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0:運命に抗う者

 月がぼんやりと輝く薄暗い夜。ある廃れた建物の中に1人の黒髪の少年が床の上にうつ伏せのような形で倒れていた。


 その少年は上下ジャージ姿という、とても身軽な格好をしている。


 そして彼の近くにには、1人の銀髪の少女が倒れていた。


 その少女は少年とは変わって、ドレスのような華やかな姿だった。しかしその綺麗なドレスも所々擦り切れていたりと汚れていて、元のような色は失っている。


少年は、少女に腕を伸ばし、呟く。


――今回も、だめだったか。


少年の小さな呟きは夜風に呑まれて消えていった。






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