表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GORIRA*年収3億の俺が起きたらゴリラになってた件  作者: 新月 望


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/29

第28話『ゴリラとシャワーとJKとJC』

 ピンポーン! ピンポーン! ピンポ! ピンポ! ピンポ! ピンポーン!


「だっ! うるせぇ!!」


 俺は激しい怒りとは裏腹に、インターホンの通話ボタンを慎重に慎重に、優しく押す。


「お兄ちゃん! ご飯にする? お風呂にする? それとも〜、わ・た・し?」


 今日も今日とて、順調にお馬鹿な妹である。馬、鹿、ゴリラの愉快なアニマルパークだ。ちなみに飼育員は金髪JKと言う混沌(カオス)っぷりだ。


「カナ、それは、出迎える側のセリフだ。カギ開けたから、上がっておいで」


 そう言って俺は、一階の入り口の自動ドアを開ける。


「はーい、いっま、行きまぁーつ」


 さて、妹来訪まで、残り数分。まずは、スタバの空になった容器を隠す所から始めよう。カナの分は買い忘れたのだから、この秘密は死守せねばならない。奴は鼻が効くからな、念には念を入れ、キッチン用のフタ付きのゴミ箱に入れよう。足で踏むとフタが開く式の、よくあるゴミ箱だ。


 そーっと、やさし〜〜く、ゴミ箱の下の部分を踏み込む(ゴリラ)

 力加減をミスれば、一発でヤられる……。


 パッカ!


 よし! ゴミ箱を壊さずに、優しく開けることに成功した。俺はそのまま、大きな顎門を開き、今か今かとゴミを待ち受けているゴミ箱に、空になったスターバッコシの容器を自由落下させる。


 ふぅ、清々しい達成感と、絵も知れぬ全能感が今、俺の体を駆け巡っていた。


 ピンポーン! ピンポーン! ピンポ! ピンポ! ピンポ! ピンポーン!


 あぁ、もうついたのか! それにしても、なんでこんなにも、インターホンを連打するのだ? ゴリラにとってのドラミングか何かか⁇


 あまりのやかましさを見兼ねてか、自らの足で、玄関の鍵を開けに行く涼。俺もその後に続く。


 ガッチャ!


「お兄ちゃん久しぶりって、泥棒猫⁉︎」


「誰が泥棒猫よ」


「あぁ、涼おねぇちゃん!!」


 玄関のドアが開くや否や、即興漫才をはじめるJKとJC。それにしても、うちの妹は、テンポ感のみで生きているのだろうか……。


「何でそんなにずぶ濡れなのよ?」


 台風の中でジョギングしていたかのように、汗だくな妹に突っ込む涼。汗だくな妹に突っ込む涼。大事な事なので二回言いました。


「だって、1階から走って上がってきたから!」


「え? ここ、最上階よ? 25階よ⁉︎」


 公園で野生のゴリラと出くわした時にすら驚かなかった涼が、驚きを露わにしている。


「びっしょ、びっしょ!」


 そう言って、俺の家の玄関で汗を振りまく妹。


「えっと、とりあえずシャワーに入ったら? あ、シャワーヘッド無いんだっけ?」


 そう言って、ゴリラに問いかけるJK。


「あぁ、シャワーヘッドは初日にヤッた」


「あぁ、もう! いいわ、とりあえず、下の私の部屋に行くわよ!」


 JKを先頭に馬鹿とゴリラがエレベーターに乗り込む。



 * * *


 みなさん、とんでもないことが起きております!!


 なんと、JKの家にて、JKとJCがお風呂に入っております!!


 俺は現在、リビングで待機ゴリラなわけです。ここから、一歩でも出ようものなら、世にも恐ろしい調教が待っているに違いありません。それはそれで、Welcome to the Gorira なんですがね。命あっての物種とも言います。


 まぁ、そんなわけで(ゴリラ)(ゴリラ)らしく(ゴリラ)のアドバンテージを最大限に活かし切る為に、全神経を聴力に集中していた。


 扉越しでもうっすらと聞こえる彼女達の声。


「ちょ、ちょっと、変なとこ触らないでよ……」


 涼の吐息混じりの声が聞こえる。

 よし! いいぞカナ! もっとやれい!!


「涼おねぇちゃんの、小さくて可愛いい! ちゃんと柔らかいんだね?」


 カナが涼の秘密の園について言及する。


「な、何よ、嫌味?」


「違うよ、でも、こうしたら大きくなるって、友達が言ってたよ?」


「え? あっ、ちょっと、待って……」


 いけ! カナ! 待つんじゃない! 決めろぉーーーーう!!!!



 気が付けば俺は、今までで一番力強い、ドラミングをしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ