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11.北ベルガル湾海戦(前)

作中に登場するソ連空母と艦載機は後ほど詳細を載せます

ーギルシア皇国・北ベルガル湾ー


深夜1時、ひっそりとユーティス港を出港した海上自衛隊の第一機動艦隊は、空母ひりゅうを旗艦とし、北へと航路を取っていた。


編成は、原子力空母ひりゅう。イージス護衛艦あたご、あしがら、みょうこう、こんごう、きりしま、ちょうかい。ヘリ搭載護衛艦ひゅうが。護衛艦はたかぜ、ありあけ、むらさめ、いかづち、あきづき。これらの艦艇は、本土防衛を新造艦が担うため、即応打撃艦隊として再編された。


もっとも特徴的なのが、対地、対空、対潜、対艦攻撃力が一つもかけていないことだ。空母ひりゅうには、F-3の艦載機型であるF-3Cが対艦対空を担っている。ハードポイントを増加させたF-3Cは、ミサイル及び爆弾を通常の二倍まで搭載することが可能となっている。


「鮫島、臨戦態勢(アラート1)が発令された。今すぐ飛ぶぞ」


航空隊の待機室で雑誌を読んでいた鮫島優也三等空佐は、同機のパイロットである西村竜司二等空佐が投げたヘルメットを受け取る。


「まだ、即応戦闘待機(アラート2)のはずでは?」


「計画変更だ。ソ連空母からのミグが上がった」


カツンカツンと階段を登る二人は、すでにカタパルトに設置され、ミサイルの装着を行う愛機のF-3Cへと近づく。


「何でも、忠実にはない空母艦載機らしい。油断できないが俺たちの敵ではないな」


そう言いながら、機体を整備する整備員に一声かけ、ヘルメットを被る。


「よし、パーティーの始まりだ!」


梯子を使ってコックピットへ登り、鮫島は複座となっているF-3Cの後部座席へ座る。目の前に設置されている管制ユニットのスイッチを入れる。


「キャノピーを閉めてくれ」


西村に言われた通り、レバーでキャノピーを閉める。


『こちらひりゅう管制。ラビット42、2番目に離陸せよ』


「ラビット42、了解した」


『ブレーキ、フラット、フラップの確認を行ってください』


「聞こえたか鮫島?左と右のブレーキとフラットを確認してくれ」


鮫島は振り返って後ろの垂直尾翼付近を確認する。後ろでは、緑のパーカーを着た整備員がグーサインを送ってきた。


「問題なし」


「OK、兵装システム起動。HMDバイザーを起動しろ」


ヘルメットと管制ユニットをリンクさせると、ヘルメットのバイザーにデータが映し出される。機関砲、ミサイルのスピンアップとトラッキングを終える。そして、虎の子のフレアが正常かを確認する。


「兵装システム問題なし。ラダー、ブレーキ、フラット、計器、すべて異常なし。準備はいいか?」


西村の問いに、グッドサインで返答する。


『スタンバイ』


ふと横を振り向くと、整備員がフィンガーサインで『幸運を祈る』と送ってきた。鮫島は『任せろ』と返す。


「射出準備、いくぞ」


発艦管制官の腕が上に上がると同時に、電磁式カタパルトによって鮫島の乗るF-3Cは海原へと射出される。


「ナイス!」


『こちらラビット43、42の横を飛行中』


「了解したラビット42、並走し方位2ー3-0へ向かう。敵だ」


『ラビット43、了解コピー


空母ひりゅうを飛び立った二機のF-3Cは、ソ連艦隊から出撃したと思われる敵戦闘機が向かう方角へと飛び去る。


ひりゅうから二機が飛び立つ前、第一機動艦隊の艦隊司令官である姫島裕二海将補は、艦隊の旗艦であるひりゅうの艦長山口勉二等海佐と作戦を練っていた。


「神ソ連艦隊は、偵察衛星からの映像を見たところ、まっすぐ本土に向かっているそうだ。装備も、我々とほとんど遜色ない」


「そうなれば、航空隊の対艦ミサイルによる飽和攻撃を警戒せねばな」


「こちらにはイージス艦が6隻ある。防空の面では問題ないだろう、問題は航空機と対艦ミサイルによるソ連艦隊への攻撃だが……」


「あいにく、こんな天気じゃなぁ……」


艦橋から外を見る。海上はすでに大時化で、風も強かった。


「航空隊からはいけると」


「ならば、彼らを信じてみよう」


山口は航空隊に命令し、二機のF-3Cを発艦させて迎撃に向かわせる。突如、艦橋にけたたましくサイレンが鳴り響く。


「ECM探知、120度!」


「距離は?」


「およそ50㎞、数は6!」


「了解した。姫島くん、頼むよ」


「総員、対空戦闘よぉーい!!」


無線で艦橋の山口なら指示が飛んでくる。C4Iシステムで艦隊全てがデータリンクした第一機動艦隊は、ひりゅうのCICからの指令で全て行われる。


艦橋の航海長である栗林三佐が回避運動を指示していた。


「レーダーに反応!ソ連機から高速飛翔体30を確認!」


「対空戦闘用意!取り舵20度、第二戦速!」


「とーりかーじ!」


「第二戦速!」


「敵ミサイルのシーカー波を探知、ロックされています」


「各艦に最適迎撃目標を割り振りました!」


「よし、発展型シースパロー発射準備!」


砲雷長の工藤三佐が指示を出す。


「後部VLS解放、イルミネーターリンク!インレンジ5秒前! 」


「4.3.2.一斉発射サルヴォー!」


VLS搭載の護衛艦から3発ずつ発展型シースパローが発射される。12隻の護衛艦から一斉発射された発射型シースパローは、艦隊に向けて迫る対艦ミサイルへと飛翔する。


『第一目標撃墜、第二目標6接近中』


「護衛艦、CIWS右舷AWWオート、撃ち方始め!」


ひりゅうの右舷に展開していたあたご、みょうこう、こんごう、ありあけ、むらさめの近接防御兵器であるCIWSが、シースパローが撃ち漏らした残りの対艦ミサイルを撃墜する。


「目標沈黙!」


「ラビット42、43、敵航空機撃墜」


「対空警戒を厳とせよ」


こうして第一機動艦隊は、ソ連艦隊に先手を打たれたが、結果は損害なしという活躍を見せた。その頃、ひりゅうではソ連艦隊を攻撃するための攻撃隊が発艦し始めていた。

海戦の描写が下手くそですが、ご了承ください。

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