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戦国転移「えっ、信長様。私が未来から来たって信じてもらえるんですか?」  作者: 崖淵


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織田家評定

――織田家評定の間


「ふむ、ではそちは今日のところはそちらの末席…は、おかしいか、客人だからな。そこら辺にでも座って話でも聞いておけ。」


と、信長様が指示したのは、諸将が座るより一段高い信長様が座っている部分の脇の方。

えええええ、そこに座るのは脇の方とはいえ、諸将より高い位置に座るのは文字通りハードルが高いというかなんというか。

とはいえ、「早くしろ」と信長様に急かされてしまえば否応もなく。


っていうか、まだ信長様に提示する資料のまとめが全然終わってないんですけど!?

という内心とは裏腹に、


「はっ、かしこまりましてございます。」


と、口ではこう言っていた。

なんかこの時代に来て、心にもない言葉が自然と口から出るようにナッタナー。




なんか、普通に評定に参加させられているけど、とりあえず諸将より領内の報告―やれ、どこぞの城の防備を厚くするとか、やれ、最近占領した土地の年貢を確保するために領内を調査する―を中心に評定は進んでいく。

もちろん思うところはあれど討議内容には参加しないぞ!

退屈な会議だからって、ここで現代風にスマホとかいじってたら怒られる…最悪死罪を申しつけられるんだろうな。もちろんしないよ?電波入ってないし。

退屈な会議で眠くならないのって?いや、さっきからね。諸将がちらちらとこっち見てるんだよね。

注目してるっていうよりかは、視界に入るって感じなんだろうけど。言い換えれば目障り?

諸将にしてみれば面白くないよねー。ぽっと出の若造が、上座って訳じゃないけど大殿の近くにいる訳だし。


そんなこんなで進んでいた評定だけど、一通り予定されていた評定内容は終わったのか最後に信長様が総括と今後の方針について確認を行っている。そろそろお昼か。昼飯ナニカナー。


「で、武政。ここまで黙って聞いていたようだが何かあるか?助言者アドバイザーの立場として何か感じたことを申せ。」


えっ。

無茶振りキタワァ。

そういう振りするなら最初から言っておいてもらえないかな。そうしたら、そのつもりで聞いていたよ。

っていうか、客人じゃなかったの!?いつのまに自分は助言者アドバイザーになったのさ。

しかも、「何かあるか?」とだけ聞かれていたら「何もありません」で終われたのに…。

うーん、そうだなぁ…織田家の自分の居場所確保を考えると…


「そうですね。なにぶん初めての参加ですし、本日の報告だけを聞いて何かというのは中々難しいのですが…この評定の議事録みたいなものは無いのでしょうか。」


無いだろ、後世にそんな史料伝わってないしな。


「議事録…とな?」


「ええ、今回の会議の内容をまとめた物です。今回の報告内容だけでなく、次回までにこうする。こう改善するといった内容も多くありました。これをきちんとまとめ、次回の評定時に前回の議事録を踏まえて会議をするのです。

前回の評定時に述べた方針、抱負等がどれだけ達成できたのか。次回の評定時にそれを踏まえながら評定を行うとより意欲的な仕事に繋がるのではないかと。」


「特にそういうものはないが、ふむ検討してもよいな。」


「よろしければしばらくは私が書きまとめましょう。」


よかろう…と信長様は告げ、評定は終わった。


うん、これで評定の時間帯では書記してればいいんだし、気まずい思いはしなくてもいいな。

何か聞かれても議事録メインで話せばいいし、悪くない結果だ。

とりあえず評定限定だが仕事は出来た。そこで地味な存在感を出せたらいいな。

普段は客人として信長の茶飲み友達を目指すぞ。

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