【なろうラジオ大賞4・大賞】幼馴染ざまぁが嫌なオッサンのSS『夏祭り、彼女の視線の先に俺はいない』
『第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』にて大賞をいただきました!
ありがとうございますありがとうございます<(_ _)>
大人気声優のお二人に朗読していただき感無量でございます!!( ;∀;)
YouTubeにて視聴できますので、宜しければ聞いてみてください!!
【第234回】下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ
https://www.youtube.com/watch?v=gmUvRA8o1EI
“お祭り行くから付き合って”
そう言って俺を誘ってくれたのは彼女の方からだった。
昔から知っている、家が隣りだという事もあって幼い日は何度も一緒に遊んでいたのに、性別の違いから最近では疎遠気味……特に学校で会話する事は滅多になくなった幼馴染。
成長に従いドンドンと綺麗になって行く彼女に、最近は置いて行かれた気分にすらなっていた俺にとって、それは友達以上の気持ちを高ぶらせるには充分なお誘いだった。
しかし祭りの当日……俺は思い知った。
夏祭りに合わせていつもと違う格好で、何時もと違う雰囲気を纏った彼女は……俺の為にそんな姿をしたのではないのだと。
俺の事を友人以上の存在として夏祭りに誘ってくれたのではないのだと……。
彼女の向く視線は決して俺には向かない。
いつもとは違う、イヤな言い方をすれば媚びた視線と笑顔を浮かべて、俺の知らない大人の男に平気で声を掛けに行く。
俺に対しては冷淡に、まるで業務連絡のように口数少なく話すだけだというのに……。
それこそ俺の事は従業員のように扱い、俺の知らない連中には笑顔を振りまく彼女は……祭の喧騒に負けないくらいの大きな声で言った。
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「いらっしゃいませ~! 美味しい焼きそばいかがですか~!!」
ねじり鉢巻きに半被を着た彼女はいつもとは全く違う雰囲気で、威勢よく知らない人たちにも臆することなく笑顔で声を張り上げる。
鉄板の前でひたすらに焼きそばを焼く俺には視線を寄越す事もなく……。
「お、そこのイケメンのお父さん! 美人な奥さんと将来有望な娘で両手に花じゃないですか~。ハイ、焼きそば3人前! ありがとうございま~す! ほらアンタ、焼きそば三人前、大至急!!」
客には媚びて、俺には従業員のように……。
「うちの焼きそばはモノが違いますよ? なにせ彼の腕前は私が小さい時から知ってますからね! え!? か、彼氏!? や、やだそんなワケ…………ちょっとオマケしておきますね。焼きそば大盛りでね!」
しかしお客に揶揄われて真っ赤になった彼女は、勝手にオマケを承諾してしまった。
コレはいけない……ここは鉄板を預かった者として厳粛な態度で…………。
え? お似合い? まるで新婚さんみたい?
………………お客さん、お代は結構です!!
ありがとうございました!!
幼馴染の関係に幻想と憧れを抱く筆者の妄想……失礼いたしました<(_ _)>
少しでも面白いと思って頂けたら、感想評価何卒宜しくお願いします。
書籍化作品『神様の予言書』
物語の雑魚敵が改心したら……という『チートなし』物語です。
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書籍化作品
『疎遠な幼馴染と異世界では結婚している夢を見たが、それから幼馴染の様子がおかしいんだが?』
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