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憂愁のヤマダハナコ  作者: ジョニー
チャプター2 1年生編 / 二学期
25/105

M22 もう少しだけ

【注意】今回、絡み要素多めです。って言うか殆どがカラミです。

表現には気を付けたつもりですが、長めのラブ表現が苦手な方はブラウザバック推奨です。


宜しくお願いします。



 閉会式も終わり、後夜祭や打ち上げといった風習も無いこの世界では、みんなが速やかに寮へと帰って行った。


 あたし達も自分達の部屋に帰る。あたしは早めの夕食の準備を、マリは持ち帰った衣装を洗って干し始める。


「別に、衣装はそんなに急いで洗う必要も無いよ。」


 とあたしは言ったけど、マリは「いいから、いいから。」とサッと洗ってしまう。


 今日くらいは寮の食堂で、とも思ったけど決まった行動ルーチンってのはそう簡単に変わらない。




――そして夜。




 流石に疲れたあたし達は早めに寝ようという話になった。そこでマリからの提案が。


「今日だけ、衣装を着て寝ようよ。」


「え?・・・でも」


 とソコまで言って気がついた。


 マリが衣装を洗って干してたのはこの提案をしたかったからか。




「もう、しょうがないな。いいよ。」


 あたしは苦笑いすると頷いた。


「うふふ。じゃあ、今日は私の部屋で寝ましょう?」


 マリの嬉しそうな顔にあたしもホッコリする。




 マリのベッドは相変わらずフッカフカだ。特に今日みたいに疲れてる日は本当に布団の肌触りに癒やされる。あー幸せ。


 普段のパジャマじゃ無い分、少し落ち着かないけど慣れると気にならない。逆にユルユルのカットソーは開放感が在って心地良いくらい。下のタイツは薄すぎて下着しか履いてない様な気分になるけど。


 マリも流石に上から纏っていたスケスケのシルクのローブは着ていないけど、白いカットソーとミニスカートであたしの隣に潜り込んでいる。




「疲れたね。」


「うん、でも凄く楽しかった。」


 あたしの呟きにマリは楽しそうな声を出す。


「ふふふ。でも、マリはよっぽどその衣装が気に入ったんだね。コレ着て寝ようって言われるとは思わなかったよ。」


「うん、大事な思い出が詰まった衣装だもん。出来るだけたくさん着ていたいなって思うの。」


 あー・・・恥に噛んで微笑む姿が可愛いなあ。


「それに・・・」


 ソレに?


「この衣装を着ている間は『夫婦』だし。」


 マリは気恥ずかしそうに囁いた。




 思わず胸が高鳴る。しかも薄紅色に頬を染めるその顔の下は普段のパジャマと違う露出度高めのカットソーだ。白い首筋も肩も鎖骨のラインも丸見え。・・・ヤバい、ムラムラして来た。




 あたしは火照ってきた顔を背ける様に視線を天井に向ける。


「明日はお休みだってさ。マリは何したい?」


「・・・」


 ん?反応が無いな。そう思ってマリに視線を再びマリに戻そうとした時、ゴソリとマリが動いて上半身を起こし、両手であたしの両手首を掴んで見下ろした。


 え?


「・・・ヒナ。・・・明日の事より・・・『今』私が何をしたいかは訊いてくれないの?」


 え?


「マリ?」


「私はね・・・」


 そう言って顔を近づけてくる。




 ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆




 あたしは最近ようやく確信できた事がある。




 マリはあたしが好き。ソレは友達としてのソレでは無く恋心を抱く『好き』。何を今更、何て事はない。


 今までも勿論マリがあたしの事を好きなのは判ってた。でも、ソレは今まで欲しくて欲しくて堪らなかった友達という存在に対して抱く喜びの余りの過剰なスキンシップの類い、或るいは友情と恋心の勘違いだと思っていた。




 でも、この学園祭を通しての彼女の言動はあたしに「そうじゃない」と思わせるのに充分だった。具体的に「どこがどう」ってのは無いけど彼女の仕草や表情の1つ1つがあたしを確信に導いてくれた。




 いや本当はもっと前。あの夏の夜に初めてキスを交わしたあの日からホントはそうなんじゃ無いかって思ってはいた。でも、確信も持てないのに暴走は厳禁。そう思ってずっと自制して来た。




 それと、あたしはもう1つ気がついた事がある。マリは『そう言う事をしたい』時、あたしを呼び捨てにする。




 ・・・もう少しだけ、自分の想いにも素直になって良いかな?あたしはそう思った。




 ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆




 だから今、あたしを呼び捨てにしたマリの急激な気持ちの昂ぶりに驚きはしたけれど直ぐに受け入れる事が出来た。




 コレで5回目。・・・なんだけど。何回してもこの心地良さには胸が高鳴る。柔らかな唇がとても熱く感じる。湿った唇があたしの感情を上気させる。唇が一度離れて、彼女の舌があたしの唇をチロチロと舐める。


「・・・うぁ・・・」


 気持ち良さに声が漏れ、マリを抱き締めようとするけど彼女に両手の自由を奪われて動けない。




「ヒナ・・・」


 マリは潤んだ瞳であたしの名を囁く。そして言った。


「・・・もう少しだけエッチな事してもいい?」


 ・・・。え・・・ええ!?何!?何をする気なの!?流石にソレは想定外だよ!




 心の中は大パニックの筈なんだけど、今日の疲れとマリに導かれた淫靡な気持ちに押されて自分でも驚くくらいの艶っぽい声しか出てこない。


「・・・もう少しって・・・何をするの?」


「・・・」


 マリは黙って片手をあたしの手首から離した。そして離れた手をあたしの背中に回してそのまま下に手を移動させる。マリの華奢な手は、やがてタイツの上からお尻に触れる。


「!」


 一瞬で覚醒した。


「マ・・・マリ!」


 あたしが慌てるとマリがクスクスと笑う。


「ほら、下着のライン。」


 そう言って正確にあたしの下着のラインを指でなぞった。


 うそ・・・。


「そんなにハッキリと判ってたの?」


 もっと姿見とかで確認しとけば良かった。そう言えば昔っから言われてたなぁ。もっと身なりに気を付けろって。でも何かに夢中になると、どうしてもその辺が気にならなくなる。失敗したかな。




 でもマリは首を振った。


「ううん。良く見ないと判らないよ。」


「でも、マリは気づいて・・・」


「私はヒナをずっと見てたから気づいたの。」


 ・・・確かにそんなに直ぐ気づく様なら、ご令嬢達から流石に声が掛かったと思う。




 マリは軽い口づけを何度もあたしの口に、頬に、首筋に落としていく。そうしながら、もう片方の彼女の手はあたしのタイツの中に滑り込んであたしの太ももを撫で始めた。


「ま・・・マリ!・・・恥ずかしい!」


 気持ち良さよりも恥ずかしさが上回ってあたしはマリに声を掛けた。




 マリは素直に手をタイツから抜いてくれる。少しホッとする。けど、甘かった。


「・・・ヒナ。」


 マリはあたしの名を呼ぶと蠱惑的な笑みを口の端に浮かべて、あたしのユルユルの服に下から手を差し込んだ。


「!」


 彼女が何をしたいのか一瞬で悟った。


「衣装着て寝ようって言ったのはこうしたかったから?」


 あたしが尋ねても、マリは答えずに微笑むだけ。


 駄目・・・。多分それ以上はダメだと思う。自制が効かなくなりそう。でも、抵抗出来ない。いや、したくなかった。


 マリの細くしなやかな指があたしのお腹を這って上に上がってくる。這い上がる指の感触にあたしは期待してしまい吐息を漏らす。




 そして・・・彼女の手があたしの膨らみに触れた。そして優しくその手を動かす。あたしの感覚はソコに集中して何も考えられなくなる。あまりの気持ち良さに思わず声を上げて身を捩った。




「ヒナ・・・可愛いよ。」


 耳元で囁かれるマリの艶っぽい声に頭は真っ白になる。正直、その時間がどのくらい続いたのかなんて全然わかんない。




 やがてマリの手はあたしの胸から離れた。満足したのかマリは元の位置に、あたしの横に収まる。あたしは荒い息を吐きながら彼女の手の余韻に酔い痴れた。




 身体の興奮が治まってくるとあたしはマリの方を見た。マリは愛おしそうな視線でコッチを見ている。


 何か1人だけ燃え盛ったのが恥ずかしくなり少しだけイラッとくる。もちろん本気じゃ無いけど。


「マリ、まさかコレで終わりじゃ無いよね?」


「え?」


 マリはあたしの言葉の意味が判らなかったみたいだけどソレには構わず、今度はあたしが上半身を起こしてマリに覆い被さった。


「ヒナちゃん?」


 あ、『ちゃん』付けに戻ってる。ふふふ、直ぐに呼び捨てモードに戻してあげるよ。




 あたしはマリに囁いた。


「今度はあたしの番だよ、マリ?」


「ヒ・・・ヒナちゃん・・・」


 彼女の表情が、あたしの思惑に察しがついた事を物語った。


「ふふふ・・・。どうしてあげようかな?」


「・・・」


 彼女の瞳に戸惑いと期待の相反する感情が宿る。




 あたしはマリに顔を近づけるとその唇に軽く口づけた。そして彼女の白い首筋や鎖骨の辺りへも口づけを落としていく。しばらく続けているとマリが「あっ」と声を漏らして口を開けた。ソレを見てあたしはその口の中に舌を滑り込ませる。


「!」


 マリの表情が驚きに満ちて全身が震えた。コレ、今までした事ないもんね。最初はビックリするよね。あたしもそうだったし。最初、マリは驚きの為かあたしにされるが儘だったけど、そのうち彼女も恐る恐るあたしを真似て応戦してくる。


「・・・ふ・・・う・・・」


 時々漏れてくるマリの声にあたしは再び燃え上がってくる。絡む舌の感覚に恍惚となりながらあたし達は互いを求め合う。


 やがてあたしはマリから口を離した。


 荒い息を吐きながらウットリとあたしを見上げるマリを眺める。そしてあたしはそのまま片手をマリのスカートに伸ばして手を入れた。そして彼女の脚をそっと撫でる。


「!」


 マリは表情を変えて、真っ赤な顔でブンブンと首を振る。チェッ、駄目か。あたしは直ぐに手を離すと、彼女の上着に下から手を入れる。


「・・・」


 手をお腹に這わせながら、彼女の表情を伺ってみるけど嫌がって無さそう。ソレなら。




 あたしの手がマリのお腹を這って、やがて膨らみに届いた。意外とあるな。あたしはゆっくりと手を動かした。ソレに合わせてマリが吐息を漏らし、小さく声をあげる。


「・・・ヒナ・・・」


 ・・・かわいい。


 美しい銀髪が乱れ、真っ白な肌を紅潮させて身を捩らせる彼女の姿に見惚れながら、さっきは自分もこうだったのかなと少し恥ずかしくなってくる。


 ・・・最初からあんまりイジめるのは可哀想かな?と言っても結構長い時間を堪能してしまった。




 あたしはソッと手を離す。


「ハァ・・・ハァ・・・」


 ぐったりと横たわるマリの耳元に顔を近づけて囁いた。


「気持ち良かった?」


 マリは薄らと目を開けてコッチを見ると少し拗ねた様な表情を見せる。けど、直ぐに恥ずかしそうに笑って頷いた。


「うん。」


 その顔が嬉しくてあたしも思わず微笑む。


「マリ、可愛かったよ。」


「ヒナも凄く可愛かった。」


 マリはガバッとあたしに抱きついた。あたしも彼女の背中に手を回す。2人で脚を絡ませて抱き合って眠る体勢に入る。




 ベッドの柔らかさとマリの温かさがあたしの身も心も満たしていってくれる。


「えへへ。」


「何?」


 マリが笑うのであたしが尋ねる。


「ヒナちゃんのおっぱい触っちゃった。」


「・・・もう、そう言う事は言わなくていいから。」


「だって・・・美人でしっかり者のヒナちゃんが、あんなに乱れてくれたのが嬉しくって。」


 しっかり者・・・?そうかな、自分では結構ヌケてる奴だと思ってるんだけど。っていうか乱れるとかゆーな。恥ずかしかろ。




 前から言おうと思ってた事をあたしは口にした。


「マリってさ・・・」


「ん?」


「エッチだよね。」


「!!」


 マリの心外だとでも言いたげな表情に少しツボる。マリは赤らむ顔を隠すようにあたしの胸元に顔を埋めた。


「・・・そうだよ。エッチだよ。ヒナちゃん相手だけにはね。ヒナちゃんを前にすると自分が止められなくなる。何でもしたくなる。」


「!」


 今度はあたしが赤くなる。


「そっか、嬉しいよ。」


 そう言って彼女の長い銀髪を撫でると、マリは更にギュッとあたしを抱き締めた。




 あー・・・コレ明日起きたら大変だな。恥ずかしくて死んじゃうかも。











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