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✧ 詩 ✧   祈り

美しい人類


樹木は賢人である


おそらく彼らは最も礼儀正しく、しとやかで美しい人類である




 豊かな緑の葉を風に揺らす彼らを見ていると思う――


 もしも全ての人類が樹木であったなら


 一瞬にして大地を

 燃やし尽くし

 溶かし尽くし

 あらゆる生命の二重螺旋を破壊する力を

 暗闇に光を放つ石から取り出すこともなく


 その力を使って

 地上に地獄をつくりだすことも

 脅すことも

 怯えることも

 なかったのかもしれない


 いや、決してなかったのだ ――と




けれども


そのように思うことは


我々人間の存在を否定する、許されざる裏切りなのか




八月が、終わる。


無力な私の手は、虚空を掻く


風が、吹いている












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― 新着の感想 ―
[一言] 樹木を単に人ではなく、「賢人」「美しい人」と例えてある点にハッとしました。 うまく表現出来なくてもどかしいのですが、凛として勢いのある詩だと思います。終わり方も良かったです。 メッセージ性の…
[良い点] 八月という季節に、意味を持たせる詩であること。 そして、手にはただ、なにかが過ぎ去っていくものしかつかめない憤りが伝わってくるところ。 [気になる点] この詩に気づくのが九月になってしまっ…
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