暗闇の恐怖
「あぁ、神様……一体あたしは何日ここにいるのでしょうか……死ぬのでしょうか」
「さっき来たばっかだろ!」
ライムはランプで照らされたドアノブを見つめ、頭が壊れたかのように独り言を言い始める。
「ど、どうしましょう……ライムさんが……おかしくなってしまいました」
「ライム~、そろそろ現実に戻ってきてよー」
マカは階段の手すりにもたれ掛かり、ライトもマカの近くで、困り果てている、そんなときだった。
ぎぃぃいい…
「ん?」
「……音……しましたね」
階段の近くにいた二人にはしっかりと廊下を踏みしめる音が聞こえた。
「あー、もう、仏様……キリスト様助けて。」
「そろそろ止めねぇと、本気でぶっ飛ばすぞ?」
「……」
ぎぃぃいい…
「…ヒ!」
その音はライムにも聞こえたようで、急いで立ち上がると、ライトへと近寄る。
「…な、何…この音。」
「わかりません……でも、私たち以外に誰か居るのでは…」
真剣な顔で天井を見上げるライトはとても頼もしく見えた。
「…でも、ここって…町の人から避けられてるんだよね?」
「…じゃ、じゃあ…」
「行ってみましょう!こんな所にいても何もなりません!」
「だな。」
ライムも渋々階段へと脚を伸ばす。
やはり豪邸と言うこともあるのか、階段は緩やかな曲線を描き、2階まで長く感じる。
ぎぃぃいい
ぎぃぃいい
その音は少しずつ大きく聞こえ、皆の緊張が高まる。
だが、アゲハが壁から辺りの様子を伺うが、誰もいないが、音は続いている。
「…んー?誰も居ない…ま、ゲームだからな。」
「ゲームの問題じゃない!」
「お前絶対ホラゲとか出来ねーだろ。」
「…出来ないんじゃない、しないんだ。」
「ホイホイっと、良いぞ行っても。」
ライムの抵抗を軽く流しながらアゲハは先に廊下に出ると、皆に合図を送る。
「…カビくさい…」
「ですね。」
2階のカビ臭さと埃つぽさは一階よりも酷く、あまり長居するべきところではない。
「んー、どっから行く?」
廊下は左右に繋がり、その先は暗闇で見えない。
「カ、カギを」
「出る事しか考えてねぇな。」
「でも、音が聞こえたのは左側だったから、避けた方が良いと思います。」
「それじゃ、右だね♪」
アゲハを先頭に四人は右側の廊下へ進み始める。
廊下には枯れ果てた花がボロボロにくだけ落ちた残骸や、今にも剥がれそうな床板で、ライムは自分の足音にも焦っているようだ。
暫く歩いていると、右側の壁に大きな壁掛けの鏡が見える。
金色だったであろう豪華な額縁は剥がれ落ち、鏡も所々錆びれている。
「うわぁ!おっきい鏡~」
マカはそう言いながら鏡に近づくと鏡の中の自分とにらめっこをしはじめる。
それを見るとアゲハも周りを見物しはじめる。
「それにしても良くできてるなぁ。」
ライムは久しぶりにライトから少し離れるとマカの後ろを通る。
「…と、とにかく、さっさと鍵を見つけて、出よう…どこかにさ鍵で開く扉があると思うし。」
その時、ライムは見てはいけないものを目撃する。
丁度話ながらマカの顔を鏡越しで見たときだ。
「♪~♪…「チュゥー」あ。」
にらめっこをしながら鼻唄を歌っているマカの頭に鼠が落ちてきたのだ。
「ヒィ!いーーやぁーー!!」
「キャ!ラ、ライムさん!?」
鼠を見た瞬間、ライムは止まらずまっ暗闇の廊下へライトと共に走り出した。
もっと詳しく言うと、ライムに連れていかれた。
どがーーん
「あーーれーー!」
「ひゃぁぁああ!」
すると、急に埃が舞い上がり、物凄い音が鳴り響く。
「ヤベ!行くぞ!マカ!」
「え?!う、うん!」
二人は先に行った二人の安否を祈りながら、走り出した。




