。
俺、きっと今までにない良い笑顔をしているんだろうなぁ……
☆★☆★
あれから三十分は過ぎただろうか。
私達は介入も出来ず、作業の手も止めてただ見守るしかなかった。
あの不吉な剣を手に取った彼は、ヒトが変わったかの様に剣を振るい続け、気味の悪い笑い声まで上げている。
初めは身体に触れさせることなくサンドマンを倒していたのだが、今となっては見る影もない。
乱戦となった今、満身創痍とはこのことを言うのだろう。
敵を切り裂き、その隙を後ろから殴られ、振り向きざまに殴った敵を突き殺す。
「でかいの、全部倒しちまったし……」
それから暫くして、ヴィリュークはサンドマンの大型個体達を一体残らず倒してしまった。
その時、計った様に砂の大地が鳴動した。
じゅうたん上の私達には響く音しかわからなかったが、砂上では振動も感じられたのだろう。
サンドマンが右往左往しているところを、鳴動の原因が現れた。
サンドクロウラー。
前方約五十メートル先の砂中から垂直に突きあがったそれは、下からその口腔内に獲物を掬い上げ丸呑みしてしまった。
だがそれだけでは終わらない。
砂から突き立ったサンドクロウラーは、そのまま倒れ込むのではなく身体をうねらせ、下にいるサンドマン目がけて大きく開けた咢で再び上から襲い掛かる。
獲物たちは捕食者から一歩でも遠ざかろうと反対側へ逃げる。
しかし何時からそこに潜んでいたのだろうか、逃げ惑うサンドマンの下からもう一匹サンドクロウラーが大口を開けて飛び出した。
そしてさらにもう一匹飛び出す。
大混乱である。四方八方思いつく方向へ、サンドマン共は散り散りに逃走を図るのであった。
そうはさせじと合計三匹のサンドクロウラーは、全て食べ尽くさんとばかりに砂上を這いまわる。
あっという間だった。
サンドマンもサンドクロウラーも砂丘の向こうへ消えていった。
茫然とする四人と一匹。
さっきまで戦闘音や砂擦れの音で煩かったのに、いまここにあるのは耳が痛いほどの静寂と空から照り付ける熱い日差し。
”ザザッ”
全員が音の方へ振り向くと、剣と鞘を握りしめて倒れている男が一人。
「「「「『ヴィリューク!』」」」」
じゅうたんが降下するより先に、サミィは自身の小さな身体を目いっぱい広げて飛び降りた。
初投稿から一周年経ちました(2015.01.13)。
頑張れたのも読者の皆様のおかげです。
今回の主人公の旅も、後数話で終わります。もう少しお付き合いくださいませ。
今回もお読みいただきありがとうございます。




