M76 プレゼント
今回、少しラブ表現が強めです。
苦手な方はご注意下さい。
宜しくお願いします。
夜の帳に静かに降る雪の音が聞こえてくるかのよう。
銀色の月の輝きが外に積もる雪に反射して、窓からいつもよりも明るい光となって寝室を照らしている。
そんな中、あたしとマリは同じベッドの中で互いに向き合って視線を合わせた。
トクン・・・トクン・・・。
心臓の音が聞こえてくる。
マリは言った。
『今年のプレゼントは形に残らないけど受け取って。』
「ヒナ・・・。」
白磁の頬を紅色に染めたマリがあたしの名前を呼んだ。
「うん。」
あたしは頷く。
彼女の腕が伸びてきて繊やかな指があたしの頬を撫でる。そしてその指はあたしの頬の上を滑り唇をゆっくりと擦っていく。
その心地良さにあたしは思わず眼を瞑る。
彼女の指は唇を擦ると更にあたしの髪を撫で梳いていく。
「綺麗な髪・・・私の大好きな赤色の髪。」
マリの声があたしの耳に滑り込んで来る。
彼女の指はあたしの首をスルリと滑りそのまま少しだけ膨らみに触れる。
「・・・ん・・・。」
少しだけ身体がピクリと動き声が漏れる。
マリの腕があたしの腰に巻き付いた。と思ったらあたしはグイッと引き寄せられた。急な動きにあたしは驚いて眼を開ける。
目の前にマリの顔が在った。瞳に凄い情熱を秘めた双眸があたしを見つめている。真っ赤な唇が動いてマリは妖艶と言っても良いくらいの笑みを口の端に浮かべた。
「ヒナ・・・かわいい。」
少しだけ掠れた声にあたしはゾクリと身を震わせる。
・・・凄く・・・何て言うか・・・。
「マリ・・・めちゃくちゃエッチな顔してる・・・。」
あたしがソレだけ言うとマリはクスリと笑った。
「・・・今からヒナにエッチな事するんだから当たり前だよ。」
「う・・・うん・・・。」
あたしはもう頷くことしか出来ない。
マリは無言であたしに顔を寄せると首筋にキスを1つ落とした。その唇の間から出て来た舌が首筋を這っていく。
「は・・・あ・・・。」
今度ははっきりと声が漏れてしまう。
マリは首筋から顔を離すとあたしを見つめて、あたしの唇に燃えるような熱い唇を静かに重ねてくる。
ソレに応えるようにあたしが彼女の首に腕を回すとマリはあたしの上にのしかかり激しく口づけてきた。
彼女の舌があたしの口の中に入って来てあたしの舌を絡め取っていく。
ああ、もうダメだ。意識も理性も心も全部吸い取られていい。ただ、ずっとこうして居たい。
どれ程の間キスを重ねていたのか判らないけど、やがて彼女は唇をあたしから離した。
そしてマリはあたしを膝で跨ぐ格好で身体を起こす。ソレに合わせてあたし達の上に掛かっていた布団が剥がされた。
忽ちあたし達を冬の凍てついた冷気が包み込む。でも燃え上がったあたし達には関係無かった。そんな事よりも・・・。
冬の銀月と雪明かりに照らし出されたマリの裸体に見惚れる。
今のあたしとマリは下着1枚しか身に纏っていない姿。だからマリの銀色に輝く髪も真っ白な雪肌も膨らみもはっきりとあたしの目に映っていた。
「・・・ホントに綺麗・・・。」
あたしは思わず呟く。
マリは微笑んだ。
「嬉しい・・・。でもヒナの方がもっと綺麗だよ。」
彼女はそう言って両手であたしの身体を撫でていく。両肩を。膨らみを。お腹を。そしてもう一度マリは布団を被りながらあたしに身を倒してきて、あたしの上半身にキスを落としながら舌を這わせていく。
「ふ・・・う・・・。」
ダメだ。なんとか声を我慢しようとしてもどうしても声が出てしまう。そのくらい彼女の愛撫は気持ち良かった。
マリの動きが止まった。
「ヒナ。」
「?」
マリの呼び掛けにあたしはマリを見た。
とても意味深な光を双眸に揺蕩わせた彼女がゆっくりと舌を出して顔を落としていく。その先には。
「あ・・・。」
あたしが声を上げた時には遅かった。
マリはあたしの膨らみに舌を這わせる。そしてキスを落とし激しく攻め立てた。
「はっ・・・・あっ・・・・。」
大きな声があたしの口から飛び出す。
あたしはマリの愛撫に耐えられず身を捩りながら喘ぎ続ける。マリはあたしを確りと抱き締めて逃がしてくれない。あたしも無意識に愛撫を続けるマリの頭を抱いていた。
マリがあたしの膨らみから唇を離してまだ現実に戻らないあたしに軽くチュッとキスをする。
「はあ・・・はあ・・・。」
あたしの横にマリは添い寝して息を荒げるあたしを見つめる。
「良かった?」
尋ねるマリにあたしは薄らと目を開けて微笑んだ。
「うん。」
そしてあたしはマリの奥に在る情熱がまだ全然衰えていない事に気が付いた。
「マリ?」
「・・・。」
「じゃあ、プレゼントをあげるね。」
「え?」
今のがそうじゃ無いの?
あたしが首を傾げるとマリは微笑んだ。
「ヒナ。ヒナも私の15の誕生日にくれたじゃない。忘れちゃった?」
「・・・!」
マリの言わんとしている事を理解してあたしは顔を赤らめた。
「・・・忘れるわけ・・・ない。」
あの日、あたしはマリの全てに触れた。
マリが静かに笑った。
「じゃあ私が今からヒナにしようとしてる事・・・解るよね?」
「・・・うん。」
あたしは顔が火照るのを感じながら頷く。
「・・・私・・・ずっと待ってた。」
マリの言葉にあたしは首を傾げる。
「・・・?・・・何を?」
「ヒナが15歳になるのを。」
「え・・・?」
「・・・ヒナが子供じゃなくなる日を。」
あたしの胸がドクンと音を立てた。
マリが躙り寄る。
「私ね、15歳になったから大人予備軍だって言われても全然ピンと来なかった。でも・・・ヒナに囁かれながら全部をヒナに差し出した後、何か世界が変わった気がした。大人になれそうな気がした。」
「マリ・・・。」
「だから・・・ヒナにもその気持ちをあげたい。」
マリの妖艶な双眸に捕らわれてあたしは少しだけ身を竦めた。
考えて見れば、確かに前世ではあたしが年長だったかも知れないけど・・・色んな経験をしたのかも知れないけど・・・自分の身の全てを誰かに差し出した事は無い。
だから例え相手がマリでも、ソレをするのは少し怖い。
マリが怖いって言うんじゃ無くて、差し出した時に「マリに変な風に思われたら」と思うと・・・ソレが怖いんだ。
でもマリは半年も前に差し出した。誰でも無いあたしに。
その点に於いてマリはあたしよりも先を進んでいる。
自分の身の全てを誰かに差し出した時にどんな感情が沸き起こるのかをあたしは未だ知らない。でもマリは知っている。
知りたいけど怖い。
激しい葛藤があたしの中に生まれて思わずマリから視線を避ける。
「・・・。」
マリがそっとあたしを抱き寄せた。
「怖がらないで。」
彼女の優しい声があたしの耳を擽る。
あたしはピクリと身を震わせるとマリを見た。
「でもね、ヒナが本当に嫌だって言うならもちろんやらないよ。」
マリの言葉にあたしはブンブンと首を振る。
「嫌じゃ無い。ただ・・・マリに変に思われたりしたら怖いなって・・・そう思うから・・・。」
なんと言うか、今の気持ちをそのまま言葉にすると、彼女のエメラルドグリーンの双眸が優しく光りマリは微笑んだ。
「変に思うわけ無いよ。私の大好きなヒナがどうなったって変になんか思わない。どうなってもヒナは可愛いんだから。」
普段だったら面と向かって『可愛い』なんて言われたら照れ臭くて即座に否定するところだけど、今は『可愛い』と言う言葉が素直に嬉しくてあたしの胸に染み込んだ。
「うん。」
あたしは頷いた。
「マリ・・・プレゼント・・・頂戴。」
そう続けるとマリの顔が急激に赤くなっていく。
「うん。受け取って。」
彼女はそう言うとあたしに顔を寄せて口づけた。激しい情熱がマリの口からあたしの口に注ぎ込まれていく。
「ふ・・・う・・・。」
彼女の余りの激しさに声が漏れる。
マリの舌があたしの口の中に侵入して在りと在らゆる所に絡めていく。
あたしが身動ぐとマリは唇を離してあたしを眺めるそしてその視線があたしの膨らみに注がれると彼女は胸に手を伸ばした。
優しく這い回る彼女の繊やかな手の動きにあたしは翻弄される。
「!・・・!・・・っ!」
あたしの身体がピクリピクリと震える。
「ヒナ・・・可愛いよ。」
そして彼女の手はあたしのお腹を撫でながら次第に下に下がっていきあたしの下着に触れた。
「・・・。」
あたしは肩で息をしながら彼女を見詰める。
マリもあたしを愛しげに見詰めていた。
あたしの鼓動が一段と高鳴り始める。
「マリ・・・。」
自分でも驚く程に掠れた声が出る。
その声にマリが潤んだ双眸であたしに囁いた。
「ヒナ・・・脚を開いて・・・。」
「・・・。」
やっぱり恥ずかしい。
でもマリがあたしに今以上の悦楽をくれるのなら欲しい。
そんな一瞬の逡巡のあと、あたしは恥ずかしさから視線を逸らして脚を広げた。
柔らかな気配を感じた刹那、マリの指が下着越しにあたしに触れた。
「!!」
まるで稲妻を撃ち込まれたかの様な感覚があたしを襲い、あたしは思わず仰け反った。
マリの指がゆっくりと上下に動いていく。
「!・・・ふっ・・・うっ・・・。」
気を抜けば叫んでしまいそうな程の快楽と衝撃に、あたしはビクンと身体を捩らせながらマリの指に翻弄され酔い痴れた。そしてその事実にあたしは確かな悦びを感じていた。
マリはそんなあたしに何度も口づけてくる。
最初は妹の様に思っていた彼女。でも次第にその心の強さと健気さに惹かれて1年が過ぎ、もうすぐ2年が経とうとしている今、マリはこれ程までにあたしを翻弄する人になった。
精神的にも、肉体的にも。
身体が熱い。下半身が燃えるようだ。あたしの中の何かが激しく蠢く。
「マ・・・リ・・・。」
今一番あたしの中を満たしている人の名を呼びながらあたしは彼女に力一杯抱きついた。
「ヒナ・・・可愛いよ。とても綺麗・・・。」
マリの甘い囁き声が更にあたしを昂ぶらせる。気持ち良い・・・嬉しい・・・。あたしは信じられないくらいの幸せを感じてマリを抱き締める。
「大・・・好き・・・。」
「私もだよ、ヒナ。誰よりも愛してるわ。」
そしてあたしの中で何かが爆発した。
「あ・・・あ・・・」
真っ白な嵐が何度もあたしを襲い身体が何度もビクンと跳ねた。
そして何度目かの嵐が過ぎ去った後、あたしは何者かに全ての力を奪われる様に全身を弛緩させた。
「ハァ・・・ハァ・・・。」
肩で息をするあたしの荒い吐息の音だけが部屋を満たしている。
「・・・。」
だんだんと理性が戻って来るに連れて隣のマリが気になってくる。
どんな顔をしてるんだろう・・・?
あたしは恐る恐ると隣のマリに眼を向けた。
マリはあたしを見ていた。とても愛しげな微笑みを浮かべて。
「・・・。」
どんどん恥ずかしくなってくる。あたしはマリの前でどれ程乱れてしまったんだろう。正直、マリにされている時はソレだけで一杯になってしまってマリの表情まで解らなかった。
あたしは顔を枕に埋めて隠すとマリの微笑みの意味を知りたくて訊いた。
「なあに・・・?」
耳が熱い。
マリのクスリと笑う声が聞こえる。
「ヒナ、とっても可愛かったよ・・・食べたくなっちゃうくらい。」
耳元に彼女の鈴の音の様な声が囁かれてあたしの顔はますます熱を帯びてくる。
「もう・・・! ・・・恥ずかしいよ・・・。」
それだけ言うのが精一杯。
そんなあたしにマリは腕を回して来て更に囁く。
「ねえ、ヒナ。コッチ向いてよ。」
「・・・。」
あたしは怖ず怖ずとマリを見た。
マリはニコリと笑ってあたしの頬に「チュッ」とキスをしてくる。
「ヒナちゃん・・・顔真っ赤。」
「・・・うん。」
頷いたあたしは布団から少しだけはみ出てるマリの指が濡れている事に気が付いた。
「!?・・・!!・・・!!」
収まってきていた顔の火照りが一気にぶり返して噴火寸前までいく。
あたしは急いでベッドの横に備えられたタオルを手に取るとマリの手を掴んでゴシゴシと拭き取る。
「あ・・・。」
マリが少し残念そうな声をあげる。
「・・・別に良いのに・・・。」
「馬鹿!良くない!」
あたしは馬鹿な事を言うマリを真っ赤な顔で窘めるとマリの手を拭き続けた。
色々と気になる事を処理するとあたしは再びマリの横に寝転んだ。
そして思いを口にする。
「マリ・・・ありがとう・・・。」
「!・・・うん・・・。」
マリは少し驚いた顔をしたけど直ぐに微笑んで頷く。
そして囁いてくれた。
「ヒナちゃん。15歳のお誕生日、おめでとう。」




