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繰り返しのゲーム  作者: 赤ずきん
繰り返された未来
53/74

目に見える恐怖

四人は町外れの廃墟に着いた。


辺りの暗さは一層増し、冷たい風が肌に当たり、枯れた草や花を揺らして奇怪な音を立てている。


門は蔦で覆われ、ほとんどその役目を果たしておらず、まるで誰かを引き寄せるように開かれていた。


その異様な光景を見れば誰しもが腰が引け、恐怖が出てくるだろう。


そして、現にそこにいた。


「よし! 帰ろう。」


くるりと回り敷地に入ろうとしないライムをアゲハは止める。


「おーい! 待て待て待てぇい! 何言ってるんだ!? まだ中にも入ってねぇだろ」


「いや、もうここまで来たからいい」


「意味ねぇだろ!」


二人が言い合っている間にライトも入り、何とか仲裁を試みる。


「ま、待ってください、アゲハも、誰だってこんなところに来たら怖いよ……」


「はぁ? 俺は全然怖くねぇよ♪」


「アゲハだけはな……」


三人が話している間、マカはというとずっと不気味に佇む城を見つめて思考回路を巡らせていた。


(怖い……怖い? これって遊園地のアトラクションみたい……!! 吊り橋効果!!)


そして、またもや彼女の妄想と夢劇場が幕を開けた。


<きゃー!>


お化けに驚くマカは拍子に隣にいたアゲハに抱きついてしまう。


<あ>

<あ>


そして、恋に引かれ会う瞳。

<ア、アゲハ君……>

<マカ……>

二人の距離は少しずつ近くなり……

(これだわ!!!ここは男女には絶好のチャンス!!そう!恋のお城なのよーーーー!!)


「ライム!行こう!」


「……え?マ、マカ?」


「さぁ、早く!」


マカはライムの腕を掴むと一気に敷地へと入り玄関目掛けて走りだし、二人も続けて後を追った。


大きな扉は昔の綺麗だったであろう面影は一つもなく、錆れて半開き状態だ。


「おし!じゃぁ開けるぞ!」


アゲハが半開きの扉をさらに入りやすく開ける。


ギィィイ


ドアの金具が擦れる音が鳴り響き、それは耳が痛くなる程で、ライムは城の中が見えない様に、ライトの後ろに顔を埋めている。


屋内は当然だが暗闇でよく見えない。

すると四人は店で予め買っておいたランプに火を付けそれを片手に城の中へと足を踏み入れた。

「こ、こんなこと、オカルトマニアしか絶対に来ないって」

「これもこの町を救うと思ってさ♪」

「嫌」

ライムのあまりにも早い答えにアゲハは眉間に皺を寄せながら振り返る。

「お前なぁ、嫌いなものが多すぎなんだよ、子供が嫌いとか

「あたしはな!! この世界の中でお化けと小動物と虫と子供が大っ嫌いなんだ!!!」


「ア、ハ,ハイィ……」


あまりの迫力に押されるアゲハは返す言葉もなく圧倒されていた。


その時マカの声が鳴り響く。


「見てみてぇ、面白いよぉ♪」


声のする方を見るとマカ肖像画を手にし笑いを堪えていた。


「この人の顔のところに蜘蛛が付いててさ♪髭かと思ったよ♪あ……」


マカは何かを思い出したかのように必死にその肖像画を隠そうとしたがそれはどうやら遅かったようだ。


「イヤァァァァァアアア!!!!」


その直後甲高いライムの悲鳴が城の静寂を突き破った。


「もう無理!!ムリムリ!!帰る!」


そう言いながらも慌てて城の出口へ向かうがマカが何とか引き留めようとした、が、それがかえって絶望を与えることになった。


「ま、待って!ライム!蜘蛛はもう居ないから!うわぁ!」


マカは絨毯に足が絡まり、そのままライムより先に扉にダイブした。


ドサ!バキバキ!!ギィィイイ!バタン!


カチッ!


「ヒィ!」


マカがダイブした扉は反動で勢いよく閉まり、その横にあった機材もいくつか折れてしまっていた。

あまりの事でライムもマカの破壊力に声が出てしまったようだ。


「あ、いたたぁ……アハハごめんごめん」


「マカさん、大丈夫ですか!?」

「てゆーか、機材が大丈夫か?」


心配そうに近寄る二人を出し抜き、ライムは扉のノブに手を掛ける。


「おい!」


「ま、待って!嫌な予感しかしない」


ガチャガチャ!


「……う、嘘」


ライムはその場に座り込み正しく絶望まっしぐら、この世の終わりの様な顔をしていた。


三人もどうしたのかと近づいてみる。


「ライムさん?どうしたんですか?」


「カ、カギが……開かない」


「……え」

「何かこう言うのはお約束だよな♪」

「あ、あたしがさっき壊しちゃったのかな?」


暫し絶望に浸りながらもアゲハがドアノブに手を掛ける。


ガチャガチャ!


「んー、もうちょっとしたら開きそうだけどなぁ」


「ちょっと、あんまりやったら」


ガチャガチャ!バキ!


「ハ!」

「ホォア!」


二人からはどこからそのような声が出たのか分からないほどの今までにない声を出すと、取れたドアノブを光の無い目で見つめていた。


もうここまで来ると怒る気力も無いだろう……。


それを見ていた二人はこの城での冒険が物凄く不安になるのであった。

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