表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴェスタの日常  作者: ヴェスTA
3/3

ヴェスタとの出会い (2)

悪魔の召喚を実行するには直径10mもの魔法陣を書く必要があるし,周囲に飛び火してもいけないので大きな公園を探すことから始めた.


家から4kmほどのところに要件を満たす公園が見つかった.


公園に下見にゆくと50m×50mくらいの大きめな公園で,端に滑り台などの遊具が幾つかあるだけで,ほかには何も無い公園だった.


地面は土で周りに燃え移りそうなものはない.公園の周りに隣接して民家があるようなことはない絶好の場所だった.


下見をした次の日,悪魔の召喚を決行することにした.


ホームセンターで工具一式を購入し,家の車からガソリンを抜き鉄のバケツに入れ,夜になるのを待つことにした.


夜,家族に見つからない様に静かに家を抜き出し,隠しておいたガソリン入りのバケツを持って公園へ向かった.


雪は降ってはいなかったがとても寒かった.もしかしたら氷点下なのかもしれない.吐く息が白い.手がかじかむ.


(寒・・・)


公園につくと,ガソリンを地面に塗り始めた.


スマートフォンで時間を確認する. あと約5分で24時だ.人がいないことは確認した.


(なんで私はこんな馬鹿みたいなことをしているんだろう)


自分の愚かさに自嘲する.しかし,ここまで来てやめることはない.


目の前には直径10mにも及ぶガソリンで書かれた魔法陣がある.


時間を見ると,あと30秒で24時になるところだった.


ライターを付け,魔法陣に着火する準備をする.


(5,4,3,2,1,いま!)


着火した!炎が走り,一瞬で魔法陣を形作る.


すると,魔法陣からオレンジでも青でもなく,緑色の光があたりを照らした.


(えっ!なに!?Cu?)


しかし,炎が緑色なのではなく,地面から緑色の光が放射されているのだ.光がピークに達した瞬間,爆発したかのような爆風があたり吹き荒れた.あまりの風に私は目を瞑ってしまった.


数秒ほどして,暴風がやんだ.前に,いるはずもないが,誰かがいる気配があった.恐る恐る目を開けた.


前にいるのは,黒い翼を生やした黒服の男,髪は紺色でオールバック,180cmぐらい西洋人のような顔でパーツは整っている.


歳は私よりも少し上で19歳ぐらいだろうか.


その目は深い緑色に呈色しており,私を見下ろしていた.


「・・・」


カラコンを付けて悪魔のコスプレをした痛い男が立っていた.


これが,彼ヴェスタとの初めての出会いであった.

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ