終焉の鐘
「やぁ、いらっしゃい」
魔王は二人に告げると背後にある機械を高く見上げた。
「凄いだろう私が編み出した秘密兵器だよ」
全く攻撃を仕掛けようとしてこない、寧ろ両手を広げて巨大な機械を見上げている魔王に、ライトは少しばかり恐怖心を抱き始めていた。
「ラ、ライムさん……」
ライムに相談を持ち掛けようとしたが、その前に魔王の元へと前進し始めていた。
ライトも遅れをとらないように、走り出そうとしたがそれをライムは止めた。
「ライトさんはそこにいて」
「え? 」
質問を投げ返そうとも思ったが、いつもより真剣な雰囲気のライムに言葉は消えた。
その時巨大な機械の前にモニターが現れ、今の残り時刻がデジタル化された。
残された時間はあと8分。
それを見て一気に走り出したライムに反応し魔王も振り返り、近くにあった緑の小さなボタンを押した。
すると、魔王の前からゴーレムが現れ、手を振り下ろす。
ガシャァーン!!か
ライムはそれを交わしゴーレムが床に大きな窪みをつけると、その手に飛び乗り一気に肩を目指し駆け上がる。
ゴーレムはもう片方の手で覆い込むようにライムに手を乗せるが、それも指の間からするりと交わし、肩に着くと高く飛び上がり、魔王に向かって鎌を振り下ろした。
「やぁあああ!!」
それを見上げていた魔王はニヤリと笑い、右手を突き出し、左手で他のボタンを押した。
その瞬間ライムの振り下ろした鎌は見えない壁に塞がれとうてい魔王に届きはしない。
「なんで!?」
ライムが困惑していると、物凄い音と振動で後ろを振り向いた。
ライトはゴーレムと戦っていた、助けに行こうとするがそれをライトは止めた。
「時間が無いです、残された二人のためにも目の前にいる敵を倒してください! 」
ライトの必死な答えにライムは振り返り、余裕に構えている魔王の壁に向かって次々と攻撃をし始めた。
「……このゲームの真相を……知りたいかい? 」
「ぐぬぬ! 」
力付くでも壁を壊そうと試みて何度も壁に向かって鎌を振るがすべて遮られた。
「カシファ……あの中央にある大きなボタン……見えるか?」
一人勝手に語り出す魔王を無視し、ライムは攻撃を続ける。
「このゲームソフトにはね……私が独自に開発したウィルスが仕込んであるんだよ……あの時間が0になればすぐに作動する仕組みになっているんだ。」
魔王は一通り説明すると、手元にあった黒いボタンに触れる。
「……で、作動したらどうなると思う? さぁ質問だ」
「そんなの知るか!」
怒鳴り付けたライムの言葉に魔王は振り返りまたもや機械を見上げた。
「何もかもが終わるんだよ……これで全部……」
「そんな事、絶対にさせない!」
「止めたいかい?」
「絶対に止める!」
「それじゃぁ特別に教える……あの大きな黄色いボタンを押してごらん」
その言葉の後壁が消え、それと同時に警告音が鳴り響く。
残り時刻は二分。
その時魔王はニヤリと笑い黒いボタンを押した。
上にあるボタンを見て、どうやってあそこまで行くかを試行錯誤しているとき、後ろにいたライトの悲鳴が聞こえた。
「きゃぁ!」
すぐに振り返るとライトの足が膝まで床に吸い込まれていた。
身動きの取れない状態となったライトは必死に動かせる上半身で相手の攻撃を防ぐ。
「ライムさん! 今助けに!」
「良いのか?」
「え……」
「彼奴はカシファを殺そうとしたんだぞ?」
「それはあんたが!「そんな事をしても私には何のメリットもないがなぁ」……」
ライムが唇を噛み締めていうると魔王の目の前に透明なガラスで作られた階段が現れる。
「どっちかにするんだな……友を助けて自分も死ぬか、友と自分も助けるか」
ライムは一度振り返り、傷つきながらも攻撃をしているライトを見て、拳を握りしめる。
魔王を睨み付け一気に目の前にあった階段を駆け上がった。
ライトの体の沈みも早くなり肩の近くまで埋まり始めていた。
(お願い!)
「ライムさん! 頑張ってください!」
微かだがライトの声が聞こえた。
それを聞くと右手を前に思いっきり突きだした。
あと、5秒
ボタンまで残り僅か。
(お願い! 届いて!)
魔王はそれを見ると、一粒の涙を流し、今までにない優しい笑顔で瞳を閉じた。
「届けぇえええ!」
3
2
1
その瞬間ライムの伸ばした指先がボタンを押した。
その後に頭に激痛が走り、崩れ去る景色の中ライムは瞳を閉じた。
意識がなる直前……コンピューターの声が頭に響いた。
「おめでとうございます」
(あぁ、間に合ったんだね)
そこで、ライムの意識が完全に途切れた。
───暗い闇の中、人の声が聞こえる。
「ライム? ……ねぇ」
「おーい、おきろー」
「大丈夫ですか?」
「……誰」
ライムが瞼を開けて、起き上がるとそこは暗い闇に包まれていた。
まるで深海に取り残されたような寂しい場所。
先程の声の主は居ない。
ライムは一人歩き始めた。
ここはどこなのか……これからどうなるのか。
不安になりながらも手探りで周りを歩くがどこに行き着く宛もない。
そんなときまたあの声が聞こえた。
「良かったライムさん! 」
「おーい! こっちだよー!」
「早く来いよー!」
またしても声が聞こえる。
すると、前方から暖かい光が零れライムが腕で顔を覆っていると、右腕を引っ張られた。
「ほら、早く」
「え?」
引っ張られた腕の先には満面な笑みを浮かべる誰かがいた。
紫色の髪に頭に密網をした美人さん。
「良かったです。無事で」
ふと引っ張られた先には光に包まれた、そこには金髪の女口調の男性が優しい笑みを浮かべていた。
「まったくー、ライムはほんと怖がりだよな♪」
からかい口調の赤い髪の可愛らしい女の子はまるで男みたいに威勢良く、私の体を軽く叩いた。
(誰……)
「ほら、早くいって♪」
最後に紫色の髪の女性は困っている私の背中を軽く押した。
その時ふと聞こえた。
「ばいばい」
その声を聞いた私の瞳からは涙が零れ落ちていた。
でもそれは止まることは無かった。
そしてまた意識が遠のえていった。
あーだこーだ考えて考えてたどり着いた結果がこれです(・・;)




